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早期発見・治療が重要
さまざまな症状を引き起こす甲状腺疾患

三浦中央医院

(三浦市/三浦海岸駅)

最終更新日:2021/10/12

三浦中央医院 早期発見・治療が重要 さまざまな症状を引き起こす甲状腺疾患 三浦中央医院 早期発見・治療が重要 さまざまな症状を引き起こす甲状腺疾患
  • 保険診療

疲れやすさや不眠、むくみや発汗など、原因を特定しづらい体調不良は、いわゆる「不定愁訴」としてひとまとめにされがち。しかし、その中には甲状腺の異常や障害によって引き起こされるものも多くあるという。「見逃されることも多い甲状腺疾患ですが、心不全などの心疾患の原因となっていることも。さらに、ご高齢者の場合では、認知症と診断されてしまうケースも少なくありません」と語るのは、「三浦中央医院」の瀧端正博院長。神奈川県の三浦市・横須賀市で決して多いとはいえない内分泌代謝科の専門家として、さまざまな甲状腺疾患の診断と治療にあたっている瀧端院長に、疾患の特性や治療などについて、詳しく教えてもらった。

(取材日2020年3月11日)

不定愁訴とされている症状の中には、甲状腺疾患によって引き起こされている可能性のあるものも

Q甲状腺疾患とはどのようなものなのですか?
A
三浦中央医院 ホルモン分泌の異常により症状が表れるという

▲ホルモン分泌の異常により症状が表れるという

甲状腺は人間が生きるのに欠かせないホルモンを分泌する器官であり、その分泌に異常が表れるのが甲状腺疾患です。甲状腺疾患には大きく分けてバセドウ病などに代表される甲状腺機能亢進症と、橋本病などに代表される甲状腺機能低下症、甲状腺がんを含む甲状腺腫瘍があります。甲状腺ホルモンは過剰でも不足しても症状が表れます。ホルモン分泌が過剰になるとイライラや発汗、不眠などの症状が出ます。逆にホルモン分泌が低下すると元気を失い、認知機能の低下や寒気、むくみなどを感じるようになります。共通の症状として、脱毛が見られるケースも。さらに、甲状腺が腫れると、喉の下部に腫れやしこりを感じることもあります。

Q甲状腺の病気を予防することはできるのでしょうか?
A
三浦中央医院 気になる症状があれば早めに受診しよう

▲気になる症状があれば早めに受診しよう

甲状腺ホルモンの異常がなぜ表れるのか、明確な原因はわかっていません。そのため、甲状腺疾患を予防することは難しく、早期に発見・治療していくことが最善の対処策と考えられます。甲状腺疾患は女性に多い病気で、10代から高齢者まで、幅広い世代に見られます。また、遺伝性も確認されており、母と娘で同じ病気になってしまうというケースもよくあります。気になる症状が続くようであれば、早めの受診・治療で対処していくことが必要です。しかし、再発率も高いので、ご自身のリスクを意識しておくことも重要になります。

Q甲状腺疾患と心疾患に関係があると伺いましたが?
A
三浦中央医院 甲状腺ホルモンの分泌過多が心疾患を引き起こしやすくすることも

▲甲状腺ホルモンの分泌過多が心疾患を引き起こしやすくすることも

心疾患の背後に甲状腺疾患が隠れているというケースはよくあります。甲状腺ホルモンの分泌過多を放置しておくと、心臓に過度の負担がかかります。この状態が続くと、心房細動やうっ血性心不全などの心疾患を引き起こしやすくなってしまうのです。甲状腺機能低下症によってコレステロールが上昇して動脈硬化が進みやすくなり、狭心症や心筋梗塞のリスクを高めてしまうことも。いずれにしても、命に関わる重大な病気のリスクにつながります。動悸や脈の乱れなど、心臓に関わる症状がある場合は要注意です。

Q甲状腺疾患は認知症とも関わりがあるのですか?
A
三浦中央医院 認知症やうつ病と誤った診断をされるケースもあるという

▲認知症やうつ病と誤った診断をされるケースもあるという

甲状腺機能低下症では、意欲や認知機能の低下が見られることから、誤って認知症やうつ病などの診断を受けるケースがあります。こうした症状では、まず精神科や心療内科を受診する場合が多いのですが、医師が甲状腺についての知識を持っていない場合は正確に診断されず、認知症治療薬や向精神薬などを処方されてしまうケースも。反対に、知識のある医師は認知症の診断を行う前に外来で甲状腺の状態を診ることも多くなっています。甲状腺疾患では、精神科からの紹介でようやく専門診療にたどり着くということも多いのです。

Q甲状腺疾患の治療はどのように進めますか?
A
三浦中央医院 治療は投薬が中心となる

▲治療は投薬が中心となる

まず血液検査とエコー検査で甲状腺の状態を確認したら、投薬を中心として治療を進めていきます。内服薬で状態の制御が図れなければ手術や放射線を用いたアイソトープ治療をお勧めするケースもあります。欧米ではこうした治療を行うことも多いのですが、放射線への恐怖感や首元に痕が残りやすく目立つなどの理由で、国内では抵抗感を持つ人も多いようです。定期的に採血してホルモン分泌の状態を確認しながら、薬を調整して治療していくのが一般的です。一定期間投薬を続ける必要はありますが、状況によっては薬を止めることも可能です。

ドクターからのメッセージ

瀧端 正博院長

甲状腺が分泌するホルモンは、人体の臓器と臓器をつなぐ連絡係。人体において重要な役割を担うものですので、これに異常が生じると全身にさまざまな症状が表れます。いずれも、年のせい、精神的なもの、ストレス由来などとして「原因がわからない」と診断を諦めてしまいがちな症状ですが、原因が甲状腺にあることがわかればそれに合わせた治療が可能です。骨粗しょう症など更年期特有の症状も、甲状腺と関わりがあることがあります。原因不明の症状がある方は、ぜひ一度甲状腺の専門家にご相談ください。

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