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森下 雅三 院長の独自取材記事

モリシタ歯科医院

(大阪市天王寺区/桃谷駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪市営地下鉄谷町線の四天王寺夕陽丘駅から徒歩10分、JR環状線桃谷駅、近鉄大阪線上本町駅からバスで「大阪警察病院」停留所下車すぐのところにある、「モリシタ歯科医院」。道路沿いに面したエントランスから診療スペースまで、やわらかい日差しに包まれる心地よい空間では、スタッフたちもとても明るく親切に迎えてくれる。院長である森下先生は、昭和大学歯学部で、部分床義歯学を学び、現在も入れ歯を第一とした治療を進めている。一方で、小学校校医も務めており、子どもの予防歯科にも尽力している。地元密着で、訪問診療にもあたっている森下院長に、これからの地域医療や診療方針について、詳しく話を聞いた。
(取材日2017年6月10日)

総入れ歯で苦しんでいた父をみて、歯科医師の道へ

どのような患者さんが多いのでしょうか。

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近くの大阪市立五条小学校で校医をしているのでお子さんが多いですが、大学で義歯(入れ歯)を専門としていましたので、近隣の病院・医院からの紹介もあり、高齢者の方もよく通われています。私は生まれが生野区で、昭和大学卒業後に同大学の部分床義歯学講座に入局し、5年ほど勤務いたしました。この地域には、15年ほど住んでいます。

医療の道に進もうと思われたきっかけはなんですか?

父の通院に付き添っていたことが非常に大きいと思います。医師や歯科医師に接することも多く、医療の仕事に携わりたいと考えていました。父が同年代の親御さんに比べるとやや高齢だったこともあり苦労していたので、早く父の役に立てるようにという気持ちが強かったです。私は9人兄弟の末っ子で、幼少時は家業の飲食業を継ぐつもりでいましたが、お客さんへ少し多めに料理を出したりとサービス精神が旺盛で、親から「飲食業に向いていない」と言われました(笑)。また、高齢の常連の方が「歯の調子が悪い」と言うのを耳にしたこと、何より、父が総入れ歯でとても苦しんでいたので歯科医師になろうと決断しました。

入学時から義歯(入れ歯)の分野にと決められていたんですか?

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そうですね。父のような患者さんを助けたいという気持ちが強く、入学前から義歯学に進もうと考えていました。歯が残っている方が対象の部分床義歯学に進みましたが、なぜか総入れ歯の患者さんが多く、これも父が総入れ歯に苦しんでいたことと何か縁があるのではと思います。大学では毎日睡眠4時間程で診察や研究に没頭していましたが、患者さんの「食べることができてうれしい」と喜ぶ顔が励みになり、苦労だとは感じませんでしたね。

患者の生活や状態に合わせ、オーダーメイドの治療を

インプラントの普及が進む中、入れ歯の良さはどういうところにありますか?

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一番のメリットは、介護を受ける際にメンテナンスが容易だということです。あとは患者さんの肉体的、費用的負担の軽減です。インプラントで発生する手術、麻酔といった負担をかけなくて済みます。入れ歯は保険適用内で対応できますので、その分、美味しいものを食べたり、旅行に行ったりと、日々の生活を充実させることも、健康に繋がる重要な要素だと思うんです。入れ歯の方がインプラントの相談にいらっしゃっても、「入れ歯を続けられないか、もう一度作やらせてください」とお伝えします。どうしても諦めなければいけない状態・症状もありますが、当院では義歯を調整したり、作製し直して約半数の方が入れ歯の使用を継続しています。もちろん、インプラントの方が適している方、強く望まれる方もいますが、メリット、デメリットを必ずご説明してから提案するようにしています。

歯の状態だけでは判断できないんですね。

一つ一つの治療がオーダーメイドでなければいけないと考えています。現在の生活スタイルや、持病がある方、今後のライフプランなどに合わせて、適した治療を都度行っていく必要があります。患者さんが5年後、10年後に困らないように、先を見据えた治療を行っていくことはとても重要です。体の変化とともに、歯の変化もあるので、「入れ歯だから仕方がない」のではなく「入れ歯だけど、ここまで食べられる」という状態をめざします。入れ歯は予防でもあります。食べて栄養を摂取するための予防だと考えています。

お子さんの治療で気をつけていることはありますか?

