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山田 智子 院長の独自取材記事

ひまわりクリニック

(浦安市/新浦安駅)

最終更新日:2020/04/01

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2014年に開院した「ひまわりクリニック」は外来と在宅に対応し、患者をトータルに診るクリニック。山田智子院長は以前勤めていた病院のときから、在宅医療での対応がスムーズでなかった患者など、難しいケースも数多く経験してきた医師で、最近は同院でも在宅医療の相談が増えているという。「在宅ならご自宅など患者さんがリラックスできる環境で受診でき、治療法や薬の選び方などをご本人やご家族とご相談しながら細かく対応していけるんです」と語る山田院長に、診療で大切にしていること、患者や地域全体への思いなどを聞いた。
(取材日2018年7月2日)

外来から在宅までトータルに診ていくクリニック

こちらは外来と在宅の両方に対応されるそうですね。

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ええ、開院時から地域のかかりつけ医として、外来から在宅までトータルに診るクリニックが目標でした。当初は平日の午前が外来、午後が在宅でしたが、在宅医療のご希望が増え、対応できる医師も私を含め常勤医2人・非常勤医数人と充実してきたので、今は外来の時間帯は平日午前のまま、在宅は午前午後を問わずご提供しています。エリアは当院のある浦安市全域と隣接する市川市の一部で、個人のご自宅と高齢者施設が半々くらい。患者さんのご家族や担当のケアマネジャーのご相談、それまで患者さんを診ていた病院の地域連携室からのご紹介がほとんどです。ご家族から在宅医療についてのご相談も増え、全国平均に比べて高齢化率の低い浦安市でも在宅医療に対するニーズの高まりを実感しています。

診療で大切にされていることを教えてください。

患者さんやご家族が「何を望まれているのか?」を早く知り、実行することです。そもそも患者さんやご家族の言葉と本当の希望が違うのはよくあり、その典型が「もう死んでもいい」「いつ亡くなっても構わない」といいつつ、実際はまだ死にたくない、亡くなってほしくないといった状況でしょうか。そういう本音をうまくすくい上げて、本当の願いをかなえたいと思いますし、もし患者さんとご家族の考えにズレがあるようならうまく折り合いをつけ、どちらも幸せになれる在宅医療を実現したいですね。特にご家庭の内情にも詳しいケアマネジャーの協力は大きく、よく相談に乗ってもらいます。そのほか介護スタッフや訪問看護師、薬剤師など多職種の協力を得て、地域包括支援センターや病院の力も借りながら、地域全体で患者さんとご家族を支えている感じです。

患者だけでなく、家族へのケアやサポートも重要なのですね。

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とても大事です。病院に入院していた患者さんが退院して在宅医療を希望されるとき、「病気やけがは治ったけど、昔のようには体が動かない。自宅に戻ると家族に迷惑がかかるのでは」と悩まれることはよくあるんです。そうした場合も、ご自宅に手すりなどの環境を整備し、ヘルパーさんによってご家族の負担を減らすなど工夫し、最期までご自宅で暮らされたケースは多かったですね。大抵のご家族は介護や看取りが初めてで、「こういう対応でいいのだろうか」「熱やむくみが出て大丈夫だろうか」と不安だらけ。診療で伺う時間帯にご家族に会えないときは手紙を残したり、連絡がつく時間帯にお電話したりとコンタクトを取り、注意点などの連絡と併せて「大丈夫ですよ、ちゃんとできてますよ」と励ましの言葉も添えています。

定期的な訪問診療に加え、万一のときは24時間対応

在宅医療ではどのような診療が受けられますか?

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医師と訪問看護ステーションの看護師が一緒に患者さんのご自宅や施設に定期的に伺う「訪問診療」が主で、容体が落ち着いた方なら2週間に1回程度、曜日と時間帯を決めて訪問します。訪問先では一般内科の診療を中心に、必要なら血液検査、心電図、腹部エコーなど各種検査を実施し、床ずれの処置、在宅酸素療法をはじめとした医療管理を行います。また急な容体の変化、亡くなる直前といった特別な状況では24時間365日、医師や看護師のサポートが受けられ、電話によるフォローや医師の往診・看護師の訪問看護などで対応します。訪問診療では初回訪問時に患者さんとご家族との面談を行い、現在の症状や生活状況、ご家族の介護力、現在のお困りごとなどを詳しくヒアリングし、診療内容や費用も説明してご確認いただくんです。

訪問診療を受ける上で何かアドバイスはあるでしょうか?

