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手塚 真紀 院長の独自取材記事

広尾まきレディスクリニック

(渋谷区/広尾駅)

最終更新日:2019/08/28

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東京メトロ広尾駅の2番出口から徒歩5分、広尾商店街の一角にあるのが「広尾まきレディスクリニック」だ。院長の手塚真紀先生は、東京大学付属病院産婦人科、東京山手メディカルセンター(旧・社会保険中央病院)勤務を経て、2014年にこの地に開業。一般の産婦人科だけでなく、炎症性腸疾患を合併する妊娠や婦人科がんなど厳しいケースも手がけてきた。医学生時代は外科志望でありながら、同じ女性として、より患者の立場になって考えられる産婦人科に進んだ手塚院長。そこで待っていたのは外科に匹敵するほどの激務だったという経験から、基幹病院の厳しい現場で働く医師を外から支えたいと願うようになったという。温かい色合いで統一された院内で、女性の悩みに寄り添う姿勢について詳しく話を聞いた。
(取材日2018年6月5日)

保健室のように通えるクリニックをめざして

「女性の保健室」というコンセプトだそうですね。

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私は今39才なのですが、今は女性も生涯を通して働く時代です。婦人科のトラブルが始まるのは、20代・30代が多く、妊娠、出産、そして更年期、と、女性の一生は女性ホルモンに大きく影響を受けます。訴えはさまざまですが、最近増えているのは子宮内膜症による生理痛や、頭痛、イライラなどの月経前症候群でしょうか。どの診療科へ行ったらいいかわからないという女性にとって、相談しやすい最初の窓口になりたいと思っています。学校の保健室に立ち寄る感じで来ていただけたらと思います。婦人科は受診しにくいと思われがちですので、そのハードルを少しでも下げられたらうれしいですね。

得意にしている診療を教えてください。

産婦人科全般、乳腺、ホルモン異常など守備範囲は幅広いですが、特に得意にしているのは超音波診断と子宮頸がんの精密検査です。開業まで勤務していた病院で、各専門分野に精通する先生方に各分野を鍛えていただきました。超音波診断では、超音波検査では子宮・卵巣や乳腺がとても鮮明に見えますが、検査機の性能の良しあしは診断の精度にも大きく関わってきますので、当院では自分用に調整した新型検査機を使っています。産科では赤ちゃんの姿が立体的に見える4D超音波検査を、映像として見ることで愛着が深まって、妊娠生活や子育ての励みになればと思っています。

子宮頸がんの精密検査(コルポスコピー検査・組織診)について教えてください。

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子宮頸がんは若い方に多いがんなので、20才以上は年に1回のがん検診が推奨されています。子宮頸がんは検診で見つけやすいので、症状がないうちにぜひ検診を受けていただきたいと思っています。検診で異常が出た場合、顕微鏡で拡大して観察するコルポスコピー検査と、組織診をしますが、ネットでは痛みについて書かれていることが多く、皆さん不安を持っていらっしゃいます。なるべく痛みの少ない検査を心がけておりますので、ぜひお越しになってください。

痔や便秘など、お尻の症状の相談のほか、炎症性腸疾患の専門外来も行っていますね。

東京山手メディカルセンターでは、肛門疾患と炎症性腸疾患に力を入れており、私も肛門科や内科の先生方と協力して診療にあたってきましたので、その経験を当院でも生かしています。炎症性腸疾患の専門外来では、潰瘍性大腸炎やクローン病を扱います。当院で診断した結果、軽症であれば、その後は当院もしくはご自身がかかりつけにしているクリニックで管理していきますが、入院が必要な場合は連携する大学病院や基幹病院で適切な治療を行うことになります。ただ、私自身も勤務したのでわかるのですが、総合病院は常に多くの患者を抱え、医師たちの仕事は激務です。だからこそ軽症の患者さんは私たちのような開業医が引き受け、双方で情報を共有するような役割分担が必要なのです。

患者の気持ちに心を寄せ、プロの冷静さを失わないこと

なぜ産婦人科の医師になろうと思われたのですか?

