岩本 忠士 院長の独自取材記事
いわし歯科
(中野区/東中野駅)
最終更新日:2026/03/04
東中野駅東口2番出口からわずか数十歩という好立地に、親しみやすい「歯ブラシをくわえたワシ」の看板を掲げる「いわし歯科」がある。岩本忠士院長は、新潟大学大学院や東京都立府中病院(現・多摩総合医療センター)の口腔外科で数多くの難症例に向き合い、その後はインプラント治療を専門とするクリニックで研鑽を積んだ。「患者さんの一本の歯を大切にし、長く機能させること」。この哲学のもと、一般歯科からインプラント治療、精密な入れ歯治療、親知らずの抜歯、歯周病治療に至るまで、幅広く対応する。力を入れているのが、歯を長持ちさせるためにCAD/CAMシステムを用いて、セラミックなどのかぶせ物をより良い状態で当日中に装着する治療。患者の歯の未来を守ることに情熱を注ぐ岩本院長に、熱い思いを聞いた。
(取材日2025年10月29日)
いかにして一本の歯を最後まで残すか
2014年に開業してから10年を超えるのですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?

開院当初から、小さなお子さんから90歳以上のご年配の方まで、このエリア周辺にお住まいの幅広い年齢層の患者さんにお越しいただいています。この地域はご高齢の方が多く、皆さんとてもお元気です。患者さんの割合もご年配の方が半分くらいを占めているでしょう。一般歯科に加え、義歯やブリッジ、インプラント治療で来られる方が多いですが、歯がほとんど残っている方もいらっしゃいます。インプラント治療については、ご家族やお知り合いの紹介や、他の歯科クリニックからの紹介で来られることもあるんです。
「いわし歯科」という名前がユニークですね。由来を教えてください。また、内装について聞かせてください。
「いわし歯科」の名称は、私のあだ名が由来です。岩本忠士の頭とお尻を取って「いわ、し」。このあだ名は小学生の時に友人がつけてくれたもので、それ以来ずっと使っています。歯科医院のキャラクターも、本当は魚のイワシにしたかったのですが、魚のにおいがしそうで、歯科っぽくないかなと。それで鳥のワシにしてもらい、看板などに使っています。診療室はあえて個室にせず、パーティションで区切っています。私が治療中でも隣のユニットの様子を確認でき、患者さんに何か異変が起きた時に、すぐに気づけます。患者さんはご年配の方が多く、高血圧症や心疾患など全身疾患を持っている方もいらっしゃいます。そのため治療中に何か緊急事態が起きた時のために、緊急セットも用意しているんです。救急隊が到着するまでの間、できる限り対応できるようにしています。
診療の際、大切にしていることはどんなことですか?

いかにして一本の歯を最後まで残すかということです。歯を抜かれたいと思っている人はいないでしょうし、天然の歯に勝るものはありません。どのようにしたらその歯を最後まで残せるかが重要です。ケアをしていても自然とぐらぐらしてしまうのは仕方がないことですが、その歯が周りの歯に何も悪影響を与えていないのであれば、どんな状態でも残していくことを考えます。治療できる歯周病は徹底的にアプローチします。極論ですが、たとえ歯がぐらぐらしていてもそれが入れ歯を支えているかもしれませんし、最後の一本かもしれません。歯科医療的には抜くのが一般的かもしれませんが、患者さんにとっては貴重な一本です。あくまでもこちら側の意見を押しつけないことが大切だと考えています。
インプラントは治療の選択肢の一つ
歯を削ることも極力少なくしているのですか?

