石川 基 院長の独自取材記事
スウェーデン矯正歯科
(中央区/銀座一丁目駅)
最終更新日:2024/12/27
銀座一丁目駅から徒歩1分、JR山手線有楽町駅から徒歩3分の「スウェーデン矯正歯科」。院長の石川基先生は、笑顔と楽しい話が魅力の気さくな先生だ。新潟大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学口腔外科での研修と一般歯科領域での臨床経験を経て、歯科医療の先進国ともいわれるスウェーデンのイエーテボリ大学に3年間留学。科学的根拠に基づいた矯正歯科を学び研鑽を積んだ後、2015年に同院を開院した。一般歯科と矯正歯科の両方に精通しているからこその強みや、診療にかける思いについて、石川院長に聞いた。
(取材日2024年8月27日)
「患者を救いたい」。その一心でスウェーデンへ
まずは、こちらのクリニックの特徴からお聞かせください。
一般歯科と矯正歯科の視点から、総合的に口腔内を検査・診断して適切な治療計画を策定しています。一般的には別々に診療されていることが多い、一般歯科と矯正歯科の治療を両立しているのが特徴ですね。例えば、歯のぐらつきが気になって受診された患者さんが、治療を進めるうちに噛み合わせの重要性に気づき、矯正を希望されたとしましょう。これは非常によくある例ですが、実際にお口の中を診ると「矯正からスタートしていれば、もっと効率良く口腔状態の改善を図れたかもしれない」と感じるケースが少なくないのです。患者さんにより適切な治療を無駄なく提供するために、歯科医療の先進国であるスウェーデンで学んだ矯正歯科の知識と、東京医科歯科大学での歯科口腔外科や町のクリニックでトレーニングを積んだ一般歯科の知識と経験を生かして診療をしています。
スウェーデンに留学されていたのですね。
新潟大学を卒業してから10年ほどは、東京医科歯科大学や一般歯科クリニックで臨床経験を積みました。矯正歯科と一般歯科の結びつきがもっと強くなれば、より歯科治療のクオリティーが上がり、患者さんのQOL(生活の質)を上げられるのではないかと感じるようになったのはその頃です。そこで、思い切ってスウェーデンのイエーテボリ大学に3年間留学しました。留学準備中の半年間は、9時から20時までは診察をして、帰宅後に夜中までスライド制作や執筆をする生活。朝も5時に起きて、英語教材のCDを聞いたりパソコンに向かってスピーキングの練習をしたりしていました。幸い1回目の試験で必要点数をクリアしましたが、留学後はいわゆる生きた英語と死んだ英語の差に苦しみましたね。
留学中、どのようなご経験を積まれましたか?
人口50万人ほどの都市に、矯正歯科クリニックが1軒程度しかないような環境でしたので、多種多様な症例について研鑽を積むことができました。その治療計画の作成についても学びましたが、最初は1症例に2時間はかかってしまい、口頭試問やプレゼンテーションの準備が進まず苦労しました。でも、多くの症例にふれられたからこそ学べたこともたくさんあります。特に、患者さんの意見をよく聞いてディスカッションするという意識は、スウェーデンでの日々の生活の中で身についたものですね。日本人は、「違うよ」と言われると人格否定されたように感じがちですが、スウェーデンの人は物事を良くするきっかけとして捉えるので、礼儀や態度さえわきまえていれば人間関係に亀裂が入ることは少ないんです。留学の際のディスカッションから多くを学び、成長させてもらったと感じています。
成人矯正の他先天性欠損歯等を持つ小児の矯正にも注力
帰国後、銀座に開院されたのですね。
スウェーデンで学んだ後、2015年に開院しました。当院は他院から紹介で来る患者さんも多いことから、交通の便が良い銀座という場所は魅力的でした。情報を発信する上でも銀座は最適で、矯正についての正しい知識を患者さんだけでなく、同業の歯科医師の方にも発信していきたいと思いこの場所を選びました。開院に際して、内装はスウェーデンの家に多いデザインからヒントを得て、白い壁を基調に、診察室の壁の一部に緑や赤色を配しています。ダーラヘストという伝統工芸品の木馬をはじめ、待合室のインテリアも北欧の物が多いですね。大きめの窓から見える並木通りの木々も、留学時に家族4人で暮らした郊外の狭いアパートの自然豊かな環境を思い出させてくれるんですよ。
患者さんはどのような方が多いのでしょうか?
