生活習慣病の治療で
将来の脳卒中リスクの低減を図る
あづま脳神経外科リハビリクリニック
(大阪市天王寺区/谷町九丁目駅)
最終更新日:2024/03/28
- 保険診療
高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病。自覚症状がほとんどないことから気づかないうちに進行していることが多い。だが、高血圧の状態が長く続くと動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって、ある日突然脳梗塞を引き起こすことも。脳疾患はひとたび発症すると後遺症の残る危険性が高く、これまでの社会的生活を続けることが困難となり、介護が必要になることが多い。大阪市天王寺区にある「あづま脳神経外科リハビリクリニック」の院長、我妻敬一先生は、長年病院の脳卒中を扱う部門に所属し、脳卒中治療にあたってきたエキスパート。脳血管障害の基礎疾患となる高血圧症や糖尿病などの予防と治療にも注力している我妻先生に、脳卒中の予防について話を聞いた。
(取材日2024年2月22日)
目次
脳卒中発症のリスクとなる高血圧症や糖尿病。重篤な疾患を発症する前に、生活習慣病の予防と治療を
- Q高血圧だと、将来脳卒中になりやすいと聞きました。
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A
生活習慣病の中でも、高血圧は脳卒中や認知症のリスクを高める重要な指標です。多くの方が「血圧が高いから」という理由で処方された薬を服用していますが、その薬を飲む深い意義が理解されていない場合、継続的な服用が困難となることがあります。このため、薬を服用する根本的な目的、つまり将来的な脳卒中や認知症のリスク低減をめざすことを、患者さまに明確に伝え、服薬の重要性を理解していただきます。当院では患者さまの年齢、脳や頸動脈の状態を含むさまざまな健康データを総合的に評価し、個々の方に適した血圧目標を設定して治療を行います。患者さまごとに異なる情報を管理し、それぞれに適した医療を提供することが医師の使命です。
- Q先生が予防に力を入れている理由は?
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A
私がかつて富永病院の脳卒中センターで勤務していた頃、深い無力感に襲われた経験があります。くも膜下出血で救急搬送され、治療後も植物状態となった患者さまに直面した時、「私はこの方のために何ができたのだろう?」と自問し続けました。さらに、高齢という理由で降圧剤を減らされた末、脳出血で亡くなった患者さまの事例を考えた際、私たち医療提供者の責任を重く感じました。これらの経験から、脳卒中などの脳血管疾患、それを引き起こす高血圧症、糖尿病、脂質異常症、不整脈などへの対応の必要性を強く認識しました。当院ではこれらの疾患への早期発見と適切な治療に注力し、脳卒中のリスクを最小限に抑えることをめざしています。
- Q脳神経外科の専門クリニックを受診するメリットは何でしょう。
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A
脳の疾患は、頭痛、頭の重さ、めまい、ふらつき、首や腰の痛み、手足のしびれ、目の奥の痛み、言葉の発しにくさ、ろれつが回らない、顔のけいれんなど、多様な症状を引き起こします。例えばふらつきは、日常的な肩こりや首の張りに伴う不調の場合もありますが、脊髄小脳変性症やパーキンソン病といった神経難病の初期兆候の可能性があります。脳神経外科の医師は、これらの病気や症状を見逃さないために、高度な専門知識と経験を有しています。そのため、このような症状に心当たりがある場合は、早急に専門のクリニックで検査を受けることを推奨します。専門的な評価を受けることで、不安を早期に解消し、適切な治療につなげることができます。
- Q脳卒中と認知症との関連性について伺います。
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A
認知症は多様な形態を持つ疾患であり、アルツハイマー型やレビー小体型など、さまざまな種類が存在します。その中でも血管性認知症は、脳血管障害、特に脳卒中による脳の損傷が原因で発症するタイプの認知症です。脳卒中を経験すると、後遺症により患者さまの介護度が大幅に上昇する恐れがあり、さらには認知症へと進行することで、患者さまの尊厳が徐々に失われていく可能性があります。多くの方々が、健康な状態で充実した人生を送り、最後まで質の高い生活を享受したいと願っています。この理想を現実にするためには、脳卒中の予防が極めて重要です。当クリニックでは、脳卒中およびそれに伴う認知症の予防に関する情報提供に努めています。
- Qこちらのクリニックの治療の流れについて教えてください。
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A
当院では、診療を円滑に進めるために、ウェブ予約システムを導入しています。来院前にウェブ予約と、あらかじめウェブ問診に答えていただきます。来院後、看護師が問診票の内容をもとに、より詳細な問診を行います。この時に脳卒中の可能性がある場合は、診察順位を上げて対応する場合もあります。医師の診察の結果、必要に応じてMRI検査などの各種検査を行い、その結果をもとに診断します。ほとんどの疾患は当院で加療可能ですが、重大な病気が発見された場合は、速やかに専門の病院への紹介を行います。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の診断時には、投薬治療や生活指導を通じて、患者さまの健康維持と病気予防を全力でサポートします。