生活習慣病や認知症など幅広く対応
漢方処方なども行う外来診療
栄エンゼルクリニック
(名古屋市中区/矢場町駅)
最終更新日:2024/11/15


- 保険診療
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発熱や腹痛などの体調不良、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患など、入院せずに診療を受ける外来診療。例えば高齢者の場合、複数の臓器に障害が現れてくる人も多い。物忘れなどの認知機能障害の頻度が高くなってくる。このような人は、各臓器に広く精通した医師の診療を受けることが大切だ。この分野を担う老年内科は、高齢者の健康の悩みについて幅広く相談できる診療科である。「栄エンゼルクリニック」の中村了(あきら)副院長は、この老年内科の分野とともに、漢方医学や生活習慣病に造詣が深く、若者から高齢者までさまざまな悩みを抱える患者のよりどころとなっている。「当院の外来で行うほぼすべての診療は、医療保険の対象です。よろず相談所としてご活用ください」と語る中村副院長に、同院の外来診療の特徴や治療の流れについて話を聞いた。
(取材日2024年9月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらのクリニックの外来診療の特徴について教えてください。
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A
異なる専門分野を持つ3人の医師が役割分担し、幅広く対応するのが特徴です。健診にも注力していますので、健診で異常を指摘された方の「精密検査」を含む「二次検査」にも対応します。ただ、一般的な健診の弱点は、各検査項目を個別に判定する点です。例えば、尿タンパクが「プラスマイナス」ならば通常B判定で、特に問題ないという所見になるのですが、高血圧症や糖尿病の方にとっては透析に向かう第一歩とも考えられ、本来はCかD判定になるはずです。同じ数値でも、持病の有無や性別や年齢によってもリスクは変化します。つまり、単に数値を見るだけでなく、全人的判断をする必要がある。この部分を当院では外来診療で補っています。
- Q老年内科、生活習慣病とともに、漢方内科も対応されていますね。
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A
医療の始まりは、人間が動物のように草や葉や根を食べて、さまざまなつらい症状を和らげていたことと推察されます。その後、各植物や鉱物などの組み合わせが発展して漢方薬が生まれました。西洋医学では病気を治して寿命を延ばすことが重視されましたが、ときに行きすぎた治療により、かえって生活の質を損なってしまうケースも報告されました。そこで、現在では年齢や治療開始前の生活活動度を考慮し、最小限の治療にとどめて症状緩和に重点を置く選択肢も示されるようになりました。西洋医学と東洋医学にはそれぞれ良さがあり、私は両者を組み合わせ、日本人の死因や寝たきり原因となる生活習慣病の改善、各種のつらい症状緩和に努めています。
- Q具体的にはどのような診療を行うのですか?
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A
苦痛の緩和、寝たきり予防、健康寿命の延伸の3つをポイントとしています。苦痛の緩和は漢方薬を含めたさまざまな方法を用います。粉薬や錠剤だけでなく、煎じ薬も使用します。寝たきり予防と健康寿命の延伸は、主な原因となる生活習慣の是正を強く意識した診療を行っています。緩やかに炭水化物をカットする「ローカーボ食」を基本とする食事指導を行い、頸動脈エコーや脈波検査などで動脈硬化の状態をモニターして、身体にどれだけの影響が出ているのかを観察し管理します。また、がんに関しては人間ドックや健康診断で早期発見・早期治療をめざします。当院は健診センターを併設していますので、積極的に活用いただきたいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1受付・問診
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まずは受付でスタッフへ症状などを伝える。症状や希望に合わせ、各種問診票に記入。発熱している人は通常の入り口と異なる動線で感染者専用室へ誘導される。問診ではどのような悩みや症状があって、どうしてほしいのか要望を医師に伝える。「原因が知りたい」「とにかく症状を抑えてほしい」など、希望する治療のイメージを持っておくと診療がスムーズになる。もちろん、緊急を要する場合は、医師が適切な治療法を迅速に提案する。
- 2問診後は必要に応じて検査を受ける
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問診の結果、必要に応じて血液検査や尿検査、エックス線検査や心電図を実施する。また同院ではその他、MRI、CT、ハイビジョン消化器内視鏡、超音波検査装置など総合病院レベルの高度で幅広い分野の医療機器を導入しており、各種専門検査を受けることも可能。一般的にMRIなどは予約から検査までに数週間かかることも多いが、同院では当日や翌日に受けられるケースがほとんどだ。
- 3検査結果から必要な際には専門医療機関へ紹介も
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血液検査や尿検査、エックス線検査や心電図の結果は当日にわかる。MRIやCTの検査は精度を高めるために、院外の放射線科専門医師も見る二重読影を行っており、1週間程度で判明。ただし、緊急時には患者の不安を軽減するために、わかる範囲で説明してくれるそうだ。またより精密な検査が必要、あるいは、手術を含めた専門的治療が必要な場合は、大学病院や専門医師のいる医療機関を紹介してくれる。
- 4治療・薬の処方
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検査結果をもとに、必要に応じて治療を実施。また、中村副院長は診療の最後に「言い忘れたことはないですか?」と必ず確認しているという。診療の終わりに患者の本音が出てくることは多く、それが治療のヒントになることも。徐々に距離感を縮める診療を心がけることで、患者との信頼関係を築いている。また、症状や病態にもよるが、処方薬は「1ヵ月分ほしい」といった患者の希望も考慮してくれる。
- 5慢性疾患は定期通院。そのほかはケース・バイ・ケース
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糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病は定期的な通院が必要になる。通院スパンは病気やデータによって変化するが、1ヵ月が基本で、体の状況によって3ヵ月となるケースもある。老年内科や漢方内科は標榜するクリニックが少ないこともあり、市内はもとより県外から通院する患者もいる。良い治療は医師が押しつけるものではなく、患者の要望のみによって成立するものでもないため、まずは信頼関係をつくることが大切だ。
自由診療費用の目安
自由診療とは法定健診(健康診断)/9000円程度、人間ドック/2万円程度~(※コースによって異なります。詳しくはホームページをご覧ください。)