子どもたちに歯医者を嫌いになってほしくない、好きになってほしいです。そのために、よほどのことでなければ麻酔は行わないようにしていますし、押さえつけたり、無理矢理言い聞かせて治療することはしません。乳歯の抜歯も子どもが気づかないよう、おしゃべりして、遊びながらやっていくようにしています。時間はかかりますが根気強く待てば、子どもは理解してくれます。そうすると自ら歯ブラシを持ち、歯みがきに興味を持ってくれる。自発的に歯の健康を守れる子になってほしいです。症状がないと、歯科医師は、検診やチェックなどで年に2,3回しか接することがありません。なので、自分でケアできるように促していくようにしています。また、治療中に安心するように、抱いてもらうための人形を置いています。患者さんから、何かを抱いていると安心するとアドバイスされたことがきっかけでした。

子ども時代からの予防にも尽力されているそうですね。

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今の子どもたちが40歳、50歳になったとき、私たちは引退しているかもしれません。その時に、子どもたち自身が困らないように、将来治療にあたる歯科医師や医師が困らないように、そして歯が原因で全身状態に影響しないよう、先々のことを考えた予防の啓発や処置を行っていきたいんです。口腔環境を整えていくため、歯の矯正も予防の一つだと考えています。また、どういう日常生活を送ればいいかに加え、食事の内容など食育の指導に力を入れていきたいです。

歯科医師を健康のための入り口に使ってもらいたい

訪問診療で診ている患者さんは多いのでしょうか。

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開院当初より、訪問診療にも力を入れております。脳疾患などで意識がない患者さんも、口内環境を良くしておくことは、誤嚥性肺炎などの予防にもとても大切です。また、口の中を刺激することで、脳にも良い刺激となると言われていますので、リハビリの一環として、意識を取り戻してもらえる一助となるよう努めています。週に1度しか訪問していない私たちだからこそ、患者さんの体調や表情などの変化に気づくこともあり、その都度看護師さんに伝えています。

地域医療に大切なことはどういうことですか。

一番身近なホームドクターになりたいと思っています。歯科というのは把握できる患者さんの情報がとても多いのです。治療や待ち時間含めて、患者さんと接している時間がとても長く、体のどこが痛い、不調だなど打ち明けられるんですね。内容によっては、連携している内科や小児科などの医師に紹介もします。体の状態を良くするには、歯科も医科も関係ないです。また、歯科と歯科の連携も大事なんです。患者さんの要望している治療法を当院で行っていない場合は、他の歯科医院を紹介します。私は、歯だけを診る地域医療は望んでいません。大きな病院からクリニックまで、医師や看護師など医療や介護に携わるスタッフ全員と提携してこそ地域医療は成り立つと考えています。

今後の方針などをお聞かせください。

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桃谷さくら医院を開院したのも、患者さんの足が悪くなり、通うことが難しくなったことが発端で、開院しました。両院の医師やスタッフとは10年以上、志を同じくしてやってきています。人生を全うするまでにどれだけ笑ってもらえるか、何回心からの笑顔が出てくるか。そのためには、一生懸命、医療の限界までやらないといけない。背伸びはしないが、背を伸ばす努力をしていきます。当院では年々、患者さんの治療費や自由診療の割合が減っています。これは歯を削らなければいけない患者さんが減っているからで、良い口腔環境が保てている証拠だと、歯科医師として励みになります。どの患者さんにも自分の親・兄弟を治療するのと同様に接しています。この歯科医院は患者さんが育ててくれたと思っているので、これからも患者さんと一緒に成長していきたいですね。

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