口腔内の成長をサポートする顎顔面矯正
永久歯が生える前に対策を
陽光台歯科クリニック
(相模原市中央区/上溝駅)
最終更新日:2024/08/27
- 自由診療
近年、子どもの虫歯は減っているが歯並びが悪い子どもが増えている。その背景には、栄養状態が良くなり古代人より歯のサイズが大きくなっているとされる半面、食事の変化により固いものをすりつぶす筋力が退化し顎の骨が小さくなっているという、相反する状況があると「陽光台歯科クリニック」の大野孝之院長は解説する。そこで同クリニックが取り組んでいるのが顎顔面矯正だ。これは、歯を動かす従来の矯正とは異なり、歯を支える土台となる顎の骨にアプローチしていくもの。「顎顔面矯正は歯並びだけでなく、呼吸改善など全身にも影響すると考えています」という大野院長に、話を聞いた。
(取材日2020年10月14日)
目次
歯並びだけでなく、呼吸など他のメリットも想定される、歯を抜かない歯列矯正
- Qそもそも顎顔面矯正とはどのようなものなのでしょうか。
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A
矯正というと、歯にワイヤーを装着するイメージがあると思いますが、それは歯を動かす歯列矯正です。顎顔面矯正は乳歯の段階で将来の歯並びを想定し、顎の骨にアプローチしていくもの。上顎に急速拡大装置という、ねじつきの固定装置を装着し、毎日少しずつ骨を広げていきます。下顎は上顎に追従して成長するため、上顎を追いかけるように装置をつけます。この装置はお口の中につけるので、外から見えることはほとんどありません。一般的に歯列矯正では、顎が小さいと歯を抜く必要がありますが、顎顔面矯正は顎自体を広げて歯が生えそろうスペースをつくるため、歯を抜く可能性も下げられます。治療開始は、骨がやわらかい成長期が理想的です。
- Q何歳までに始めると良いのでしょうか。
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A
早ければ早いほど良いですね。乳歯が生えそろった段階で、明らかにわかる状態ならすぐに行ったほうがいいと判断しますが、一般的には乳歯が抜けて歯並びが悪くなり始める4歳から5歳までが、スタートにはベストな年齢と考えます。個人差がありますので、歯が生え替わり始める5歳から6歳では遅いケースもありますが、まだ骨がやわらかいのであまり強く痛みを感じることはないでしょう。ただし小学校高学年になると骨が硬くなってくるので、装置のねじを回した後の痛みが長引き、鎮痛剤が必要になる場合もあります。ですから、お子さんの負担を軽くするためにもスタートは早いほうが良いのです。
- Qメリットとデメリットを教えてください。
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A
永久歯の歯並びだけでなく、噛み合わせにもアプローチします。また、上顎を広げることで舌が適した位置におさまりやすくなり、咀嚼力の向上にもつながると考えています。さらに鼻の通りが良くなり、鼻呼吸がしやすくなることも期待できます。その結果、扁桃腺やアレルギー性鼻炎といった、耳鼻咽喉科領域の病気にかかりにくくなるとも考えられています。ただし上顎に装着する拡大装置は、装着したら外すことができません。ほぼ半年間、入れたままになるので、食べるのも話すのも大変になります。お子さんによっては泣いてしまうことも。またこの矯正は12歳か13歳まで続くので、開始時期にもよりますが期間が長いのもデメリットの1つです。
- Q具体的にはどのように進めていきますか?
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A
カウンセリングの後に頭蓋骨や顎のレントゲン撮影、型採りをして、一人ひとりの顎に適した装置を作ります。まず上顎から矯正。1ヵ月に1回、経過を観察します。装置をつけている間は歯磨きが難しいため、クリーニングも行います。1回の装着は半年程度ですが、お子さんによっては2回3回と繰り返す場合も。成長や顎の変化に合わせて装置を替えたり、外したりするからです。下顎の矯正は上顎の矯正後に行いますが、上顎の装置ほど違和感はないようです。期間の目安は第二大臼歯が生えてくる14歳頃まで。その間は定期的な通院が必要です。装置をつけている場合は1~2ヵ月に1回、つけていない場合は3~4ヵ月に1回程度になります。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児歯列矯正/10万円~、顎顔面矯正/40万円~ ※税別