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酒井 淳 院長の独自取材記事

元町レディースクリニック

(横浜市中区/元町・中華街駅)

最終更新日:2023/10/11

酒井淳院長 元町レディースクリニック  main

みなとみらい線元町・中華街駅の4番出口からから徒歩1分。山下公園や横浜マリンタワーにほど近く、絶好の場所にある「元町レディースクリニック」は、ラグジュアリーホテルのような美しい内装が広がる医療モールの一角に位置する。院長の酒井淳先生は、国内の数々の病院やアメリカの研究機関などで研鑽を積んだ後、よりじっくりと患者と向き合える婦人科医療をめざし、2005年に同院を開業した。クリニックのコンセプトは「女性のQOL(生活の質)向上」。女性の健やかな暮らしに貢献し、より豊かな人生をサポートするため、地域の女性たちの悩みに真摯に向き合い続ける酒井先生に話を聞いた。

(取材日2022年11月10日)

月経の悩みを改善すべく適切な情報の普及に努める

昨今の女性の社会進出に伴い、月経困難症やPMSなどの悩みも広がっていると聞きます。

酒井淳院長 元町レディースクリニック 1

そうですね。出産後や更年期でも働き続ける女性は増えています。それ自体は素晴らしいことですが、仕事の重責や家庭との両立によるストレス過多が、ホルモンバランスの崩れによる月経困難症やPMS(月経前症候群)の増加につながっていると感じます。また、長引く新型コロナウイルス感染症の流行でストレス発散がうまくできず、生理前の落ち込みやイライラ、生理そのものが重くなってつらいと感じる方も少なくないでしょう。そうした悩みの解決策の一つに低用量ピルがあります。ですが、開業してから20年弱たつものの、日本での低用量ピルの普及はあまり進んでいないと感じますね。月経トラブルでつらい思いをされている方には、ぜひ低用量ピルの良さを知っていただきたいですね。

低用量ピルには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

女性の体内では排卵をきっかけに女性ホルモンの量が大きく変化し、月経困難症の症状はこの変動が影響しているとされています。また月経前の心身症状の一因にもホルモンの変動が関係しているのではと言われています。低用量ピルでは、排卵を抑制してホルモンの変動を鎮めることが期待できます。服用中は、排卵や子宮内膜が厚くなるのを抑えて痛みの物質の産生を減少させることが望めるため、結果として月経困難症の症状改善が期待できます。また月経前のホルモンの急激な変化もほとんどなく、PMS(月経前症候群)のイライラ、落ち込みなどの症状の原因にも影響をもたらすかもしれません。月経困難症では、服用した翌月の生理から変化が期待でき、短期間で効果につながりやすいのもメリットです。なお、低用量ピルは避妊目的では自費になりますが、月経困難症などと診断されると、保険適用の低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)となります。

低用量ピルの副作用が怖いという声もよく聞きます。どのような症状が出るのでしょうか?

たしかに副作用のイメージを持つ方もいらっしゃいますが、現在の低用量ピルは副作用が少ないものに変わっています。初期は、吐き気やめまい、頭痛や不正出血をされる方も一定数いらっしゃいます。そうした症状も続けていくことで気にならなくなることがほとんどですので、何年も月経トラブルで悩んでいるのであれば、まず試していただきたいですね。錠剤を1日1回飲むだけなので、無理なく続けられるのではと思います。低用量ピルをずっと服用し続けることで何か悪い影響が出ないかと心配される方もいらっしゃいますが、そういったケースもほとんどありません。逆に、卵巣がんや子宮体がんのリスクが下がることも期待できるといわれているため、メリットのほうが大きいといえるでしょう。ただ、わずかですが乳がんや子宮頸がんのリスクが上がるといわれることもあるため、当院では低用量ピルを服用している方に年1回の検診を受けていただくようにしています。

低用量ピルは更年期にもメリットがあるのでしょうか?

