正しい歯磨きを身につけて
歯を失う原因の筆頭、歯周病対策
柏東口駅前歯科 ジャパンデンタルクリニック
(柏市/柏駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
一説には日本の成人の約8割がかかっているともといわれる歯周病。テレビやCMでもよく聞く病気であり、近年では肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、さらには心臓病や誤嚥性肺炎との関連も指摘されている。だが、ほとんどの人が「自分には関係ない」「自分の口の中はそこまでひどくなってはいないはず」と思い込んでいるのではないだろうか? そこに警鐘を鳴らすのが、歯周病治療や予防歯科をはじめ、幅広い歯科診療を提供する「柏東口駅前歯科ジャパンデンタルクリニック」の田名網宏樹院長だ。自覚しづらいこの病気にどう対応していくべきか。同院での診療や歯周病対策への取り組みを聞くとともに、スタッフの吉澤幸恵さんにも、自分で日々できるケアのアドバイスなどを聞いた。
(取材日2020年9月25日)
目次
歯垢をプロによるケアで落とすことと、正しいセルフケアの継続が大切。自然治癒は難しい、歯周病
- Q歯周病というのは、よく聞きますが、どのような病気なのですか?
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A
【田名網院長】歯茎と歯を支えている骨(歯槽骨)の病気で、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌が歯と歯肉の間に入り込み、歯を支えている歯茎や骨などの組織に炎症をもたらす感染症です。まず歯肉に炎症が起こり、症状が進むと歯槽骨が溶け始めます。さらに進むと歯が動くようになり、膿みや口臭が発生。歯槽骨が3分の2以上なくなると歯がグラグラし、やがて溶けきります。初期には気づかないうちに進行しやすく、放っておいても改善することはありません。歯を失う原因の筆頭であり、40歳以上のアンケートで、歯周病の治療をしっかり行わなかったことが、歯科治療における後悔の第1位だった例もあります。
- Q歯周病は、どのようにケアしていくのでしょうか?
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A
【吉澤さん】まず検査をして、歯周ポケットの深さを測定します。健康的な歯茎であれば2~3ミリですが、それ以上深くなっていると、歯周病が進行していることとなります。その方の状態を説明して、まずは表面に近いところの歯垢を全体的に除去。深い部分については、次回以降の来院で、ブロックごとにポケットの深い部分を手作業か超音波でお掃除していきます。長年たまっていればいるほど、こびりつきはひどく、超音波のパワーを上げて落とす場合には、歯に響いて不快感があるかもしれません。早い段階で処置できれば、それだけ容易に歯垢を落とせるといえます。炎症を落ち着けるには、細菌の塊である歯垢を落とすことが大切になります。
- Qどのようなタイミングで受診を検討すべきですか?
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A
【吉澤さん】歯周病の初期症状は出血ですので、歯を磨いて血が出るようなら受診してください。ただし、歯磨きが正しくできていないと、そもそも歯ブラシの先がポケットにきちんと入らず、そのために血が出ていないだけということもあります。当院に何かしらで来院された場合には、初診でエックス線撮影と歯周ポケットの測定検査も行いますので、歯周病があればお知らせしています。その際に、つまようじでポケットに残っている汚れや、ポケット内に触れて出血が見られる様子なども、患者さんご自身で見てもらいます。また、喫煙される方は、もともと血管が収縮しやすく、そのせいで歯周病でも出血がないこともあるのでご注意ください。
- Q歯周病にならないために、日々のケアはどうすればよいですか?
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A
【吉澤さん】正しいブラッシング方法を身につけることが大事です。その方のお口や歯並びの状況により、うまく磨けていない部分があるものなので、指導の内容は患者さんごとに異なります。どういう角度で、どう意識して磨くのかなど、その方ができていないところを補うように指導していきますので、ぜひ一度来院して、歯科衛生士に見てもらうことをお勧めします。デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのもよいですが、それは歯ブラシの正しい使い方ができるようになってからでもよいので、まずは正しく磨く習慣をつけることが大事です。回数も、初めから頑張りすぎず、続けられるように少しずつ増やして、慣らしていきましょう。
- Q処置する際に心がけていることを教えてください。
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A
【吉澤さん】今、その患者さんの歯周病の状態がどの段階なのか、きちんと治療していかないとこの先どうなってしまうのか、長い目でどうなのかを丁寧に説明して、ご理解と納得をいただけるよう心がけています。また、ご自身のお口の中の状態を見られるよう、鏡を使ったり、ペン型の口腔内カメラで撮影したりしています。そうして、これから行う治療の意義を理解していただくことによって、その後の結果も変わってくるでしょう。通院いただいて歯垢をしっかり除去して炎症を抑えていく。そして、ご自宅でもできるだけ正しい方法で歯磨きをしてセルフケアに努めていただきたいのです。そのための意識づけや支援などは惜しみません。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。