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長濱 久美 院長の独自取材記事

メディケアクリニック石神井公園

(練馬区/石神井公園駅)

最終更新日:2020/06/22

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石神井公園駅より徒歩2分の「メディケアクリニック石神井公園」を訪ねた。商店街の一角にある、明るくて親しみやすい雰囲気のクリニックだ。同院は、外来診療と訪問診療という2つの柱で地域の医療に貢献。訪問診療においては地域のケアマネジャー、訪問看護ステーション、介護施設などと連携し、24時間、365日、往診が可能の体制を整えている。2017年4月には、同院の3階にカフェスペースを設置し、地域住民や医療事業者、介護事業者らとの顔の見える関係性づくりに力を注いでいる。「外来では、ささいなことでも気軽に相談できる地域のドクターとして、患者と一生の付き合いをしていきたい」と話す長濱久美院長に、地域医療に対する思いを語ってもらった。
(取材日2017年5月1日)

地域との連携で、365日対応可能な在宅医療システム

3階がカフェスペースになっているんですね。なぜこのような場所をつくったのですか?

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ここ数年間で医療環境が大きく変わり、地域の基幹病院では、より緊急性の高い患者さんの治療に比重を置くようになりました。そうしますと、緊急でない患者さんの診療の入り口として、地域のクリニックの存在がますます重要になります。高齢化社会になり、大きな病院だけでは患者を抱えきれない現状では、在宅医療の受け入れ先がもっと必要ですし、それに伴い医療事業者と介護事業者の連携も必要になっています。当院は、外来診療に加えて訪問診療にも力を入れていますので、こうした流れを受け、地域の人たちともっと顔の見える関係性をつくっていきたいと考えるようになりました。

患者さんや地域の方からはどのように利用していますか?

地域の医療と介護事業者が集まって会議や事例検討会をしたり、日中は、当院の患者さんや地域の方が立ち寄って、当院スタッフにいろいろ相談していかれます。診療について相談したいという方、在宅医療や介護について相談にみえる方などがいらっしゃいますね。国の政策として在宅医療やかかりつけ医制度が促進されているとはいえ、一般の方にしてみれば、わかりにくい点も多いと思います。介護施設に入るか在宅医療にするかで迷っていたり、これから在宅での療養に切り替えるにあたって何を準備したら良いかなど、何でも相談していただきたいですし、主に地域の医療、介護、防災について、当院からも発信していきたいです。また、家をバリアフリーにしたいとか、家族の相続の問題など、医療とは直接関係ないけれども、在宅医療を利用する方が関心を持っている情報をここに集約し、活用していただけるようにしたいとも考えています。

地域住民向けのワークショップも好評のようですね。

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高齢者と子どもが一緒に取り組む工作のワークショップなど、定期的なイベントを開催しています。これも、顔の見える関係性をめざして始めたことなんです。例えば、地域における災害時の対策は、自分で動ける人を前提に考えられていて、当院で診ているような在宅の患者さんに対しては、策があまり練られていないように感じます。在宅の患者さんをどうやって見守っていくか、これは地域で解決していかなくてはいけない課題です。練馬区はもともと、1人でお住まいの高齢者が多い地域ですから。何かあった時、医療の力を必要としている人を、周囲の人たちが協力して医療機関に連れて来られるような、地域コミュニティをつくることが大事だと思うのです。ワークショップを通じて、世代間の交流が生まれたらと思っています。

長引く咳には重病が隠れていることも。早めに受診を

クリニックでは、どのような患者さんが多いですか?

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患者層としては、30代や40代の方から80代の方まで幅広くいらっしゃいます。風邪などの普通の内科疾患のほかに、高血圧や糖尿病などが多いですね。私自身は開業前、呼吸器内科を専門に学んできましたので、現在も、喘息や咳喘息COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性咳嗽など呼吸器疾患の患者さんは多くいらっしゃいます。咳の症状は、長引く時は注意が必要です。風邪の症状が消えたのに咳だけが1~2ヵ月残っている、という場合は咳喘息の可能性が高いです。放置すると喘息になることもありますので、早めの受診をお勧めします。また、咳は肺がんなど大きな病気のサインということもあります。肺がんは症状が出る頃には進行している可能性が高いので、早期発見のためには病院に行ってほしいですし、年に1回は検診を受けるようにしてください。

訪問診療の利用状況はいかがですか?

