口腔筋機能療法で健全な発育を促し
正しい歯列の基礎をつくる
ビレッジ歯科クリニック
(相模原市中央区/相模原駅)
最終更新日:2024/11/20


- 自由診療
歯並びや噛み合わせは歯や顎関節だけの問題ではなく、口腔周囲筋の機能とも深く関わっている。そこで昨今重視されているのが、舌や頰、唇などの筋肉を鍛え、機能を整える口腔筋機能療法(MFT)だ。「当院では、口腔筋機能療法で正しい舌の位置や口腔周囲筋の動きを覚えてもらい、鼻呼吸を促すことで、お子さんの健全な発育、歯列の基礎づくりをめざしています」と話すのは「ビレッジ歯科クリニック」の布川暢子院長。口がぽかんと開いたままになる口呼吸や指しゃぶり、舌で歯に圧力をかけるなどの癖に気づいたら放置せず、小児矯正専門の歯科医師がいるクリニックに早めに相談してほしいと訴える。今回は布川院長に、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす習癖を改善することの重要性、口腔筋機能療法を行うメリットなどについて聞いた。
(取材日2024年7月23日)
目次
口腔筋機能療法は小児矯正に欠かせない治療。習癖を改善し、子どもの健康でより良い未来をめざす
- Q幼少期の習癖が将来の歯並びや噛み合わせに影響するそうですね。
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A
▲口腔筋機能療法は、将来の歯列の乱れを防ぐために有用だと語る
幼少期の癖や習慣は将来の歯並びや噛み合わせの乱れにつながります。例えば、前歯の隙間から無意識に舌を押し出す癖があったり、口呼吸が癖になっていて常にお口がぽかんと開いていたり、指しゃぶりの癖が直っていなかったりすると、口腔筋機能の発達に支障を来し、成長期に歯並びが悪くなったり噛み合わせがずれたりする原因になり得ます。子どものうちに舌や唇の位置を正し、お口周りの筋肉を整えておけば、大人になったときに矯正する必要がなくなったり、矯正が必要になったとしても矯正後の後戻りが起こりにくくなったりすることが見込めます。こうしたことから、口腔筋機能療法は小児矯正に欠かせない治療の一つと考えられているのです。
- Qこちらではどのような治療が受けられるのでしょうか?
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A
▲歯並びや噛み合わせ、正しい呼吸法の大切さを患者に伝えている
口腔筋機能療法では、口腔周囲筋(舌や頰、唇などの筋肉)の機能を整えることで鼻呼吸を促し、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす原因を取り除いていきます。具体的には、安静時やものを飲み込むときにあるべき正しい舌の位置を習得する「スポット」、舌を尖らせることで舌先の力を鍛える「ディップ」、舌を持ち上げる力を鍛える「ホッピング」、唇の周りの筋肉を強化する「ボタントレーニング」などを行います。また、自宅で遊びを取り入れながら取り組めるトレーニングもあります。口腔筋機能療法は小児矯正の一環として行われることが多いため、まずは小児矯正専門の歯科医師に相談されるとよいでしょう。
- Q治療せずに放置した場合、どのようなリスクがありますか?
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A
▲指しゃぶりなどの習慣は、顎や知能の発達に影響を及ぼすという
指しゃぶりや口呼吸、猫背、頰づえ、爪を噛む、舌で歯に圧力をかけるなどの習慣が4~5歳以降も続いているお子さんは、口腔筋機能が十分に発達していない可能性があり、将来の歯並びや噛み合わせへの悪影響が懸念されます。放置すると顎の正常な発達が妨げられ、呼吸、発音、咀嚼、嚥下が正しく行えなくなって歯並びが悪くなるだけでなく、知能や体の発達にも影響を及ぼし、学習や運動能力に支障を来す可能性も指摘されています。お子さんの将来の健康や生活を守るため、保護者の皆さんには治療の必要性をご理解いただきたいと思います。日頃からお子さんの様子を観察し、気になる癖などがあればまずは歯科医師にご相談いただきたいですね。
- Q口腔筋機能は呼吸とも深い関係があるのですね。
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A
▲鼻呼吸を身につけるために、口腔筋機能を整えよう
歯が生え替わる時期は、顎の骨が成長する時期にあたります。この時期に口をしっかり閉じて鼻呼吸ができており、舌が正しい位置にあれば、顎の骨は本来の成長軌道に沿って正しく成長します。永久歯が並んでくる時期に、呼吸や飲み込み方など正常な口腔機能が備わっていることが重要なのです。口呼吸の癖がついているお子さんの多くは口が常に開いた状態で過ごしており、早期に改善する必要があります。鼻呼吸ができていれば、息を吸うときに鼻のエアフィルターがほこりやウイルスなどの侵入を防ぎ、温度や湿度を調整してくれます。口腔筋機能を整え、全身の健康維持につながる鼻呼吸をぜひ身につけていただきたいと思います。
- Q日常生活で意識するべきことを教えてください。
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A
▲定期的に通院し、経過観察を受けることも大切だ
口呼吸や指しゃぶり、舌で歯に圧力をかけるなどの習慣が残っていないか、お子さんの様子をよく観察してください。特に口呼吸の癖は歯並びに悪影響を及ぼすだけでなく、虫歯や歯肉炎のリスクも高めます。睡眠中も口が開いていると舌根沈下のような状態になり、酸素が十分に取り込めなくなる可能性もあります。また、食事の時に猫背になっていたり、足が床につかず体が不安定な状態になっていたりすると、しっかり噛みにくくなり、栄養を十分に摂取できなくなったり消化不良を起こしたりすることにもつながります。食事中の頬づえも力が片側に偏ってしまうため避けるべきです。食事中に限らず、日常生活から姿勢を見直すことも大切でしょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/33万円~