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斉藤洋平 先生の独自取材記事

はぐくみ母子クリニック

(川崎市中原区/武蔵中原駅)

最終更新日:2019/08/28

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川崎市中原区の住宅街に、産婦人科・小児科複合施設として2015年7月オープンしたばかりの「はぐくみ母子クリニック」。産婦人科とは別の入り口から入る小児科は、大きめのバギーでも診察室にそのまま入れるほどゆったりしており、海をイメージした内装も明るくかわいらしい雰囲気。感染症の子どもの待合室を別に設けるなど、随所に母子への思いやりが見られるのもうれしい。「問診を丁寧に行い、診断の結果や家庭看護の方法などをわかりやすく説明するように心がけています」と穏やかな口調で語る小児科の斉藤洋平先生は、もともと主に小児がんを専門としていたドクター。重い病気の子どもたちと向き合ってきた経験が、懐の深い丁寧な診療につながっている。開院2ヵ月ながら早くも地域の母親たちの信頼を得ている斉藤先生に、めざす地域医療のあり方などを聞いた。
(取材日2015年9月18日)

丁寧な問診と説明が信頼を呼ぶ  「おやこ」にとって優しいクリニック

産婦人科を担当する輿石太郎院長とは学生時代からの友人でいらっしゃるそうですね。

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輿石君とは学生時代同じバスケットボール部に所属していました。彼は人を引っ張っていく力や、自分から何かを造り出す力があり、僕は好きな人についていく二番手タイプ。デコとボコのような感じで昔から気が合って仲が良かったのです。前々から輿石君には「こういう複合施設を開業したいから手伝ってほしい」と言われていたのですが、大学病院で小児がんの血液治療に携わっていたのでもう少し大学に残りたいという気持ちもあり、正直迷っていました。でも、ずっと仲良くしてきた輿石君と一緒に開業できればいいなという思いが最終的に勝りました。

水槽もあって明るくかわいらしい、すてきな内装ですね。

内装は院長のこだわりです。ホテルの内装を手掛けているデザイナーが入って、サンゴ礁をイメージしています。子どもたちはお魚が好きなので、「子どもが来たがります」と言われることもありますね。僕がこだわったのは、待合室を広くしてバギーでそのまま入って来られるようにしたことです。デザイナーからはスリッパにすることを提案されましたが、安全重視のために断りました。バギーで診察室にも入れるようにしていますので、寝ているお子さんもそのままで大丈夫です。

開院して2ヵ月ですが、患者数などは順調ですか?

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開院当初は1日20〜30人程度でしたが、9月に入ってからは1日60人くらいに増えました。リピートしてくれる患者も多く、クチコミで広がって毎日新患も来てくれます。この辺りは子どもが多い地域だと聞いていましたが、予想以上に集まりがよく、狙いどおりにこの地域のかかりつけ医として機能しつつあると思います。「この辺りは小児科が少ないので助かります」と話す人は多く、喜んでいただいているようです。基本は予約制で、直接来院される方も重症度を見ながら臨機応変に対応しています。看護師を含め小児科のスタッフ5人も全員子どものいる地域の母なので、安心して任せていられますね。

小児科医を志した原点は、中学生のときに出会った小児がんの子どもたちの姿

先生が小児科医をめざしたきっかけは何だったのでしょう?

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初めから小児科の医師になるために医学部に入りました。小児科医になろうと考え始めたのは中学生の頃からです。僕自身が生まれつき血友病という血が固まりにくい病気で、中学生のときに入院したことがありました。同じ病棟に小児がんの子どもたちがいて、一緒にご飯を食べたりするなかで、そういう病気があることを知りました。僕は安静にしていればいいだけですが、こんなに小さい子どもなのに大変だなと思っていました。担当の女性医師から子どもにもがんの病気があって、抗がん剤を使って治療しているという小児医療の話を聞き、自分もそういう病気の子どもたちのために何か役に立てれば、と思い始めたことがきっかけです。

その思いを実現し、小児血液・脳腫を専門にされたのですね。

学位取得後、大学病院で約7年間、主に小児がんを専門として治療に携わり、白血病や脳腫瘍、神経芽腫などさまざまな重症疾患の子どもたち、そしてそのご家族と関わってきました。年齢も多岐にわたり、合併症への対応も迫られるため小児のあらゆる症状を経験してきた自負はあります。また、家族への接し方も重要であることを学びました。亡くなってしまう子どもたちもたくさん見てきましたし、重い病気の子どもたちが頑張っている姿をずっと見てきましたので、その子どもたちに恥ずかしくない仕事をしなければならない、と常に思っています。

普段の診療で心がけていることはありますか?

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まずは問診を丁寧にする。そして、診察の結果をきちんと言葉で説明し、病名を正しく伝えることを心がけています。「胸の音がぜいぜいしていますね」だけではなく「こういう症状が続く場合は喘息という病名がつきます」、喉が赤いだけでも「これはウイルス感染による咽頭炎です」というように、病名をあいまいにせず自分の診断に責任を持ちたいと考えています。さらに、予想される経過や家庭看護の際に細心しなければいけないこと、救急にかからなければならない場合についてもきちんと説明します。内科の魅力は、問診と診察で答えを見つけられること。外来の診察中は患者さんのキャラクターも想像しながら聞き方を変えたり、短時間で上手に必要な情報を聞くことはわりと得意な気がします。普段の人間関係には生かせていないのですが(笑)。

病気を診るだけではなく、子どもたちの成長発達をずっと見守っていきたい

休診日などプライベートはどんなことをしていらっしゃいますか?

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新生児が生まれる際に立ち会わなければならないこともあり、あまり遠くに行けないので、うちでのんびりしています。待合の水槽に影響を受けて、最近家でも熱帯魚を飼い始めました。ネオンテトラや小さなエビなど40匹くらいです。餌を食べるときに寄ってきたり、優雅に泳いでいるのを、のんびり眺めています。また水草がゆらゆらしていて、いいんですよ。水草のレイアウトを整えたりして楽しんでいます。

地域医療のやりがい、めざすものを教えてください。

地域の子どもたちが育っていく姿を見ていけることが新たな喜びだと思っています。診察を上手にできない子どもも、きちんと教えて「頑張ろうね」と言うと、次の機会には喉をちゃんと見せてくれたり、そうやって子どもたちが頑張って成長していく姿がやりがいになっていますね。子育て支援の意味合いも大きいと思いますので、なかなか保育園を休みなさいとも言えないですし、何度も来院しなくてもいいように症状が長引きそうなら多めに薬を出してあげようといったことも考えながら診察しています。ただ、大学病院ではずっと初診の外来も担当していましたので、正確な診断と正しい治療のレベルはそのときと同じくらい高い医療を提供したいとは思っています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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クリニックの名前は、親と子ども、そして新生児から成人するまでちゃんと見守っていくという思いを込め、院長と小児科のスタッフでもある妻と3人で「はぐくみ」に決めました。小児科医はそれこそ生まれたばかりの新生児から20歳になるまで診ることができます。病気を診るだけではなくて、子どもたちの成長発達を見守っていくのが仕事です。言葉の遅れや偏食、低身長、思春期特有の不登校や不定愁訴など、不安や悩みがあれば何でも相談していただければと思います。ほんとうに治療が必要で専門医の力が必要なのかを判断し、必要であればしかるべき専門医や療育機関に紹介しますので、まずは窓口として使ってほしいですね。アレルギー疾患や耳、鼻のトラブル、思春期の子どもたちの悩みも小児科医はオールマイティーに診ることができます。皮膚科や耳鼻科、内科では子ども特有の全身状態は診ることができませんので、まずは小児科へ来てください。

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