酒井淳院長 元町レディースクリニック 2

低用量ピル服用の年齢制限は50歳までです。そのため、更年期障害には漢方薬とホルモン補充療法を行っています。ホルモン補充療法で処方するものは、低用量ピルよりさらに低用量のホルモン剤になります。錠剤以外に肌に貼るパッチや塗り薬のタイプもあるので、生活スタイルに合わせてお好みのものを選べます。当院は幅広い年齢層の方にご利用いただいていますが、更年期の症状に苦しんで来院される方も少なくありません。ぜひ、人生のライフステージに応じて上手に活用していただきたいですね。

女性の健やかな人生のためにQOL向上をめざす

そもそも婦人科の医師を志されたきっかけは何だったのでしょうか。

酒井淳院長 元町レディースクリニック 3

父が国立病院で小児科の勤務医をしていたので、子どもの頃から医療を身近に感じて育ちました。家は病院近くの官舎だったのですが、夜中に看護師さんから電話がかかってくることも多いんですね。父はてきぱきと注射の指示などを出していて、そんな父の背中を見て自然と自分も医師をめざすようになりました。

中でも産婦人科の医師になろうと思われたのはなぜですか?

慶應義塾大学の医学部に入学し、6年間かけてすべての科を回っていく中で、一番心を動かされたのが産婦人科だったんです。人の生命の誕生に立ち会うという感動、これが大きかったですね。もちろんその分責任も大きくなるわけですが、命の誕生に携わるというのは、医療の中でも最もポジティブな科なのではないかと、産婦人科に進むことを決意しました。

開業の際に「女性のQOL向上」をポリシーにされた理由は何でしょうか。詳しくお聞かせください。

酒井淳院長 元町レディースクリニック 4

大規模病院に勤務しながらいつも残念に思っていたことがありました。それは、どうしても一人ひとりの患者さんに割く時間が短くなり、じっくりとお話を伺うことができないことです。産婦人科の医師を必要とするのは妊婦さんだけではなく、月経困難症や更年期障害という深刻な問題を抱える女性も多くいらっしゃいますよね。これらの病気は患者さんと二人三脚で、じっくり長期的に向き合うことが必要です。大規模病院にいる限りベストな診療は難しいのではないかという思いが年々強くなっていったんです。クリニックというかたちでこれらの疾患と向き合い、女性が日々の暮らしを快適に過ごせるように力を貸したいと思い、「女性のQOL(生活の質)の向上をめざす医院をつくろう」と決意しました。

ベテラン助産師も待機。安心できる体制づくりに注力

クリニックで患者さんと向き合うにあたり、どんなことを一番大切にされていますか?

酒井淳院長 元町レディースクリニック 5

当たり前のことですが、患者さんは皆さん一人ひとり違う女性です。このことにいつも心を配っています。同じ病気で、同じご説明をしても、「ああ、そうですか」と気楽に受け止めてくださる方もいらっしゃれば、とても深刻に受け止める方もいます。それぞれの受け止め方をよくキャッチして、その方に合ったお話の仕方をすること。そして一緒に、前向きに病気に取り組んでいくようにしています。また、婦人科に来ることを皆さんがためらわれるのは、内診があるからだと思います。そのお気持ちもよくわかりますから、当院ではいきなり内診ということはしません。内診をしなくても治療できるケースもありますし、必要な場合であっても、こちらに何回か通っていただいて、徐々に慣れていただいてからにしています。

スタッフの方や助産師さんの対応などで心がけていることは?

当院は助産師も含めてベテランのスタッフが多く、妊婦検診等で心配事があれば丁寧な説明を行うようにしています。また私自身も、診察の際には患者さんの体が今どのような状態なのか、パンフレットなどを使ってわかりやすく説明します。ホームページ上でも情報を掲載しているので、受診前後に確認していただくようにお願いしています。

月経トラブルや婦人科系の症状で悩む方へアドバイスをお願いします。

酒井淳院長 元町レディースクリニック 6

婦人科検診を定期的に受けるのはハードルが高いという方も少なくないと思います。ただ、不正出血や生理が普段と違う場合には、なるべく早く受診していただきたいです。皆さん、生理前や生理中は痛みが出ることは当たり前だと思い込んで我慢していらっしゃるんですね。そのため、検診時などに丁寧に問診すると何らかの不調を抱えていて、指摘されてやっとこれは病状だと自覚する方も少なくありません。それぐらい婦人科系の症状は自覚することが難しいんです。原因がわかれば低用量ピルや漢方などによる処方ができますし、体が楽になり日常生活も快適に過ごしていただけるようになっていくと思います。当院では子宮がん検査と超音波検査(エコー検査)をセットで行うので、子宮筋腫や子宮内膜症なども同時にチェックできます。まずはお気軽にご来院ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

低用量ピル/3000円
低用量ピル(ジェネリック)/2700円

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