高齢化社会における問題は山積み
健康管理のこれから
薬院内科循環器クリニック
(福岡市中央区/薬院駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
日本の心不全患者数はとても多いとされているが、その数は超高齢社会により2035年までさらに増加し、病院は入院が必要な心不全患者であふれ、これまでの病院完結型医療では受け止めきれなくなる事態が予測されるという。そんな来るべき問題に備え、医療の流れは病気と共存しながら地域で生活する地域完結型医療へと動き出している。その構築に早くから取り組んでいるのが「薬院内科循環器クリニック」の村岡聡一院長だ。ますます介護や医療へのニーズが高まる中、新型コロナウイルス感染症では個人の健康管理の問題が話題となった。それらの問題解決に向けて取り組む村岡先生に、現在の医療における課題や新たな取り組みへの構想について語ってもらった。
(取材日2020年6月15日)
目次
医療におけるさまざまな課題。その解決をめざした取り組み
- Q今、日本の医療における課題はどのようなことがあるのでしょう。
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A
▲現在の医療における自己管理の大切さを徹底解説
高齢の方が増えて情報の可視化が必要とされていく中、まず、少ない医療費と少ないマンパワーで多くの人たちを支えていかないといけなくなるという課題があります。そして、ヘルスケアというのを他人任せにするのではなく、自分自身で管理することも必要になってくるとも感じています。普段、当院の外来で患者さんを診ている中でも、健康に関しての意識があまり高くない方の場合、ご自身の病気のことについてもよく知らなかったり、過去にかかった病気も覚えておられなかったりすることもあるので、そのようなことも含めて、無駄なく適切な医療が受けられるように医療の情報化が必要になってくると思います。
- Qでは、医療現場の課題はどういったことがあると思われますか?
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A
▲患者一人ひとりと向き合いアドバイスをしてくれる
これから先、医療現場も大きく変わっていくと思いますね。例えば、患者さんと医師の関わり方も今までのような形ではなくなると思います。新型コロナウイルス感染症の流行を機に遠隔診療の必要が出てきましたからね。ですので、これまでのような外来診療中心では、おそらく10年後は通用していけないのではと思っています。医師の働き方も大きく変わってくることが予想されますので、そういう課題もありますよね。急増する心不全の患者さんのことにしても、どこでどうやって診ていくかという議論が十分にできていないとも思いますし、日本における医療そのものの大きな変革をしないと実現していかないことが多いことも危惧しています。
- Qそれに対して先生が取り組んでいるものがあれば教えてください。
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A
▲より良い医療を提供するために、スマホアプリの開発を開始
はい。これから先、世界的に人口もどんどん増えていきますし、医療のニーズも高まっていくと思うんですね。現在、世界中にいろんな医療制度や福祉制度がありますが、特に東アジアの国々は今後すごく成長していきますし、全世界の人が良いヘルスケアを受けられることが大事だと思っているんです。日本だけではなく世界中の人たちがヘルスケアというのをより身近に感じ、より正確な、より良い医療を享受できるようなスマホアプリのようなツールがあればと考えています。そのような考えに至ったのは、外来診療や訪問診療での経験がきっかけなんです。
- Qそのきっかけについて詳しく教えてください。
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A
▲自身の情報を一括管理することの大切さ
当院の外来に来られた方が他院で受けた検診結果をなくして持っていないということや、他院で採血したデータがないため再度採血しなければならないことが往々にしてあります。前回検査したデータがあれば、しなくても良い検査も多いと感じています。例えば、スマホで写真を撮っていれば、そのデータを見せてもらうことができますよね。さらに患者さんがどんな食生活をしているか共有できるツールがあればそれを元に医師が指導もできますし、糖質制限、あるいは脂質制限が良いのかなども患者さん自身も理解できれば便利でしょう。血圧の推移なども見られるなど、そんな外来診療を助けてくれるツールを当院で用意したいと思いました。
- Q具体的な構想についても教えてください。
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A
▲情報共有だけでなく、記録としても使うことが可能
例えば、訪問診療の時はさまざまな専門の医師、看護師、介護士など、いろんな職種の人が連携して一人の患者さんを診ていきますので、それぞれの情報をアプリに集めて共有し合えるようにする。何かあれば写真を送ってもらい指示を出すこともできますよね。訪問と外来と両方で使えるアプリがあれば、われわれも診療がしやすくなるし、他の機関を紹介する場合もアプリで医師が患者さんのことを把握することができます。また、大切な方がお亡くなりになった場合、元気な頃から闘病までの記録を残したり、アルバム機能をもたせたりして、最終的にはアプリの中で大切な方がずっと生き続けるようなものになったらと思っています。