今は難症例の方や、質の良い治療を求める外国の患者さんが多いです。歯のない方、インプラント治療を検討している方、職業柄舌側矯正を希望しているものの他院では断られてしまった方など、どのような症状でも改善に向かえるよう明確な治療計画を立てて、患者さんごとのオーダーメイドの治療を提供したいと考えています。今は大人の患者さんが多いですが、永久歯の本数が少ない先天性欠損歯のお子さんも積極的に受けつけています。先天性欠損歯は一般的には「今は様子を見ましょう」と言われ、治療につながらないことも多いのですが、放置していると歯並びや噛み合わせが悪化して治療が困難になることも考えられます。そのため、歯の成長予測に基づいた長期的な治療計画を早期に立てることが重要です。なかなか抜けない乳歯などがサインですので、気づいたらぜひご相談ください。
近年では、診療以外にも歯科医師向けのセミナーや研究にも携わっているとお聞きしました。
歯科医師、歯科衛生士向けのセミナーを半年に一度開催しています。スウェーデンに留学したのは、当時の日本では先天性欠損歯の子どもの治療が進んでいないと感じ、そこに疑問を持ったからなのですが、留学中に早期に対策を取るべきパターンの見極め方などを知ることができました。先天性欠損歯に対する治療方針を綿密に立てられるよう、自分が学んだことを多くの歯科医師に知ってもらい、患者さんを適切な治療に導いてほしいという想いで、セミナーを開催することにしたんです。また現在、エックス線写真の読影をサポートするAI技術を母校の大学院に入って研究し、企業と共同開発しています。自分が研究をしていて楽しい分野ではあるのですが、読影技術をAIによってサポートできれば、世の中の役に立てることも多くなると考え、研究開発に取り組んでいます。
優しさを忘れずに、適切な治療をより多くの人へ
治療の際のモットーや心がけを教えてください。
幼い頃、開業医だった父が患者さんから「ありがとう」と感謝されているのを見て、子ども心にいいなと思っていました。父は患者さんと一緒に遊びに行くこともあったんですよ。医療も、結局のところ最後は人と人。父のように、患者さんから感謝してもらえるような優しさのある治療を心がけています。「今からこういう音がしますよ」「痛かったら手を挙げてくださいね」と一声かけるだけでも、患者さんの安心感につながりますよね。そういう関係性を築けていれば、わからないことや不安なことも歯科医師に打ち明けやすいのではないでしょうか。虫歯と矯正の両方に精通した歯科医師であることを生かして、治療につながれずにいた人の助けになれたらと思っています。
お忙しいと思いますが、お休みの日はどのように過ごしていますか。
娘と息子と遊ぶことが多いですね。娘はしっかりしているので、「パパ、またそんなことやってるの」なんてあきれられることも(笑)。あとは、スポーツも好きですね。小学校・中学校・大学ではサッカーをやっていて、大学生時代はスキー部にも所属していました。今は、時間があるときにテニスやゴルフをやっています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
患者さんが楽しく生活するためのお手伝いをしたいと思っています。矯正は噛み合わせ以外にも、社会心理学的に貢献できるところがあると思うんです。歯のせいで自信が持てないという方を少しでも減らしていきたいですね。歯の悩みの少ない豊かな人生を送るために、患者さんご自身に矯正について知っていただく啓発活動にも力を入れていこうと考えています。例えば、歯列矯正をこれから始めたいと思っている方が、マウスピース型装置を用いた矯正にも向き不向きがあることなどを知ることができたら、後悔の少ない矯正方法を選択できるのではないでしょうか。当院では、矯正について30分間の無料相談を行っていて、正しい知識の提供に努めています。皆さまの悩みをまずは知ることを心がけていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは10歳頃までの小児矯正(1期治療)/22万~33万円、部分矯正/22万~66万円、表側矯正(上&下)93万5000円~159万5000円、マウスピース型装置を用いた矯正/38万5000~132万円、アンカースクリューを用いた矯正/各矯正料金に+11万円~、舌側矯正/121万~187万円
※トータルフィー制度を導入しております。詳しくはクリニックのホームページをご確認ください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。