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鈴木 ティベリュウ浩志 院長の独自取材記事

公津の杜メディカルクリニック

(成田市/公津の杜駅)

最終更新日:2023/12/21

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック main

公津の杜駅から徒歩7分の国道沿いに構える「公津の杜メディカルクリニック」は、乳がん検診をはじめ、内科、小児科などの総合診療を手がけるクリニックだ。診療にあたるのは、海外で総合診療のノウハウを学び、帰国後は乳腺外科を専門に乳がん治療の前線で研鑽を積んだ鈴木ティベリュウ浩志院長。乳がんの早期発見・早期治療を念頭に、乳がん検診に訪れた女性とその家族の健康を総合的に支えるクリニックとして、幅広い診療に対応している。2014年4月の開業から8年目を迎えた鈴木院長に、クリニックの取り組みや乳がん検診を受診しやすい環境づくりの工夫、婦人科や小児科の医師による診療体制などについて、先生自身のこれまでの歩みも交えて、詳しく話を聞いた。

(取材日2022年5月27日)

すべての女性とその家族の健康を支えるために

こちらは2014年の開業とのことですが、診療科目が幅広いですね。

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック1

当院は乳腺外科を中心に、外科、内科、小児科、婦人科も含めた総合的な診療を行っています。今や日本人女性の9人に1人が乳がんにかかると言われ、家族の中心的な存在である女性が健康であり続けるために、年に1度の乳がん検診はますます欠かせないものになっています。当院は検診に来てくださった女性と、そのご家族の健康もまるごとお支えし、家族みんなでかかれるクリニックでありたいと考え、乳腺外科の専門性と総合診療の2本柱で診療にあたってきました。開業から8年の間に、検診をきっかけに当院を気に入ってくださった女性が、ご自分のお子さんや旦那さん、ご両親を連れてきてくださるケースも増え、ファミリーでかかりつけにしている方も多いんですよ。

乳がん検診の現状について教えていただけますか?

私はここを開業する前まで、乳がんの治療や研究に長年打ち込んできました。そうした経験の末に私がたどり着いた結論は、「乳がんの完治や再発防止をめざすには、どんな画期的な薬よりもまず、いかに早くがんを発見するかが最も重要」ということです。近年は乳がんの闘病中であることを公表する有名人の方が増えたりと、メディアの情報をきっかけに乳がん検診に対する関心が高まって、当院でも受診件数が増える傾向が続いています。女性ホルモンであるエストロゲンに長くさらされることが、乳がんに関係しているといわれています。以前は閉経後は乳がんのリスクが低いと考えられていましたが、ライフスタイルの変化などに伴って高齢女性の乳がんも増えつつありますから、当院でも最近は20代から80代まで、幅広い世代の女性が来院されています。

こちらのクリニックには一般の待合室とは別に、女性専用待合室があると伺いました。

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック2

乳がん検診に対して、「痛い」「恥ずかしい」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますから、当院では検査そのものの質を高めることはもちろんですが、その前段階として、受診のハードルを下げるような環境づくりが大切だと考えています。女性専用待合室を設置しているのもその一環。乳がん検診を利用される方は、受付やキッズスペースがすぐそばで人が頻繁に出入りする一般の待合室でなく、医院奥に設けた静かな女性専用待合室に案内して、落ち着いた雰囲気の中で問診表を書いていただき、検査着に着替えるなど検査の準備に入っていただいています。ピンクリボンアドバイザーの勉強をしたスタッフをはじめ、全員が専門的に学んでいますから、検査前に患者さんの質問にお答えしたり、不安そうにされている方にはスタッフから声をおかけしたりといった形で、安心して検査を受けていただくための専用スペースとして活用しています。

病気の治療はもちろん、患者の心の不安も受け止めたい

先生が医師を志したきっかけを教えていただけますか?

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック3

私は東京生まれですが、父の仕事の都合で生後間もなく親子3人でルーマニアに移り住みました。小学生時代、日本に暮らす祖父母が日本語の勉強のために、と送ってきてくれた子ども向けの雑誌に、人気漫画家が手がけた医療漫画が載っていたんです。当時の私はそこに登場する孤高の天才外科医に強い憧れを抱き、外科医という仕事がどういうものなのかもわからないまま、自分もその道に進もうと決意しました。その漫画はもう、ボロボロにすり切れるまで夢中で読みましたね。その後10歳で帰国。高校卒業後は幼少期に見たルーマニアの大学の医学部のキャンパスの美しさが忘れられず、単身ルーマニアの国立大学医学部に進学しました。

乳腺外科を専門に選ばれたのは、何か理由があったのでしょうか?

