女性にとって大切な大腸内視鏡検査
大腸ポリープを早期発見・治療
森田内科・胃腸内科
(高槻市/高槻市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
年々増え続けている大腸がん。特にここ数年は、女性の大腸がん死亡率が急増している。しかし大腸内視鏡検査は、女性にとって重要な検査でありながら、「下剤を飲んでたくさん便を出さないといけない」「肛門からカメラを入れて検査する」という点で、「不快、怖い、恥ずかしい」と敬遠される傾向が強い。そこで今回、消化器科専門の医師として20年以上、内視鏡検査の実績がある「森田内科・胃腸内科」の森田英次郎院長に、検査では実際にどんなことをするのか聞いてみることに。今どきの大腸内視鏡検査は、ハード面だけでなくソフト面でもさまざまな工夫がなされており、精度が優れた検査を快適に受けられるようになってきているようだ。
(取材日2018年3月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのような病気の発見につながりますか?
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A
大腸がんをはじめ、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患など、すべての大腸疾患が対象です。大腸がん検査のひとつとして、健康診断で行われる便潜血検査は、進行がんであれば比較的高い確率で見つけることができますが、早期がんの発見率は5割以下にとどまります。その点、内視鏡検査であれば、早期がんや悪性化する前のポリープの状態で病変も確認ができ、ケースによってはその場でポリープを切除することも可能です。健康な人であっても、40歳を過ぎたら定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。ご家族に大腸がんや胃がんの病歴がある方、便秘や下痢、おなかが張るといった症状のある方は、特に受けてもらいたいですね。
- Q貴院で受ける内視鏡検査のメリットは?
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A
当院は胃と大腸それぞれ、数多くの内視鏡検査を行っています。日本消化器内視鏡学会認定の消化器内視鏡専門医の資格をもつ私が、すべての内視鏡検査を担当します。内視鏡、高周波(ポリープ切除に用いる電気メス)などの検査器機や設備は、基本的に大学病院で導入されている機器と同じようなレベルの機器を導入しています。高齢の方や腸が長い方には細径の柔らかい大腸カメラを、ポリープが複数ある方には、100倍から150倍の拡大内視鏡を用いて粘膜の表面構造を細かく観察し、発見されたポリープを切除するか、そのまま経過観察しても良いかの適切な判断を行っています。
- Qつらい検査という印象ですが、実際はどうなのでしょうか?
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A
特に女性は、恥ずかしいという理由で大腸内視鏡検査を敬遠される人もいますが、検査中は鎮静剤でウトウトしている状態でつらいと感じる間もなく検査が済んでいる感じです。検査中は看護師が2名つき、音楽とアロマの香りを楽しみながらリラックスして検査を受けられるよう配慮しています。腸内を空っぽにして検査するため、下剤を飲んで便を出す必要がありますが、別の人が排便をした後のトイレを使用するのは不快なものです。また自分の使用後のトイレをすぐに次の人が使うのも気を使いますよね? 当院では一人ひとりにトイレが割り当てられ、共同でトイレを使用することはありません。快適に検査を受けていただけるよう心配りを行っています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前説明
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事前に問診を行い、既往歴(以前の病気)や定期服用している薬、排便の状態、大腸内視鏡の検査歴の有無などを確認し、検査内容や注意事項の説明を受ける。野菜や果物、海藻類は腸に残ってしまうことが多いので、3日前から控えて、消化によい食事を心がける。食事以外は、検査前日まで普段通りの生活を送れる。検査前日の夕食後より、事前に渡された下剤を服用し、検査当日は朝から絶食で来院。水、お茶などの水分補給は構わない。
- 2腸内洗浄を行う
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受付を済ませた後は、看護師による体調確認。3階の更衣室で検査着に着替え、腸の内部を空にするために腸内洗浄を行う。1~2Lの腸管洗腸液を数回に分けて服用しながら、便を出していく。おいしくない、量が多いと不評の洗腸液だが、今は柑橘系や梅の風味のものがあり、以前に比べてだいぶ飲みやすくなっているという。何度かトイレに行っていると、次第に便が透明な状態に。腸管内がきれいになれば検査室へ。
- 3内視鏡検査を受ける
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診察台の上に横になり、鎮静剤を注射。検査中は意識はあるがウトウトした状態で、声かけには応じるが苦痛はほとんど感じないという。内視鏡を肛門から挿入し、モニターを見ながら観察。腸の内部は蛇腹状になっているので、ひだの裏側までポリープが隠れていないか丁寧に調べる。ポリープが見つかった場合、ケースによってはその場で切除も可能で、軽微なもので1つ5分程度だという。検査自体は病気がなければ20分程度で終了。
- 4専用スペースで休憩
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検査後はリカバリースペースで、鎮静剤の効果が切れるまで30分程度休憩。リクライニングチェアにはナースコールが置かれているので、気分が悪くなったときはすぐに看護師を呼ぶことができる。同院では検査後にスープ、クラッカー、チョコレートなどの軽食の提供をしているそう。
- 5検査結果の説明
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画像を見ながら、検査結果の説明を受ける。疑わしい病変がなければ検査は終了。鎮静剤を使っているので自動車の運転はしないように。ポリープを切除した場合は、帰宅後に心拍数が上がるような運動や入浴は避けるようにし、切除後の出血リスクに備えて1週間ほどは旅行を控えてほしい。病理検査の結果が出るのは約2週間後となる。
自由診療費用の目安
自由診療とは大腸内視鏡検査 約7000円、大腸内視鏡検査及び生検 約1万円、大腸内視鏡検査及び内視鏡治療(ポリープ切除1臓器:約2万1000円、2臓器:約2万4000円、3臓器:2万7000円)