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片頭痛など慢性頭痛の診療に注力
群発頭痛の専門的な治療も実施

藤沢在宅クリニック

(藤沢市/藤沢駅)

最終更新日:2021/10/12

藤沢在宅クリニック 片頭痛など慢性頭痛の診療に注力 群発頭痛の専門的な治療も実施 藤沢在宅クリニック 片頭痛など慢性頭痛の診療に注力 群発頭痛の専門的な治療も実施
  • 保険診療

日本人の3人に1人は、慢性頭痛に悩む「頭痛持ち」と考えられている。慢性頭痛は大きく緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛に分けられ、頭痛薬の飲み過ぎで起こる薬物乱用頭痛に悩む人も多い。近年、頭痛に関する治療法も進展し、頭痛治療を手がけるクリニックも増えてきた。藤沢駅近くで在宅医療を手がける「藤沢在宅クリニック」もその一つ。米田浩基院長は頭痛の専門家であり、クリニックでは頭痛の外来を設け、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛、薬物乱用頭痛などの治療を手がけている。特に群発頭痛の専門的な治療を行うのが特徴で、横浜や東京をはじめ、関西など遠方からも患者が訪れるという。そこで米田院長に、群発頭痛など慢性頭痛の症状や治療について詳しく聞いた。

(取材日2019年1月8日)

群発頭痛に対する翼口蓋神経節ブロック治療のほか、片頭痛や薬物乱用頭痛治療などの専門的な治療に取り組む

Qまず、頭痛の種類や症状について教えてください。
A
藤沢在宅クリニック 頭痛の専門家でもある米田院長

▲頭痛の専門家でもある米田院長

頭痛には、慢性頭痛、風邪や二日酔いによる頭痛、くも膜下出血などの突然の頭痛などがあります。慢性頭痛は命に別状はありませんが生活に影響する厄介な頭痛で、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛などがあります。片頭痛は月に数回繰り返して起こり、頭の片側あるいは両側が脈打つようにひどく痛みます。女性に多く、体質や気候、睡眠、生活リズム、自律神経の乱れなどさまざまなことが原因となります。緊張型頭痛は頭部の筋肉の緊張やストレスなどにより、頭全体が締め付けられるように痛む頭痛です。また鎮痛剤を頻繁に服用することで痛みを感じやすくなる薬物乱用頭痛や、カフェインを常用することが原因となるカフェイン離脱頭痛などもあります。

Qあまり聞き慣れませんが、群発頭痛はどのような頭痛ですか?
A
藤沢在宅クリニック 同院では頭痛の専門外来も行っている

▲同院では頭痛の専門外来も行っている

群発頭痛は、男性に多くみられる頭痛です。群発期と呼ばれる1年のうちの1〜3ヵ月間、片方の目の奥に激しい痛みが起こり、1〜2時間持続します。目の充血や涙が出ることもあります。群発期以外はまったく頭痛が起きないのも特徴ですね。後遺症や死亡などのリスクはありませんが、「いても立ってもいられない」といわれるほどのかなり強い痛みで、日常生活に支障を来します。片頭痛などは患者さんが多く治療も進んでいますが、群発頭痛は鎮痛剤が効かないことが多い上、比較的珍しい頭痛なので診断が難しく、治療に対応する医療施設も少ないため、長期間苦しまれる患者さんも少なくありません。

Qこちらで行っている慢性頭痛の治療について教えてください。
A
藤沢在宅クリニック 頭痛の種類を調べるチェックシート

▲頭痛の種類を調べるチェックシート

慢性頭痛については、まず、頭痛日記を書いてもらい、どんな頭痛かを判断するところから始めます。片頭痛は薬で痛みを抑えながら、どんな場合に起きるかをチェックして生活指導をしていきます。鎮痛剤は使い過ぎも、我慢し過ぎも生活の質を下げますので、正しい使い方を指導します。予防薬を処方することもありますね。緊張型頭痛はマッサージや入浴、体操などで血行をよくして筋肉のこりの解消を指導します。時には精神的な緊張を和らげる薬を使うことも。片頭痛と緊張型頭痛が合併している場合も多いので、見分け方も指導します。群発頭痛については鎮痛剤が効かないことも多いので、翼口蓋神経節ブロックという専門的な治療も行っています。

Q群発頭痛の翼口蓋神経節ブロックとはどのような治療ですか?
A
藤沢在宅クリニック 群発頭痛の治療である翼口蓋神経節ブロックにも対応している

▲群発頭痛の治療である翼口蓋神経節ブロックにも対応している

鼻の奥にある神経の束に麻酔をかけ、痛みの伝達を遮断する方法です。鼻の穴から硬性内視鏡を使って鼻の奥の翼口蓋神経節を粘膜上から局所麻酔でブロックします。ブロックといっても注射ではなく、麻酔薬を浸した小さな綿を詰める方法で、多少の痛みが生じますが、麻酔薬の浸透とともに次第に和らぐはずです。麻酔は1ヵ月から数ヵ月続き、通常の群発頭痛ならば1回の群発期はカバーできます。この治療には、内視鏡の技術や神経系治療の知識、外科的手技・スキルが必要で、手がける医療機関はごく少ないのが現状です。当院では1000例以上の治療実績があり、神奈川県内や東京からはもちろん、関西や東北など遠方からも患者さんが来られます。

Q慢性頭痛がある場合、どのようなことに注意が必要ですか?
A
藤沢在宅クリニック 悩んだら医師による診察を受けてほしいと話す米田先生

▲悩んだら医師による診察を受けてほしいと話す米田先生

慢性頭痛に悩まれている方は頭痛に詳しい医師の診断を受け自分の頭痛を知り、的確な治療を受けてください。そしてどんな時に何がきっかけになって頭痛が起こるのか、客観的に観察する習慣をつけましょう。個人差もありますので、自分の頭痛の傾向を知ることが大切です。群発頭痛の方は群発期はアルコールや入浴、タバコ、長すぎる昼寝などを避けてください。また頭痛にはくも膜下出血や脳出血、脳腫瘍などの病気が原因の危険な頭痛の場合もあります。普段の頭痛では起こらない吐き気がする、ろれつが回らない、手足に麻痺が生じる、物が二重に見える、めまいやけいれんなど、いつもと違う頭痛の症状を感じたら速やかに医師の診断を受けましょう。

ドクターからのメッセージ

米田 浩基院長

頭痛は専門の診療科が決まっていない境界領域の分野で、どの診療科を受診したらよいのかわからないとお困りの患者さんがたくさんいらっしゃるようです。当院は在宅医療中心のクリニックですが、私が脳神経外科や頭痛治療の専門家であることから頭痛の外来を設け、多くの患者さんが受診されるようになりました。特に群発頭痛は、専門的な治療に対応できる医療施設が少ないため、多くの患者さんが来られます。頭痛の外来は若い世代が多く、高齢の方が多い在宅医療とは異なる診療となりますが、困っている方が安楽に毎日を過ごせるよう医師としてサポートするという意味で、目的は同じと思って取り組んでいます。お悩みの方はぜひご相談ください。

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