病変の表面を拡大して検査し、より精密な治療へ
大腸内視鏡検査
木暮クリニック
(川崎市高津区/溝の口駅)
最終更新日:2025/05/13


- 保険診療
食生活の欧米化とともに大腸がんも増え、2003年からは日本人女性のがんの死因トップは大腸がん。男性の主な死因の一つでもあるという。そんな大腸がんの早期発見に欠かせないのが内視鏡検査だ。そして、先進の大腸拡大内視鏡により、飛躍的に検査・治療のレベルがアップしている。数少ない女性の内視鏡を専門とする医師である「木暮クリニック」の木暮悦子理事長に先進の大腸内視鏡検査について話を聞いた。
(取材日2010年8月27日/更新日2024年6月25日)
目次
大腸拡大内視鏡による精密検査で早期発見・早期治療を
- Q大腸拡大内視鏡はほかの内視鏡とどこが違うのですか?
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A
▲内視鏡室では音楽を流し、患者がリラックスできるよう配慮
当院で使用している大腸拡大内視鏡は、大腸内視鏡・陥凹型早期大腸がんで世界的に知られる工藤進英教授と内視鏡機器メーカーが共同開発した内視鏡装置です。今までの内視鏡に比べて、より鮮明に腸内を観察できます。加えて、NBIという手法を用いて病変に特殊な光を当てることで、病変の表面の細かい毛細血管の模様を確認することができます。さらに、当院では病変に色素散布も行い、病変の表面の細かい構造を確認しています。そうすることで、病変が見つかった場合にそれが腫瘍か悪性か、さらにはどこまでがんが浸潤しているのか瞬時に判断することができます。比較的小さな良性と思われるものであれば、検査と同時に切除も行えます。
- Q検査時の痛みに不安を感じます。
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A
▲検査結果を見せながら説明することでわかりやすい説明を心がける
内視鏡検査時におなかがなんとなく痛かったという経験を持つ人がいると思います。これは内視鏡で腸が伸ばされる際に生じている痛みです。そこで当院では大腸を伸ばさず少量の送気で、ほぼ直線的に奥まで挿入する「軸保持短縮法」を導入しています。これならわずか5分で肛門から腸まで内視鏡が届きます。また大腸の検査時には炭酸ガスを使っているため、検査後の膨満感もあまり気にならないと思います。また必要に応じ、鎮静剤を用いて苦痛の少ない検査を行っています。
- Qこちらでは患者さんの不安をどのように解消されてますか?
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A
▲先進の設備を備え、スピーディーな検査と治療を行う
当院ではハイビジョンの先進の内視鏡装置を完備し、胃内視鏡と大腸内視鏡で先進の拡大内視鏡を用意しています。また、内視鏡検査時には、必要に応じて鎮静剤を用いるため、苦痛の少ない検査に努めています。また鎮静剤の効き具合にもよりますが、患者さんとご一緒にモニターを見ながら説明をすることもしており、検査中も検査後も不安のない医療が提供できることをめざしています。
- Q大腸がんにおいて留意すべきことを教えてください。
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A
▲初期症状が乏しいため、専門医師による定期的な検査が肝要だ
大腸がんは、早期に発見すれば外科手術を行うことなく、内視鏡で治療できることが多く、特にポリープは検査時に切除可能です。しかし、検査を受けていなかったために早期発見することができず、大腸がんが進行してしまい、外科手術や放射線治療、抗がん剤治療などが必要になり、部位によっては人工肛門となることもあります。そのため、早期発見のためにも40歳以上は性別を問わず大腸がんのリスクが高まるので、自覚症状がなくても一度は内視鏡検査を受けていただきたいです。そのほか、どんな年齢でも血便や下痢が続く、便秘などの便異常のある方は速やかに大腸内視鏡検査を受けることを強く呼びかけています。