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体質にアプローチする
スギ花粉症・ダニアレルギーの舌下免疫療法

宮前平トレイン耳鼻咽喉科

(川崎市宮前区/宮前平駅)

最終更新日:2022/09/30

宮前平トレイン耳鼻咽喉科 体質にアプローチする スギ花粉症・ダニアレルギーの舌下免疫療法 宮前平トレイン耳鼻咽喉科 体質にアプローチする スギ花粉症・ダニアレルギーの舌下免疫療法
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現代ではアレルギーの治療方法もさまざまだ。飲み薬や点鼻薬、鼻の粘膜を焼灼するレーザー治療、そして根本から体質改善をめざす舌下免疫療法などがあり、「宮前平トレイン耳鼻咽喉科」の伊東祐永(いとう・すけなが)院長によると、近年では特に舌下免疫療法のニーズが高まっているという。治療に要する期間は約4年間と長期だが、治療を終えた後もアレルギー症状の生じない体をつくっていくことを目的とした根本治療であることが、ほかの治療法との大きな違いといえるだろう。「つらい症状に悩む皆さんに、舌下免疫療法の特徴を正しく理解してほしいですね」と話す伊東院長に、治療の流れや期間について、また治療を受ける際の注意点についても話を聞いた。

(取材日2022年8月18日)

スギ花粉症・ダニのアレルギー症状に根本からアプローチ。半年~1年で症状の軽減が期待できる舌下免疫療法

Q舌下免疫療法とはどのようなものでしょうか?
A
宮前平トレイン耳鼻咽喉科 近年、舌下免疫療法のニーズが高まっていると話す院長

▲近年、舌下免疫療法のニーズが高まっていると話す院長

アレルギーに対する体質改善を目的とした治療法で、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎に対して行います。アレルギー性鼻炎のつらい症状を長期間にわたって抑えたいときに非常に有用で、治療方法としては1日1回、アレルゲンのエキスを含んだ錠剤を毎日取り込みます。飲み薬や点鼻薬、レーザー治療と併用することで症状の抑制を図りながら長期間治療を続け、体質そのものの改善をめざしていきます。

Q治療の流れや期間について教えてください。
A
宮前平トレイン耳鼻咽喉科 治療前には、詳しい説明を院内のモニターで視聴することができる

▲治療前には、詳しい説明を院内のモニターで視聴することができる

治療期間は3~5年間が標準で、当院では治療後の状態を定着させるために4年以上の治療を推奨しています。この説明を受け「症状に変化が出るまで4年もかかるのか」と思われる方もいらっしゃるのですが、多くの場合半年から1年ほどで、ほとんどのアレルギー症状の軽減が期待でき、治療のゴールと同じくらいの状態をめざすことができます。最初のうちは内服薬や点眼薬などの治療を併用しますが、症状が落ち着いてきたら、ほかの治療は不要なことが多いです。ただ、舌下免疫療法の目的は、治療を終えた後もアレルギー症状の生じない体をつくること。途中で治療をやめてしまうと、また治療前の状態に戻ってしまうでしょう。

Q舌下免疫療法はどのような方にお勧めですか?
A
宮前平トレイン耳鼻咽喉科 子どもの場合、治療開始時期は6~7歳を勧めているという

▲子どもの場合、治療開始時期は6~7歳を勧めているという

当院では6~7歳からのスタートを推奨しています。アレルギーはほぼ一生続く慢性の病気ですから、その時点では症状が軽いとしても何年後かに悪化する場合が多いです。また中学・高校生になると部活や受験で通院が難しくなることもあるでしょう。小学生の間に4年間の治療を終わらせるのが理想的ですね。もちろん、きちんと続ける意思があれば大人の方でも60歳くらいまで治療が可能です。妊娠中は治療不可なケースもありますので、不安があれば医師にご相談ください。

Q治療に伴う副作用が心配です。
A
宮前平トレイン耳鼻咽喉科 喘息などの併発に配慮し、治療前には検査を行っている

▲喘息などの併発に配慮し、治療前には検査を行っている

舌下免疫療法が原因でアナフィラキシーやショック状態を引き起こすことは、基本的にありません。それでも念には念を入れ、万が一のために、当院では舌下免疫療法で治療中の患者さんに、救命救急に対応できる医療機関名を記載した専用の治療カードをお渡ししています。またスギ花粉やダ二のアレルギー症状がある場合、喘息などの呼吸器疾患やアトピー性皮膚炎を併発するケースも少なくありません。治療前の検査、また治療中も、それらの症状も包括的に確認しながら慎重に進めていきます。医師の診断のもとで正しく行うことで、合併症などのさまざまなリスクも対処できますし、治療もスムーズに進むでしょう。

Q治療を受ける際の注意点を教えてください。
A
宮前平トレイン耳鼻咽喉科 アレルゲンの少ない時期に治療を開始することが重要だ

▲アレルゲンの少ない時期に治療を開始することが重要だ

治療を開始する時期に注意しなければいけません。舌下免疫療法では、アレルギーの症状が出ている時に治療を始めてはいけないのです。スギ花粉症の場合、花粉の飛散時期が過ぎる5月半ばから11月頃までが治療開始の目安です。症状の出ないこの期間のうちに舌下免疫療法をスタートし、翌年に花粉が飛び始める頃には数ヵ月が経過しているということですね。ダニのアレルギーでも同様です。通常、病気の治療は「症状がひどくなったから受けるもの」なのですが、舌下免疫療法はその逆で、アレルゲンの少ない時期に始めるのが特徴です。

ドクターからのメッセージ

伊東 祐永院長

アレルギー体質の方は合併症に注意が必要です。というのも花粉やダニのアレルギーがある場合、多くのケースで喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの症状が見られるからです。花粉やダニのアレルギー症状が治まっているように見えても、湿疹やじんましんが出ていたら要注意です。当院では一酸化窒素の濃度測定で「隠れ喘息」も見逃さないようにしています。治療スタート後は、月に1度診察で咳や体の異変を都度チェックし、診察の結果によっては治療を中断することも。このような見極めと判断が医師の腕の見せどころです。つらい症状にお困りの方は、ぜひご相談ください。

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