ご家族だけで介護を頑張って、本当に行き詰ってから在宅医療の相談に見えるケースが多いですね。初回に治療方針の確認などでご自宅を訪ねると、実は家の中の片付けもままならず、家族全員が疲れ切って心身ともにギリギリだったこともあります。在宅医療は患者さん自身が望む自宅療養の姿を実現し、ご家族の介護も楽になるよう支援するものですから、親御などの医療・介護で気になることは早めにご相談いただければと思います。それに大きな病院などは患者さんやご家族にとってアウェーな場所。長く通院されていても、最近調子が悪いとか悩みがあるなどは、言い出しにくい雰囲気ではないでしょうか。その点、在宅医療はまさに「ホーム」ですから、例えば粒状の薬が飲みづらいなら、なめるタイプに変えたりゼリーに混ぜたりと、個別対応しやすいんですよ。

治療のことなど、医師と相談して決めていけるのですね。

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その通りです。身近なところに医師がいて気軽に相談できるだけでも、ご本人もご家族も気持ちが楽になるでしょう。これは在宅に限らず外来の患者さんでもよくあり、専門的な検査や治療で別の病院を受診されても、「あの病院でこんな風にいわれたけど、どういう意味? 結局どうしたらいい?」といった相談を受けるんです。聞いた内容がよくわからなくても、聞き直すのはハードルが高いようなんですね。あまり要領を得ないようなら紹介先の医師に私から問い合わせたり、次の機会にもっとかみ砕いて説明してもらうようお願いしたりと連携も取りつつ、患者さんやご家族が納得して医療を受けられるよう努めています。

地域連携で浦安市全体を「安心の医療施設」に

先生がこちらを開院された経緯を教えてください。

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私が高校生のとき、大好きだった祖父を在宅で看取ったのですが、最期まで付き添ってくれた医師の姿に感動して……。それから患者さん一人ひとりと向き合える医師になりたいと思い、医学部に入学しました。卒業後は大学病院の循環器内科に在籍したものの、診療時間が短いことに物足りなさを感じ、結婚を機に千葉県市川市の小規模な病院に移ったんです。そこが在宅医療を始めることになり、私も患者さんのご自宅に伺って在宅での経験を積むことができました。それから高齢者施設に入居された方の健康管理へと広がり、有料老人ホーム・舞浜倶楽部ともご縁ができたんですよ。その後、子どもが成長するにつれて私の仕事量を少しセーブしたいと考え始め、転職を考えていたとき、舞浜倶楽部の方に「ここで開院してはどうか?」と声をかけていただきました。

地域の医療機関とはどう連携されていますか?

専門的な検査や急な容体の変化で手術が必要なときは、連携する順天堂大学医学部附属浦安病院、東京ベイ・浦安市川医療センターをご紹介しますし、リハビリテーションが必要になったら浦安病院や浦安中央病院などで受けていただけます。このほかご家族が家を数日離れるような場合、患者さんは提携先の病院に一時入院していただく対応も可能です。浦安市全体が大きな医療施設だとしたら、私は一部の患者さんの主治医に過ぎません。でもほかの場所にはそれぞれ主治医がいて、専門の治療を担当する医師もいて、それらがうまく連携すればお住まいの皆さんにとって安心できる地域になるはず。各病院が持つ地域連携の窓口、紹介先の医師と常時連絡を取り合い、定期的に病院を訪ねて情報交換を行うなど「顔の見える地域連携」を大切に、そうした地域全体の安心を高めたいと思っています。

これからの目標や取り組みをお聞かせください。

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例えばご本人が認知症と認めたがらないケース、独り住まいの方が認知症になったケースなど、まだ医療を受けておられない患者さんにうまくアプローチできるよう、地域で連携して取り組みを進めています。私はの認知症サポート医でもありますから、地域包括支援センターと協力して、ご家族や周囲の方から相談があれば、往診という形で支援に加われます。もちろん認知症の検査とは一言もいわず、「健康相談に伺いました」などご本人に自然にアプローチしていくんです。これから高齢化が進む浦安市では、こうした認知症の初期段階での支援をさらに強化したいと考えています。

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