私はいつも歯の寿命を第一に考えています。歯を削ることは歯の寿命を縮めることにつながります。虫歯は、進行性と停滞性のものがありますが、停滞性の虫歯はそのまま様子を見ていきます。どちらであるかしっかり診断せずに、小さな虫歯でも削りプラスチックを詰めて、その隙間から再度虫歯になるといった例も数多いのです。初期の小さな虫歯は削ったりせず、普段のセルフケアによって停滞性へとつなげておくことが大切なのです。
インプラント治療については、どのようなスタンスで捉えられているのですか?
歯を最後まで残すためにどうすればいいかと考えたときの一つの戦略として、インプラント治療を捉えています。戦略にそぐわない時にはインプラントは入れませんし、必要だと診断した場合には積極的にインプラント治療を勧めています。歯の状態によってはブリッジのほうが良い場合もあります。単に歯を欠損したから絶対にインプラント治療がいいといった発想は持っていません。長い年月をかけて構築された噛み合わせを破壊してまで、インプラント治療をする必要はないと考えています。清掃性など歯全体をトータルに診断した上で決定します。恩師からも「外科的処置を怖いと感じる、患者さんの気持ちを忘れてはいけない」と教えられてきました。治療そのものを慎重に行うのは当然ですが、治療後のメンテナンスも私自身がチェックしています。
インプラント治療を行う歯科医院が多いですが、歯科医院選びで気をつけるポイントがあれば教えてください。

インプラント治療の費用に注目が集まるのは当然ですが、その金額には理由があります。インプラント治療は「土台となる本体」に加え、最終的な「人工の歯」の製作工程が重要です。この人工歯は、歯科技工士という専門職人が一つ一つ丁寧に作るため、高品質な治療には必ず一定の費用が発生します。しかし近年、破格値で提供されるケースが散見されます。このようなケースは、インプラント本体の材料費を極端に抑えるか、あるいは歯科技工士への製作費を大幅にカットしていると考えられます。それでは、良質で長持ちする治療は困難です。結果として、安すぎる治療は、患者さんにとっての治療の質や安全性を犠牲にしている可能性が高いのです。ご自身の歯の未来を守るためにも、価格だけでなく、適正な品質を見極めることが大切です。
CAD/CAMシステムを用いた治療に注力
注力されている治療について、教えてください。

CAD/CAMシステムを用いた治療です。CAD/CAMシステムは、患者さんの歯を長く持たせるという明確な目的で開発されたシステムです。従来の治療では、型採りからかぶせ物完成までの間に歯が汚染されるリスクがあり、型採りの不快感や、装着のための再度の来院といった負担がありました。これに対し、CAD/CAMシステムを用いる場合は3D光学カメラで口腔内をスキャニングするため、不快な型採りが不要です。さらに、その場で熱膨張・収縮しにくいセラミックのかぶせ物を作製し、その日のうちに装着します。これにより、歯が外部にふれる時間を極限まで短縮して汚染を防ぎ、高い耐久性がめざせます。患者さんの負担を大幅に軽減し、自然な歯と近しい色味で見た目も気になりにくい、新しい治療法です。
どのような患者さんがCAD/CAMシステムを用いた治療に適しているのでしょうか。
当院では、主に奥歯、具体的には前から3番目より奥の歯のかぶせ物が必要な患者さんに対して提案しています。前歯のように見た目が特に重視される箇所は、やはり専門の歯科技工士さんに時間をかけて作ってもらうほうが適していると考えているからです。CAD/CAMシステムを用いた治療はトラブルの起こりにくさも見込め、患者さんの来院の頻度も減らすことができるため、忙しくて頻繁にクリニックに足を運ぶことができない患者さんにとってもメリットが大きいのではないかと思います。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院はこれからも地域に根差したクリニックとして、地に足をつけて診療にあたってまいります。めざすのは、「どんな時でも、ここに頼れば大丈夫」、そして「最終的にあのクリニックに行けば安心だ」と、地域の皆さまから深く信頼していただける、最後の砦のような存在であることです。私たちのスタッフは、どなたにもフレンドリーに接し、専門的な内容もわかりやすい言葉で丁寧にご説明することを徹底しています。インプラント治療などで不安やお悩みをお持ちの方のために、セカンドオピニオンも積極的に受けつけております。どうぞご遠慮なくご相談ください。皆さまの不安を解消し、納得のいく治療をともに探していくことをお約束します。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療:25万円~
CAD/CAMシステムを用いた治療/セラミックインレー : 8万円、ハイブリッドセラミックインレー:10万円、フルジルコニアクラウン:8万円、ジルコニアセラミッククラウン(オールセラミックスクラウン):8万円

