隠れたアレルギーを調べる
パッチテスト
町野皮ふ科
(坂戸市/北坂戸駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
顔の湿疹や手荒れなど、慢性的な皮膚の症状で悩んでいる人は少なくない。その原因を調べるための有効な方法の一つが、パッチテストと呼ばれるものだ。パッチテストを実施すると、アレルギーや炎症の原因となる物質を詳しく調べることができる。結果をその後の治療に役立てたり、生活改善のポイントがわかるのは大きい。そこで今回は、パッチテストを導入している「町野皮ふ科」の町野哲院長に、どのような検査であるのか詳しく聞いた。
(取材日2019年12月19日)
目次
なかなか良くならない皮膚症状は、意外な物質がアレルギーの原因であることも
- Qパッチテストとは、どのようなものですか?
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A
▲意外なところから原因が見つかることもあると話す町野先生
パッチテストはアレルギーや皮膚炎の原因となる物質を調べるために行います。金属アレルギーというと、ピアスや時計など肌に直接触れるものだけが原因になると思いがちですが、食べ物や歯の詰め物などに含まれる金属も原因となります。例えば、手の平や足の裏に出る湿疹の原因が、実は金属アレルギーということもあるのです。金属アレルギーは血液検査で調べることができないため、皮膚科でのパッチテストが有効です。また、ほかにも日用品のパッチテストがあります。洗顔料や洗剤、スキンケア用品などについて、手荒れの原因となっていないかを調べます。ピアスを開ける前の金属アレルギーのチェックもお勧めです。
- Qパッチテストを受けるメリットは?
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A
▲細かく調べてくれる
より適切な対応ができます。これはあまり知られていませんが、金属は食品にも多く含まれています。例えば豆製品や雑穀、麦茶、香辛料やチョコレートなどですが、該当するものを控えただけで、皮膚の症状が良くなることもあるのです。手荒れの症状も、「水仕事が多いから仕方がない」と諦めていた方が、ハンドソープを変えただけで改善することも。また、歯科の治療にも役立ちます。例えば虫歯の治療をする場合、金属以外の素材を使うと自費診療になるため通常より費用がかかります。ですが皮膚科の診断書があると、金属フリーの歯科治療を保険診療で受けられることもあります。歯科に行く前に、皮膚科で金属パッチテストを行うのも方法です。
- Qパッチテストを受けるにあたっての注意点は?
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A
▲パッチテストのメリットについて話す町野先生
事前の準備などは必要ありませんので、当日はリラックスして来院してもらえたら大丈夫です。ただし、パッチテストの結果が正確に判明するまで、一定の時間を要します。初めの48時間は皮膚にテスト用のシールを貼ったまま過ごしていただくことになりますので、汗をかくことに気をつけてください。また、貼付から2日後・3日後・1週間後に来院していただきたいので、スケジュールが可能なタイミングでテストを受けていただければと思います。
- Qこちらで行っているパッチテストの特徴について教えてください。
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A
▲看護師が丁寧にシールを貼ってくれる
パッチテストは実施にあたって多くの手順を要するため、その後の治療に有用となる方法でありながら、実施しているクリニックがまだまだ少ないのが現状です。ですが当院では、看護師や医療スタッフなど豊富な人材を生かし、パッチテストを実施できる環境を整えています。検査の対象となる物質についても制限を設けずに、疑わしいと思われるものについては徹底して調べることができます。例えば、抗菌シートや毛染め剤、まつげ用のビューラーについているゴムの部分など、意外なところに原因物質が含まれている可能性があります。特に日用品のパッチテストについては、初診日は難しいので後日予定を組んで行うことになります。
- Q具体的な手順や期間、治療方法について教えてください。
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A
▲3回に分けて判定する
パッチテストでは、検査薬を皮膚に貼りつけた日から3回にわたって判定を行います。検査の手順としては、検査試薬を載せたシールを背中もしくは上腕の内側に貼ります。その後、2日間シールを剥がさないようにします。入浴はシャワーのみ可能です。貼付2日後に再度来院してシールを剥がし、1回目の判定を行います。その翌日(貼付3日後)に2回目の判定を行うのですが、受診できない方は写真による判定をします。貼付7日後に3回目の判定を行い、正式な判定とします。3回に分けて判定することで、遅延性のアレルギーも見逃す可能性が低くなるんです。判定後、検査結果をお渡しして、今後の治療方針や日常生活でのアドバイスを行います。