虫歯、歯周病リスクの回避を
セラミック素材を使った歯科治療
みなみもりまち歯科クリニック
(大阪市北区/大阪天満宮駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
虫歯や欠けた歯、亀裂のある歯を詰め物やかぶせ物で修復する補綴治療。ひと昔前は金属素材が主流だったが、近年、審美性や強度、歯茎との親和性の観点からセラミックの技工物のニーズが高まっている。歯との接合性が高いとされるため、二次カリエスのリスク低減に役立ち、歯垢がつきにくいので歯周病にもなりにくいという。自費診療となるため、多少、金銭的な負担もあるが、そこを「多数の症例を重ねることで、手の届きやすい治療費に抑えています」と話す「みなみもりまち歯科クリニック」の杉本紳也院長。セラミック治療と保険治療の違いや審美性に優れる理由、予防面でのメリットなどをさまざまな角度から聞いた。
(取材日2021年4月9日)
目次
天然歯との親和性に優れるとされるセラミックによる治療。良い状態を10年持たせることをめざして取り組む
- Qセラミックを使った治療とはどのような治療でしょうか?
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A
天然歯と近い色合いを再現し、人工の歯でありながら自然な仕上がりが期待できる治療です。セラミックを使った治療にはさまざまな方法があります。例えば、歯の表面だけを削り、薄く加工したセラミックを張りつけるラミネートベニア、金属のフレーム上にセラミック素材を載せた耐久性に優れたメタルボンド、前歯にはオールセラミックやジルコニアのかぶせ物が適していると思います。特にジルコニアは人工ダイヤモンドとも言われるほど硬く、重量が金属の3分の1と軽いため選択される方が多いですね。それぞれに特徴があり、患者さんのお口の状態や噛み方などに合わせて使い分けています。
- Q保険治療とはどこが違いますか?
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A
保険での治療は費用を抑えられる反面、使用できる素材の選択肢がとても限られています。基本的にメインとなるのは金属素材ですので、金属アレルギーの心配もゼロではありません。歯茎に金属が溶け出して、黒くしみのようになることもあり、こうなると落とすのはなかなか大変になります。CAD/CAM冠システムという機械で切り出して作る高分子プラスチックのような素材も、数年前から一部保険適用となりましたが割れやすいというデメリットがあります。一方セラミックは自費治療になる分、さまざまな素材の中からご自分に合った物を選べ、歯茎との親和性も高いといわれています。10年後も美しい状態を保てることをめざして治療しています。
- Qセラミック治療の審美面でのメリットはどうでしょうか?
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A
セラミックは天然歯に近い色合いや透明感を再現することが期待でき、審美性にとても優れています。変色も少ないので、神経のない歯の補綴にもお勧めです。歯というのは神経を抜いてしまうと、だんだんとグレーっぽく変色していく性質があります。隣の歯と色に差が出やすく、見た目に違和感が出ることもあるのです。女性は見た目の美しさを重視する傾向が強いですし「歯の色が気になって笑えない」というのではもったいないですからね。かといってすべての補綴物をセラミックにするのはちょっと……という方は、小さなインレーから試してみるのもよいでしょう。
- Q予防面についてはどうですか?
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A
セラミックと金属の補綴物では、セラミックのほうが虫歯の再発リスクは低いといえるでしょう。というのも、金属の補綴物は歯との密着性が劣るため、唾液が少しずつ浸透して歯と金属を接着している溶剤を溶かし、そこに生じた隙間から菌が入り虫歯が再発する恐れがあるのです。しかし神経を取った歯の場合は再発になかなか気づけず、定期検診で見つかった時はかなり進行してしまっているケースが多く見受けられます。一方セラミックは表面がつるつるなので、接着剤の接合性が高いことから唾液や菌も入りにくく、二次カリエスになるリスクを抑えるのに役立つとされます。歯垢もつきにくく、歯周病のリスク低減に期待できる点もメリットの一つです。
- Q治療後に大切なことを教えてください。
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A
やはり毎日の歯磨きと、定期検診などのメンテナンスに尽きます。歯磨きのコツとしては、できれば歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを1日1回でいいので使っていただきたいです。寝ている間は唾液の量が減り、細菌も繁殖しやすくなりますから寝る前の使用が良いと思います。また、食いしばりの強い方や、せっかく入れたセラミックを長持ちさせたいという方には、歯を守るナイトガードもお勧めです。コストをかけてセラミックを入れたら、見た目の満足感からこの歯を守ろうという意識が高まり、メンテナンスも楽しくなると思います。美しい歯が患者さんの笑顔につながっていけばうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの詰め物/3万8500円 ~、オールセラミックのかぶせ物/11万円~、ジルコニアのかぶせ物/14万3000円円~、ラミネートべニア/11万円~、メタルボンド/8万8000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。