個人のお宅からの依頼が多いです。がんのターミナルケアなどにも積極的に対応し、今後も在宅医療の輪を少しずつ広げていけたらと思っています。地域の訪問看護ステーションやケアマネジャー、介護施設と協力し合い、きめ細かな在宅医療を行えるようこれからも努力していきたいですね。また、在宅専門クリニックと連携しているので、急な呼び出しにも24時間、365日対応可能です。当院では、外来診療と訪問診療の2チーム体制で診療を行っていますが、開業して3年目を迎え、在宅医療の必要性をさらに感じています。今後は緊急時の対応ができるような訪問診療のチームを新たにつくるつもりで、スタッフも増やしていく予定です。訪問診療のエリアもより広がりますし、効率良く訪問できるようになると思います。

診察にあたって心がけていることはありますか?

まずは患者さんのお話をよく聞くようにしています。患者さんがリラックスして何でも言える環境づくりが大切だと思っているので、なるべく笑顔を心がけています。診療の最後に、「ほかに気になることはありませんか?」とは必ずお尋ねします。薬に関しては、ウイルス性の感染ではないか、細菌性なのかなどはきちんと考慮した上で診断・処方しています。それから、いろんな病院にかかって薬の数が多い患者さんもいらっしゃるので、薬の種類をなるべく増やさないようにしています。咳や鼻炎の症状で漢方薬を使う場合もありますが、これからセミナーなどでもっと勉強していきたいですね。

部分ではなく体全体を診るホームドクターをめざす

医師をめざすようになった理由を教えてください。

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医師をめざすようになったのは、祖父が岡山で開業して働く姿を小さい頃から見ていたのがきっかけでした。祖父も地域に密着した医師で、いろんな患者さんに頼りにされていて、「町のお医者さんって良いな」と思っていました。大学で医療の道に進み、大学病院で勤めていた時期もありましたが、やはり理想の医師として祖父の姿が根底にあり、地域で開業するという、同じ道を選択したのだと思います。在宅医療に力を入れているのも、間もなく迎える超高齢化社会で、地域と連携した在宅医療の需要が高まるだろうなとずっと考えていたからです。

休日のリフレッシュ法はありますか?

なかなか休みがとれないのですが、やはり子どもの姿を見ていると癒やされます。子どもと家で遊んだり、ヴァイオリンを習っているのでそのお稽古に連れて行ったり。食べることも好きです。それと、夏休みなど、長期の休みがとれた時はなるべく旅行に行くようにしています。ヴァイオリンは、4歳くらいから習っていたのですが、両親の転勤でアメリカに住んでいたため一時中断し、中高生時代に日本に戻ってからも良い先生を見つけられず、一時期はフルートを習っていました。大学に入り、やっぱりヴァイオリンが良いなと思い直し、再びお稽古に行くようになりました。医師になってからは、医師の仲間で管弦楽団もやっていました。将来は娘と一緒に演奏するのが夢です。

今後の展望をお聞かせください。

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私自身、子どもがいるので、女性が子育てをしながら気持ち良く働けるような職場をつくっていきたいと思います。これから、ドクターやスタッフには女性を採用していくつもりです。少し先になると思いますが、託児所なんかも併設できたら良いなと思っています。女性だからこそできることを生かして、患者さんと接していきたいです。一番に思っているのは地域の皆さんのかかりつけ医でありたいということです。部分的な治療だけでなく、患者さんの体全体を把握したホームドクターになれればと思っています。当院が窓口となって、必要であれば病院を紹介しますし、在宅医療につながるケースもあると思います。ですから、どんなにささいなことでも気軽に相談してください。ゆくゆくは在宅医療まで、一生お付き合いできるような医療をめざしたいです。

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