噛む機能の回復を図る
シミュレーションガイドのインプラント治療
入江歯科クリニック
(横浜市中区/山手駅)
最終更新日:2023/03/13
- 自由診療
失った歯の治療法として、入れ歯、ブリッジに加え、インプラント治療も有力な選択肢の一つだ。ただ、自由診療で自己負担額が大きく、手術が必要な点などで、治療をためらう人もいるかもしれない。そうした懸念に対し、20年以上の診療経験を持つ「入江歯科クリニック」の入江陽一院長は、「しっかり噛める機能の回復にはインプラント治療が非常に有用と考えています」と話す。「さらに近年は顎の部分の3Dデータをもとに、事前にシミュレーションしたとおりに手術を行うシステムも開発され、治療の精度や安全性は従来より向上しています」。同院では同システムのほか、抜歯後すぐのインプラント埋入法などにより、患者の体への負担を軽減する低侵襲治療をめざす。自身もインプラント治療経験済みという入江院長に、現在の治療について聞いた。
(取材日2022年11月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療のメリットを教えてください。
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A
失った歯や抜歯した歯の代わりに、人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋入して固定し、その上に人工歯を取りつけるのがインプラント治療です。同じ目的の治療法に入れ歯とブリッジがありますが、入れ歯は天然歯と同じようにしっかり噛んで食べる機能を回復させるのは難しいといわれています。また、ブリッジはある程度の噛み心地が期待できると考えられますが、治療のためには新たに入れる人工歯を支えるため両隣の歯を大きく削る必要があり、健康な歯を削ることや、削った後の歯に強い力がかかることには注意が必要です。一方インプラント治療は、天然歯と同じようにしっかりと噛むことが望め、見た目も自然な点などがメリットです。
- Qこちらのクリニックのインプラント治療の特徴は何ですか?
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A
患者さんの体への負担が少ない低侵襲な治療をめざして、事前にシミュレーションしたとおりに手術をガイドするシステムを導入し、また可能な限り抜歯即時埋入法を選択します。最初に歯科用CTで得たデータをもとに顎の骨を3D化して、インプラントを埋入すべき方向や深さを十分にシミュレーションして決定。さらにリアルタイムにガイドするナビゲーションシステムにより事前に決めた方向・深さのとおりに手術ができ、高い精度と安全性が期待できます。抜歯即時埋入法では、抜歯してできる穴の形を整えて、そこにインプラントを埋め込みます。歯茎を切開する必要がないので腫れや痛みが出にくく、従来のやり方より治療期間の短縮もめざせます。
- Q治療にかかる時間や費用について教えてください。
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A
治療期間は、抜歯即時埋入法で1本治療した場合は手術日から最短で2ヵ月半〜3ヵ月です。ガイドシステムにより、患者さんのご希望があれば初診日の治療も可能で、その場合はさらに1週間ほど短縮可能です。ただし治療箇所などによっては、もう少し時間が必要な症例もあります。従来のやり方では、抜歯後に2〜3ヵ月ほど傷の回復を待ってインプラント埋入手術を行い、その後に歯の型取りをして人工歯を装着するので、治療期間は半年程度かかっていました。費用に関しては当院の場合、どの歯においてもインプラントと取りつける人工歯を含んだ価格としています。また、サージカルガイドを使用する場合には、別途費用がかかります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングを受ける
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まずはカウンセリングで、治療する歯の状態について話し合う。失った歯を補う方法として、インプラントのほかにブリッジや入れ歯もあり、それぞれのメリットやデメリットの説明を受けた上で、次回の診察までにどれを選ぶのかを患者が判断する。同院では、先に入れ歯を入れてみて、問題がなければそのまま使用し、痛みや使い心地の悪さなど問題があれば、それからインプラント治療を検討するといった提案も行っている。
- 2精密検査を受け、歯科医師が治療計画を立てる
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インプラント治療が決まったら精密検査を受ける。エックス線やCTによる画像診断、歯型の採取などを行い、インプラントを埋入する場所の顎の骨や、歯茎、噛み合わせなどの状態を精査。歯科医師はそれらの結果をもとに治療計画を立てる。同時に、糖尿病や高血圧のコントロール不良、いわゆる血液をサラサラにする薬を飲んでいるかなど全身の健康状態も確認し、必要なときは医科の主治医と相談してからの治療判断になるそうだ。
- 3インプラントの埋入手術
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精密検査時のCT検査で得た顎の形をもとに、事前に3D画像上のシミュレーションでインプラントを埋入する適切な深さ・角度を決定。手術当日は麻酔後に抜歯し、抜いた穴の形を整えてインプラントを埋入する。手術時は、埋入に必要な穴を空けるドリルの位置をリアルタイムなナビゲーションシステムで調整することで、正確性と安全性にこだわった治療がめざせる。翌日の受診で消毒後、1ヵ月後と2ヵ月後の診察で状態を確認する。
- 4人工の歯をセットする
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インプラントと人工歯を結合させるアバットメントを取りつけ、人工歯を作るために歯型を採取。人工歯は1週間前後で完成し、受診して問題がなければセットする。その後は、1週間後と1ヵ月後に状態を確認。問題がなければ、インプラント治療自体は終了となる。しばらく歯がなかったところに歯が入ると、頬の内側や舌を噛みやすくなることがあるので、入れた人工歯が口の中になじんできているかのチェックも大切だそう。
- 5定期的な受診でメンテナンスを受ける
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治療後は、定期的に通院しメンテナンスとクリーニングを受ける。治療で入れたインプラントや周りの歯を長持ちさせるためには、歯を失ってしまった原因にも対処することが必要。虫歯や歯周病などが原因であれば、クリーニングを受ける間隔を短くしたり、ブラッシング指導を受けたりする。また、その原因が噛み合わせの悪さや歯ぎしり、食いしばりなどにある場合は、ナイトガード(夜用マウスピース)を使用するのが良いそうだ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(抜歯即時埋入法)/1本38万5000円(サージカルガイドを使用する場合41万8000円)