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村岡 聡一 院長の独自取材記事

薬院内科循環器クリニック

(福岡市中央区/薬院駅)

最終更新日:2020/06/30

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超高齢社会に突入し、急激な増加が予想されている高齢者の心不全患者。その心不全パンデミックに備えた対策はまだ始まったばかり。そんな中、薬院駅のそばにある「薬院内科循環器クリニック」の村岡聡一院長は、地域社会の中で病気と共存しながら生活する患者を診ていく「地域完結型医療」の構築をめざし、日々まい進している。チーム体制で行う診療では、循環器疾患を軸に、さまざまな病気の予防から治療、回復、看取りまでカバー。複数の医師・看護師・事務スタッフの連携も抜かりなく、多くの患者からかかりつけ医として頼りにされている。壁に飾られたぬくもりのある絵は、患者の家族が描いたもの。そんなホームドクターとして地域住民に親しまれている村岡院長に、医療にかける熱い情熱と思いを聞いた。
(取材日2020年5月18日)

循環器疾患を軸に、地域医療にも取り組む

まずは医師を志したきっかけと、薬院で開業された理由から教えてください。

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きっかけは、子どもの頃に地域医療をしている叔父の姿を見て、憧れを抱いたのが最初ですね。叔父から地域医療についての話も聞いたりしていたので、その頃からすでに医師になって開業したいと思っていました。場所については、薬院で育ったので、この土地は小さな頃からずっと生活してきた場所なんです。ここは駅のすぐそばなので、立地も良いですしね。開業したのは10年前になりますが、当時は35歳で若さとエネルギーがありましたので、最初は24時間365日体制を一人でやっていたんですよ。ですが、患者さんの数が増えてきたので、すぐに常勤医師の数も増やして、わりと早い段階で今のようなチーム体制で取り組むようになりましたね。

村岡先生の専門分野は循環器疾患とお聞きしました。

専門は循環器で、糖尿病・高血圧症・高脂血症などの慢性疾患から、動脈硬化・心不全という症状を抱えている患者さんを診ています。胸の痛みを感じたり、動悸が激しいといった理由や、足が冷える、目がかすむといった理由から来院される患者さんが多くいらっしゃいますね。もちろん循環器が専門ですが、どのような症状の症状の患者さんでも診ることが可能です。「どこのに相談したらいいのかわからない」という患者さんの初期診断ももちろん受けています。診断後に「診断をしてもらって安心した」と言っていただけるのは嬉しい限りですね。通常の診断の中でも、気づかず進行するといわれている循環器疾患の可能性はないかと広い視野で診断をすることができるので、何か少しでも気になることがあったら相談にきていただければと思います。

循環器疾患を軸に、外来だけでなく訪問診療といった地域医療にも取り組まれているわけですね。

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外来通院が困難になった患者さんやがん患者さんのお看取り、医療的ケア児のご自宅で療養できるよう訪問診療にも力を入れています。あらかじめ訪問日や診療の計画を決め、定期的にご自宅を訪問して診察をおこなっています。訪問診療を行う際には、どうしてもオールマイティーに診ることが必要になってきますので、一人の患者さんをさまざまな専門分野の医師が診ることを在宅医療でもできるよう、診療内容を手厚くしていくのも大事だと考えています。地域完結型医療の考えを広め、今まさに実績をつくりながら取り組んでいるところですね。

医療の流れは病院完結型医療から地域完結型医療へ

クリニックの概要や特徴についてお聞かせいただけますか?

