働き世代にも実は多い不整脈
循環器内科で早めの受診を
うめだクリニック
(茨木市/茨木市駅)
最終更新日:2025/01/15


- 保険診療
痛みや悩みを抱えてクリニックを受診したとき、医師の「大丈夫ですよ」の一言に肩の荷が降りたような安心感を覚えた。あるいは、熱心に話を聞いてもらい、ストレスが解消できたという経験はないだろうか? 一般的になじみのない病気や深刻なイメージのある疾患ならなおさら、患者の話をしっかり受け止めてくれる地域のクリニックの懐の深さがありがたいだろう。「うめだクリニック」の梅田達也院長は循環器内科が専門で、不整脈を中心に大学病院などで専門的な医療に携わってきた医師。高い専門性を持つ一方で、「優しい医療」を大切にしていて、患者の不安を軽減するような診療に努めている。梅田院長に、高齢化に伴い増加している不整脈について、その特徴や知っておきたい情報を教えてもらった。
(取材日2024年5月23日)
目次
地域のクリニックの良さを生かして、不整脈の患者を理解し、寄り添う診療の実践を
- Q不整脈とはどのような病気なのでしょうか?
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A
▲不整脈に関して専門的な知識を持つ院長が診療を行う
心臓病の一つで心臓のリズムが一定でなくなる病気です。自覚症状がないこともありますが、動悸や胸の苦しみといった症状が現れる人もいます。徐々にメカニズムは判明してきましたが、はっきりした原因がわかっていない場合もあります。発症年齢は幅広く、子どもさんや若い人にも見られますが、一般的には高齢者に多い病気で、加齢も1つの要因と考えられています。また、高血圧や他の病気などで心臓に負担がかかり、その結果として不整脈が引き起こされることもあります。軽症であることが多いのですが、時には、心臓の機能が低下して心不全を発症したり、心房細動といわれる不整脈が脳梗塞の原因になることもあります。
- Q受診の目安を教えてください。
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A
▲「おかしい」と感じたらすぐ対応可能な医療機関での受診を
動悸や胸の苦しみ、不快感といった症状を自覚した場合や自覚症状などがなくても健診で異常などを指摘された場合には受診を考えてみてください。自覚症状が乏しい場合もありますが、重症度とは一致しない場合があります。大切なのは、診察を受けて大丈夫かどうかを確かにすることです。不整脈など心臓の病気は、わずかな時間の経過がその後の人生に影響を及ぼすことも少なくありません。「おかしいかな」と感じたらすぐ対応可能な医療機関を受診してください。
- Qどのような検査を行いますか?
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A
▲心電図の検査時に必ずしも現れるとは限らない「不整脈」
不整脈は画像検査では判断できないので、症状の有無を確認するために心電図を取ります。しかし、心電図の検査の際に、必ず不整脈が現れるとは限りません。むしろ、検査中に見つからないことのほうが多いです。このため、「異常がありません」と判断されてしまうこともあります。特に自覚症状を経験して受診した患者さんにとっては、異常なしと言われ、不安を抱えておられる方の場合は、他の医療機関を再受診される方が多いのが現状でしょう。当院では、再受診の患者さんにもきちんと検査を行い、なぜ症状が現れないのかといった病気の特徴などをしっかりお伝えするようにしています。
- Q治療についても教えてください。
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A
▲一人ひとりに合わせた治療計画で進められる
不整脈の頻度は、週に1回という方もいれば年に2〜3回という方もいて、個人差が大きいのが特徴です。このため患者さんの状態をしっかり把握して、治療が必要かどうかを判断します。高齢の患者さんで脳梗塞につながる心房細動が見られる場合は、リスクをお伝えした上で脳梗塞が起こりにくくするための薬などを処方。専門病院などをご紹介して手術を受けていただくことも可能です。経過観察のみで特に治療が必要ない場合もみられます。受診頻度は患者さんの状態や要望に合わせ、不安な方はこまめに受診していただいています。
- Q症状が軽くても、気軽に受診してもいいのですか?
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A
▲早い段階で治療や生活改善に取り組めば、病気の予防にもつながる
はい、大丈夫です。不快な症状を我慢される方も少なくないですが、受診をためらう必要はまったくありません。背中や足の痛みといった、循環器とは関係ないと思われるような不調が、実は循環器疾患の症状だったというケースもあり得ます。診療の結果、問題なければそれで安心もできますし、病気が見つかった場合はなおさらです。当院の場合、不整脈のみではなく、高血圧症や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病や一般内科で通っておられる方も少なくありません。超高齢社会となり加齢に伴う病気に対する取り組みが求められる今、働き世代など早い段階から治療や生活改善に取り組めば、高齢者に多い病気の予防にもつながると思います。