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外科など手術のできる科を専門にしようと思っていました。最終的に産婦人科を選んだのは「女性の先生で良かった」と言ってもらえる診療科だったからです。外科の実習を受けていた時期、不正出血が止まらなくなって産婦人科の女医さんに相談したら的確に指示をくれ、すごくほっとしたという出来事もきっかけとなりました。また、当時から内診で緊張している患者さんを見てきましたので、同性である女性医師が診るだけで患者さんの気持ちが楽になるなら、と考えたことも理由の一つです。ただ、産婦人科はお産があるために夜勤が多く、体力的な面で言うと外科と同じか、それ以上にきつい科でした。それは予想外でしたね。

開業を決意した理由は何ですか?

ずっと手術に関わっていくつもりでしたが、昼夜連続の勤務で体を壊し、頸椎症で手がしびれたり脱力したりという症状が出てしまいました。手にハンデを抱えていては手技も極めることができません。手術は諦めざるを得なくなりました。だったら、自分にはできない夜勤や手術をしてくれる仲間の医師をバックアップしていこうと気持ちを切り替えたんです。産婦人科の医師はこの数十年で減少していますし、最前線で頑張っている先生たちを疲弊させてはいけない。総合病院は常に多くの患者を抱え、医師たちの仕事は激務です。だからこそ、病院と連携を取りながら、クリニックで診られる患者さんはクリニックで引き受ける。開業場所に都内の各病院とアクセスの良い広尾を選んだのは、そういった理由もあるんです。

日々の診療で心がけていることは?

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内診に抵抗がある方が多いので、院内はなるべく冷たさを感じさせない木目調にし、内診室は温かい色合いで統一したり、使い捨てのスカートを用意して気持ちが和らぐよう工夫をしています。初診時はほとんどの方が緊張しているので、話を聞くだけでなく、その方の背景や心情なども感じ取るように努めています。例えば、生理の乱れで相談に来られた患者さんにお話を聞いていくと、就職したばかりだとおっしゃる。そこから「環境が変わったばかりで、きっとすごく大変な時期なんだな、そんな中で思い切って来院してくださったのだな」と感じることができます。そんな患者さんに嫌な思いはさせたくないですよね。このケースに限らず、すべての患者さんに対して細心の注意を払って診療するよう心がけています。

産婦人科の医師は、女性たちの長い人生の伴走者

患者さんの気持ちに寄り添った診療を行っているのですね。

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そう願ってはいますが、「プロとして冷静にならねば」という場面も多々あります。以前、合併症があって妊娠を継続したらお母さんの命に危険が及ぶため、ご本人を説得して赤ちゃんを諦めてもらったことがありました。私も一緒に泣いてしまい、後でプロとして感情的になるべきではなかったと反省しました。良い思い出としては、勤務医時代、同じ職場の方とおしゃべりしていると「出血がある」と言うので、すぐ診察に来てもらったところ、がんを発見。放置していたら、きっと気づかぬうちに進行していたでしょう。本人が「大したことない」と見過ごしてしまう症状に気づくのもプロの役割です。このことをきっかけに、患者さんが気軽に質問できるような身近な存在の医師でありたいと思うようになりました。

休日はどのように過ごされていますか?

30才ごろから社交ダンスを始めました。足が遅くて球技が苦手、体育が嫌いだったんですが、ダンスだけは好きで、高校時代からジャズダンスやバレエをやっていました。脳ばかり使う仕事なので、努めて体を動かすようにしています。開業してからは忙しくてなかなかレッスンに通えませんが、時間を見つけて続けています。友人と会ったり実家の猫をかまって過ごしたりすることも好きです。あとは読書。空いた時間は本や文献を読んで過ごしています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

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今後も患者さんに居心地の良い場所を提供し、長く付き合える関係づくりをめざしていきたいです。医師として常にブラッシュアップするため、現在も毎週木曜日に東京山手メディカルセンターで診療し、学会や勉強会にも積極的に参加しています。炎症性腸疾患の専門外来は特殊な分野である上、妊娠中の方を診る医療機関は数少ないですから今後も長く続けていきたいです。皆さんにお伝えしたいのは、体調の変化に気づいたら早めに相談にいらしてほしいということ。病気はいろいろな原因や無理が重なって徐々に表面に現れてくるもの。だからこそ変化に気づいたとき、保健室のように気軽に通えて、患者さんの長い人生に伴走できる存在でありたいです。

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