医師を志した原点は漫画に出てきた「すべてを治せるスーパードクター」でしたから、大学卒業後に在籍していたルーマニアやデンマークの大学病院、そして帰国後に勤務した千葉大学医学部附属病院で、外科や呼吸器、小児外科など、いろいろな科を回って知識を吸収しました。あるとき派遣された地方の病院で、多忙な外科の医師が時間に追われるように乳がんの手術や治療を行う一方、患者さんたちは体だけではなく、心にも大きな不安を感じているのではないか、ということを知りました。乳がんは早期発見が重要であり、手術をして抗がん剤治療を受けていても、患者さんにとっては再発のリスクが常に頭から離れないものです。外科医の一人として、乳がんの早期発見に力を尽くしながら、患者さんが心に抱える不安もまるごと受け止め、支え続けるような乳がんを診る専門の医師になりたいと考え、乳腺外科の道を選びました。

こちらで行う乳がん検診について詳しく教えてください。

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック4

当院の検診ではマンモグラフィと超音波検査を併用します。画像の読影は院長の私と、診療放射線技師、そして乳腺外科を専門とする勤務医のトリプルチェックを行い、わずかな病変も見逃すことのないよう徹底しています。早期発見が肝心な乳がん検診においては、検査機器の性能が大きく影響しますから、最新の機器にも注目し、必要に応じて随時更新しています。最近導入した3Dマンモグラフィは、早期がんが疑われる微細な石灰化も発見しやすく、検査精度が飛躍的にアップしました。

婦人科の医師による診療、検査体制も整える

この春から婦人科の検査体制も整えたそうですね。

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック5

はい。乳がんにかかった方は、ホルモン治療などの影響で子宮体がんや卵巣がんなど、婦人科のがんのリスクが高まるため、乳がん治療の経過観察とともに、婦人科の定期的な検査も必要となります。当院では患者さんからの要望を受けて、6年ほど前から婦人科専門の女性医師による診察を始めており、乳腺外科と婦人科の双方をケアできる体制を整えました。加えてこの春からは、外部でお願いしていた婦人科の検査にも院内で対応できるようになり、子宮頸がんの検査や婦人科の各種エコー検査、細胞診など簡易な検査は当院で受けていただけます。大きな病院で外科と婦人科を行き来するのも大変ですし、少しでも患者さんの受診時の負担軽減のお役に立てればと思っています。

小児科専門の医師もいらっしゃるので、子育て中のママにとっては安心感がありますね。

小児科を担当している先生は、子育て中のママさん先生でもありますから、同じママ目線で子育ての悩みも気軽に相談していただけますよ。子どもの急なけがややけどといったことであれば、私が外科的なアプローチで対応することも可能です。ここ数年で小児科の患者さんはかなり増えましたが、その分スタッフも増員して医院全体で常時2診体制、時には3診体制で対応しているので、待ち時間も短縮することができていると思っています。親子で風邪を引いてしまったときなど、不調のあるご家族をいっぺんに診られる体制が整っていることも、当院の強みの1つだと自負しています。

最後になりますが、今後の展望と読者に向けたメッセージをお願いします。

鈴木ティベリュウ浩志院長 公津の杜メディカルクリニック6

体の調子が悪いときや検査で異常が見つかったとき、気持ちが大きく沈んでしまうものですよね。当院には毎年の定期チェックで乳がん検診を希望され来られる方のほか、乳がんの術後の方、健康診断で異常が見つかって来られる方、内科や小児科に体調不良でいらっしゃる方など、それぞれに不安や緊張を抱えて来院されています。当院はそうした患者さんの不安を受け止め、前向きにお支えする「優しいクリニック」でありたいと考えています。今後は婦人科診療をさらに拡充し、家族皆で安心してかかれる診療体制をより一層整えてまいります。「体調で困ったことがあったら、まずここで診てもらおう」と、皆さんから頼りにしていただけたらうれしいですね。

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