デジタル歯科の利点を生かした
マウスピース型装置による矯正
中矢歯科医院
(伊予郡松前町/松前駅)
最終更新日:2023/12/14
- 自由診療
近年、3Dスキャナー技術の進歩などにより精密な歯型データを取得できるようになったことで、歯列矯正の選択肢の一つだったマウスピース型装置の精度が向上している。見た目を気にせずに矯正が行えるというメリットも手伝って、そのニーズは年々高まっているという。デジタル機器を積極的に導入し、より精度の高い治療で患者の負担軽減に努める「中矢歯科医院」は、国内でも数少ない3Dプリンターを有する歯科クリニック。院内に歯科技工士を配置し、3Dプリンターでマウスピースの作製まで手がけているが、それは患者にとってどのようなメリットがあるのか。同院ならではのマウスピース型装置による矯正について、中矢賢史院長に解説してもらった。
(取材日2022年9月14日)
目次
量産型3Dプリンターなどのデジタル機器を駆使した高精度のマウスピース型装置で、理想的な口元を叶える
- Qマウスピース型装置を用いた矯正にはどんな特徴がありますか?
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A
ワイヤーを使った矯正と比べると、口腔内を傷つける心配がありません。また装置を外して歯磨きができるので、口腔内を衛生的に保ち、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。当院では、三層構造のやわらかい素材で歯茎約2ミリまでを覆う、フィット感のあるマウスピース型装置を採用しています。食事と歯磨きの時間を除き、1日20時間以上使うものなので、装着感の良さは重要です。歯をしっかり捉えることで、矯正期間の短縮にもつなげていけます。さらに透明で目立ちにくく、接客業や人前でお話しされることが多い職業の方にもお勧めです。滑舌にもほとんど影響を与えず、ストレスなく続けられると思います。
- Q院内でマウスピースを作製することのメリットとは何ですか?
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A
本来、マウスピースは専門の業者へ発注するのが一般的ですが、院内で作製することで期間的にも費用的にも患者さんのご負担を軽減することができます。当院では3D口腔内スキャナーや歯科用3DCTを用いたデータの採取から顔写真の撮影、設計、作製までをトータルで行っています。データと顔写真を照合して設計を行うので、理想的な歯並びを実現できます。また、ステップごとにマウスピースを細分化できるのも院内生産のメリット。一度に大量の造形ができる量産型の3Dプリンターを導入しているので、進み具合に応じて、常に歯に適合したマウスピースを装着していただくことができます。
- Qデジタル化により矯正も受けやすくなっているのでしょうか。
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A
3D口腔内スキャナーや歯科用3DCTで精密なデータを取得できるようになったことが、マウスピース型装置の精度向上に大きく貢献しています。また、当院ではデジタル環境を生かしたフォローアップにも力を入れていて、患者さんのデータはクラウド上で管理し、患者さん自身がスマートフォンからデータにアクセスできる環境を整えています。ご自身で撮影した写真をクラウドに上げれば、担当の歯科医師らと共有できますし、チャット機能を使って相談もできるので、患者さんの通院の負担を減らしながら、経過をしっかりフォローしています。また、リテーナー(保定装置)が破損した場合も、院内の3Dプリンターで作製可能です。
- Q実際の診療の流れについて教えてください。
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A
初診ではカウンセリングや矯正に関する説明を行い、デジタル機器でさまざまなデータを取得。それをもとに患者さんに合った矯正プランと期間を提示し、めざすべきゴールを共有します。マウスピース型装置は2週間ほどで完成。装着する際には口腔内のクリーニングや装着方法の指導なども行います。装置の交換は約1週間ごとですが、加速装置を使えば3日ごとの交換も可能です。個人差はありますが、通院は2~3ヵ月に1回程度なので、忙しい方も無理なく続けられるでしょう。矯正終了後、一定期間はリテーナー(保定装置)を装着して後戻りを防ぎます。歯の状態にもよりますが、最低1年間は装着するようお勧めしています。
- Qこの矯正を受けるにあたり、注意すべきことを教えてください。
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A
歯を効率的に動かすためには、1日20時間以上、食事や歯磨きの時以外は毎日着けていただかなくてはなりません。当院では、初診のカウンセリングでこの点も含め、ワイヤー矯正との違いやメリット・デメリット、リスクなどもご説明した上で、患者さんに選択していただいています。また3Dプリンターで作製するマウスピースの特徴として、温度変化によってやわらかくなる、ワイヤーのように元の形に戻ろうとするという機能がありますので、口の中にお湯を含むとマウスピースがやわらかくなって着脱がしやすくなります。煮沸消毒できるものもありますので、清潔にマウスピース矯正をしたいという人のニーズにもお応えしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を使った矯正/8回 21万円~、初回診察料/8000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。