治療精度の向上を追求
サージカルガイドを用いたインプラント治療
中矢歯科医院
(伊予郡松前町/松前駅)
最終更新日:2024/06/06


- 自由診療
見た目や噛み心地の良さが望める点が特徴に挙げられるインプラント治療。治療後、バランス良く噛める口元を実現するためには、治療精度が求められる。加えて治療では外科処置を伴うため、恐怖心などから二の足を踏む人は少なくない。一方で、近年は歯科医療におけるデジタル技術の進歩がめざましく、理想的な治療を安全に行うことをめざすツールも登場している。「サージカルガイド」はその一つで、患者の口腔内や噛み合わせのバランスを考慮した、適切なインプラント埋入位置や角度、深さを治療で再現するために活用できるという。今回はインプラント治療を専門的に学んできた「中矢歯科医院」の中矢賢史院長に、サージカルガイドを用いる利点、実際の治療の流れを解説してもらった。
(取材日2024年4月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q近年におけるインプラント治療の新しい動きを教えてください。
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A
歯科全体でデジタル化が進んでおり、治療精度が非常に向上していると感じます。インプラント治療においてもデジタル技術を取り入れることで、精度の高さを追求した治療が可能となっています。例えば、インプラント体を埋入する際、顎の骨周辺にある血管や神経を傷つけることがないように細心の注意を払う必要がありますが、歯科用CTの登場で血管、神経の状態を詳細に把握しやすくなりました。歯型の採取も口腔内3Dスキャナーを活用することで、簡便に精密な3Dデータの採取が可能となっています。最近ではCT画像と歯型の3Dデータをもとにマウスピース型のサージカルガイドを作製し、手術で活用するケースも増えています。
- Qサージカルガイドを用いたインプラント治療とは?
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A
サージカルガイドとは、インプラント体の埋入を補助する装置で、適切なインプラント体の埋入位置や角度、深さの実現をめざす上で役立つものです。埋入位置や角度、深さの理想形は患者さんごとに異なり、ほんの少しのずれが治療に大きく影響するともいわれています。当院ではより精度の高いサージカルガイドを作製するため、金属除去機能を搭載した歯科用CTを導入。CTと口腔内スキャナーから得られたデータをもとに、インプラントの埋込位置や埋込方向をガイドするプレートであるサージカルステントを寸分の狂いもなく設計することを追求し、3Dプリンターを用いて院内で作製までを完結させています。
- Q院内で作製を行うことのメリットは何ですか?
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A
2人の歯科技工士が勤務する当院では、インプラントもかぶせ物も、すべてを院内で作製しています。ジルコニアを削るマシンも導入し、どんな形状のかぶせ物も院内で作製できるように体制を整えています。そのメリットはまずコスト面。外部に発注する分のコストをカットすることが可能です。また、すべて院内で完結することにより、保証期間を長く設けていることも当院の特徴。インプラントは10年保証、かぶせ物は5年保証を実現しました。何より、歯科技工士と直接話ができることは、患者さんにとっての大きなメリットではないでしょうか。色や形などの審美面も考慮し、一人ひとりの想いに寄り添ったご提案に努めています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診とデジタルスキャナーで歯科用CT検査を実施
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患者が事前に記入した問診票の内容をもとに、歯科医師が全身の健康状態、既往歴などを確認。口腔内診査とデジタルスキャナーでの撮影が行われ、歯科用CTで顎周りの3D画像を撮影し、神経や血管の位置、骨量や骨質などの情報を確認する。初回のカウンセリングおよび検査にかかる時間は1時間程度で、得られた情報をもとに、治療計画が設計されていく。顎の骨がやせている場合は骨移植や骨造成を検討するそうだ。
- 2治療計画や治療の流れ、注意点などの説明を受ける
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デジタル化したデータを歯科医師と一緒に見ながら口腔内の現状と、治療計画の解説を受ける。併せて治療費用や治療期間、手術前後の日常生活における注意点などが詳しく説明されるので、疑問点があれば積極的に質問を。
- 3サージカルガイド作製のため歯列の3Dデータを採取
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口腔内3Dスキャナーで口腔内を撮影し、歯型の3Dデータを採取。CT画像と歯型の3Dデータをもとに、歯科医師と歯科技工士が連携しながらサージカルガイドを作製する。同院では高精度にこだわったサージカルガイドを短期間のうちに作るため、3Dプリンターを用いて成形。細かな調整も院内で歯科技工士が適宜対応するという。
- 4サージカルガイドを用いてインプラント手術が行われる
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同院では静脈内鎮静法を用いた手術を行っており、眠ったようなリラックスした状態で手術を受けることができる。全身状態の変化にもすぐさま気づけるように、手術中は血圧や心拍数をモニタリングしている。埋入から1ヵ月~1ヵ月半後、インプラント体と顎の骨の結合を専用装置で確認して、人工歯の装着に進む。
- 5治療後は定期メンテナンスで状態の維持をめざす
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治療の持ちを良くするため、人工歯を装着した後は3ヵ月から半年を目安にメンテナンスを行い、トラブルの予防に努める。メンテナンスでは口腔内全体のケアなどが行われ、セルフケアのアドバイスも受けられる。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(サージカルガイド作製費用含む)/30万円~、骨造成・骨移植/5万円、静脈内鎮静法/5万円、ジルコニアクラウン/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。