円形脱毛症やアトピー性皮膚炎の新たな治療も
進化する皮膚科診療
町野皮ふ科
(坂戸市/北坂戸駅)
最終更新日:2024/04/11


- 保険診療
同じように見える皮膚症状も、その原因はさまざまだ。「町野皮ふ科」の町野哲(まちの・さとし)院長いわく、症状を見極めて正しく診断を行うことで、その先の適切な治療につなげられるという。また円形脱毛症の飲み薬が開発されたり、アトピー性皮膚炎の注射薬が生後6ヵ月以上の小児にも適応になったりと、近年の皮膚科診療の進化は目覚ましい。同院ではそれらすべてに対応できるよう設備や人員を整えて、検査・治療ともに患者のニーズに広く応えている。今回は町野院長に、新たな治療法や現代の皮膚科医療について、また同院での取り組みについても話を聞いた。
(取材日2023年12月1日)
目次
円形脱毛症の飲み薬やアトピー性皮膚炎の注射薬など、年々進化する皮膚科診療。症状を見極めて適切な治療を
- Qこちらでは円形脱毛症の治療にも力を入れていると伺いました。
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A
▲長年専門的な研鑽を積んできた町野院長
当院では円形脱毛症の診断から治療まで一貫して行っています。円形脱毛症は免疫の過剰反応が引き起こすもの。同じく免疫の病気であるアトピー性皮膚炎とも関連性があり、アトピー性皮膚炎の方は円形脱毛症を合併しやすいといわれています。発症年齢はお子さんや比較的若い世代に多く、年配の方は少ないです。なぜなら、年齢を重ねると免疫機能が落ちてくるので、それゆえに暴走も起こりにくくなるからです。患部はほぼ毛がない状態になり、見た目から異常に気づきやすい病気です。ただ、抜毛症や瘢痕性脱毛症のように似たような病気もあるため、ダーモスコープによる検査などでしっかりと診断をつけることが大切です。
- Q円形脱毛症にはどのような治療法がありますか?
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A
▲2024年より先進の機器を用いた治療を開始予定
治療法としては光線治療や飲み薬などがあり、当院では従来のエキシマライトの他、2024年よりエキシマレーザーでの治療も開始する予定です。飲み薬のJAK阻害薬はいくつかの要件を満たした上で届け出を申請した施設のみの取り扱いとなりますが、これも当院で治療が可能。ただ、この飲み薬には免疫の抑制につながる働きがあるため、服用中は風邪や感染症に注意が必要です。また、光線治療と飲み薬、どちらを選んでも治療には数ヵ月かかりますから、長い目で治療に取り組んでいただきたいと思います。
- Qアトピー性皮膚炎の治療法に変化があったそうですね。
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A
▲皮膚科診療は年々進化していると話す院長
数年前から、大人のアトピー性皮膚炎の治療に注射薬が取り入れられています。免疫の過剰反応の抑制をめざすものですが、保険適用でも費用が高いのが難点です。しかし効果が期待できて副作用のリスクも少ないというメリットは大きく、患者さんのニーズはとても高いと感じています。2023年9月からは、この治療が生後6ヵ月以上の小児にも適応になりました。お子さんならば医療費助成が受けられますから、費用面での負担は少なくなります。他の治療法で効果が見られなかった方、またお子さんのアトピー性皮膚炎でお悩みの親御さんも、治療法の選択肢の一つとしてご検討ください。
- Qパッチテストとはどのようなものですか?
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A
▲看護師が丁寧にシールを貼ってくれる
パッチテストは、アレルギーや皮膚炎の原因となる物質を調べるために行います。例えば金属アレルギーは血液検査で調べることができないため、皮膚科でのパッチテストが有用です。その他、洗剤やスキンケア用品など日用品のパッチテストもありますね。パッチテストを受けることにより、避けるべき金属や成分がわかって、日常でもより適切な対応ができるようになります。実は金属は食品にも多く含まれているのですが、該当する食品を控えることで皮膚の症状にも変化が見られるかもしれません。
- Qこちらで受けられるパッチテストの種類や流れを教えてください。
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A
▲2日後・3日後・1週間後の3回に分けて判定する
当院の場合、疑わしいと思われるものについては徹底して調べることが可能です。抗菌シートや毛染め剤、まつげ用のビューラーについているゴムの部分など、意外なところに原因物質が含まれている可能性もありますからね。看護師が丁寧にテスト用のシールを貼りますので、初めの48時間はそちらを貼ったまま過ごしていただき、2日後・3日後・1週間後に判定を行います。3回に分けて判定することで、遅延性のアレルギーも見逃す可能性が低くなるんです。スケジュールが可能なタイミングでテストを受けていただければと思います。判定後、検査結果をお渡しして、今後の治療方針や日常生活でのアドバイスを行います。