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駅のそばという場所柄、お勤めされている患者さんも多くいますので、その方たちの普段の健康管理にも対応するほか、近隣にお住まいの方たちに関してはかかりつけ医として診療にあたっています。循環器でいうと、心不全パンデミックといって、今後心不全の患者さんが大幅に増加すると言われており、病院完結型医療では対応しきれなくなってくるでしょう。そこで私たちは「地域の中で生活する心不全患者さんをどう診ていくか」という地域完結型医療を重要視しています。あと、日本では末期がんの緩和ケアはわりと進んでいますが、今注目されているのが心不全の緩和ケア。まだ始まったばかりの領域ですが、当院ではすでに取り組んでいて、その分野を勉強したいという先生方が研修に来られることもあります。このような点も当院の特徴ですね。

では、先生が診療において、特に心がけておられることは何でしょうか。

患者さんやそのご家族の立場に立って診療することです。医学的、科学的には医療者側の考えのほうが正しくても、患者さんやそのご家族はそれとは違う視点の考えを持たれていることがあります。そこをまず考えてから、医学的なアドバイスをするよう心がけていますね。必ずしも医学的に正しいことを押しつけるのではなくて、相手の考えをいったん咀嚼すること。もちろん、導きが必要なときもあるのですが、患者さんが何を求めているのか理解することを第一に心がけていますね。末期のがん患者さんの場合、ご本人よりもご家族のほうがうつ病になる確率が高いともいわれていますので、訪問診療の場合は特にご家族にも気を配って診ていくことも大事にしています。

外来でも在宅でも、住み慣れた街で療養することで自分らしく生きられるということですね。

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医療の流れ的に、病院完結型医療から地域完結型医療へと変わってきていますから、これから先は、地域社会で生活していきながら、療養も継続していくかたちを取られる患者さんが増えていくと思います。最近は特に、「かけがえのない時間は少しでも有意義に過ごしたい」と願う患者さんが多く、最期は家で療養したいと思われる方が増えてきているようです。そういった患者さんのニーズがある反面、在宅医療について知らない方もまだたくさんおられますので、そういった方たちにも情報としてもっと浸透していくよう取り組んでいきたいと思っています。

適切な時に、適切な場所で、適切な医療を

ご家族のご協力が必要なケースも多いのではないでしょうか。

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ある意味、患者さんよりもご家族のほうが大変な部分がありますからね。療養を支えておられるご家族の負担がどうしても大きくなるので、いかにその方たちの負担を減らしながら、患者さんが住み慣れた家で良い時間を過ごせるかが重要になります。ですので、どなたにも在宅医療が向いているかというと、決してそうではありません。逆に支えてくれるご家族がいなくても最期まで一人で自宅で過ごされる方もおられます。また、病院で過ごしながら、自宅で過ごしたいときは自宅でというケースもあるので、患者さん、そのご家族、そしてわれわれがしっかりとコミュニケーションを取り、患者さんとそのご家族にとって一番適切な時に、適切な場所で、適切な医療をしていきたいと思っています。

人生の最終地点に向かうにあたり、アドバイスするとしたらどのようなことでしょう。

日頃から重いテーマとしてではなく、「どんなふうに最期まで生きていくか」ということを、日常会話の中でご家族と話すことが大事だと思います。親しい方がお亡くなりになられたときに、何が後悔のポイントになるかというと、たくさんコミュニケーションを取っておけば良かったという点なんですね。ですので、ターミナルケアの患者さんやそのご家族に対して「ちゃんとコミュニケーションは取れていますか?」と、必ず確認しています。若い頃からたくさん会話ができるのが一番ですが、健康な時はご夫婦でもなかなか難しい部分もあるでしょうから。最期の瞬間を迎えられる時に、ようやく今までの思い出を話したりできるご家族も多いんですね。また、一人暮らしのご高齢の方も地域の方やご家族など、誰かしら頼れる方がおられると思いますので、コミュニケーションを取ることを大事にしてほしいです。

では、最後に今後の展望についてお聞かせください。

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今後地域社会の中で患者さんがどのように自分の生活や、健康を守っていくかがより大事になっていくと思います。そういったことから、実は今、アプリケーションの開発を行っているんですよ。健康管理がある程度自分でできて、必要な場合は医療者側からサポートが入ってくる、というシステムなのですが、こうしたシステムが世界中に広がっていけば良いなと思っています。新しいことをやっていきたいというのは常にありますので、積極的に取り組んでいきたいですね。

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