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東 孝典 院長の独自取材記事

あずまリウマチ・内科クリニック

(狭山市/狭山市駅)

最終更新日:2023/12/11

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック main

狭山市駅西口の駅前ビル3階にある「あずまリウマチ・内科クリニック」は、リウマチ・膠原病を専門に診療する医療施設として2010年4月に開院。「関節リウマチは強い痛みや関節の変形に対する不安が大きい疾患ですが、近年、生物学的製剤やJAK阻害薬の登場もあり、寛解をめざすことができる疾患になりました」そう語るのは、院長の東孝典先生だ。同院では患者の増加に対応するため医師の増員を図り、チーム医療の体制づくりにも熱心に取り組んでいる。同院の診療内容について詳しい話を聞いた。

(取材日2021年11月25日)

ワンストップでスピーディーに診療できる環境づくりを

まず、クリニックの特徴から伺いたいと思います。

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック1

関節リウマチと膠原病治療を中心に、地域に根づいた医療提供を行うクリニックです。最近はリウマチの患者さまが増えてきたので、それに対応できる医療提供体制を取ろうと、大学病院や地域の大規模病院に勤めるリウマチを専門とする医師やリウマチの合併症を診察できる呼吸器内科・整形外科の先生にも加わってもらい、現在では院長の私を含む13人の医師での診療体制となっています。例えば整形外科では、脊椎関節炎の治療など専門性の高い診療を行う先生と、骨折や腱の断裂、腱鞘炎や捻挫など一般の整形外科疾患を総合的に対応する先生がいます。リウマチ患者さまの骨はとてももろくなっていることが多く、手術時期等を見極めるためにはリウマチを専門的かつ総合的に診て判断をつけていかなければなりません。より高度な診療を行うために医師2人制にしています。

病院との連携にも積極的に取り組まれていますね。

リウマチ治療に必要なこととして、院内でほぼワンストップでスピーディーに診療できる環境づくりをめざしています。手術や入院が必要という場合にも、当院のかかりつけ患者さまであれば病院を紹介し、退院後にはまた当院に通院してもらって継続したサポートができるようにしています。連携する先生方とは、私はこれまでリウマチに関する勉強会に積極的に参加して臨床研究を発表したり、各病院の先生のセミナーも受講するなどして、関係性を深めてきました。それに加えて当院が積み上げてきた実績もあって連携が進んだのです。リウマチで特に注意するべきは感染症です。その中でも最初に肺に感染する確率が高いので、週に1回呼吸器内科を専門とする医師による外来診療を行っています。時には入院が必要となることもあるため、その場合は地域の医療施設や総合病院、大学病院などと連携し入院依頼を行っています。

チーム医療の体制づくりに注力している理由は?

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック2

最も大切なことは、患者さまを診る人的なシステムづくりだと考えているからです。私たち医師は診察して状態を把握し、どの治療法がベストかを説明します。とは言え、その患者さまにとって選択肢はいくつかあります。医学的な話になるため、治療について説明するも伝わらないこともしばしばあります。そのため、看護師が処置や検査中に、あるいは理学療法士がリハビリテーション中にうまくかみ砕いて伝え、その人が何に悩んでいるのか、医師に指導されたとおりにできない理由は何かなど、さまざまな観点から話を聞き、その情報を医師にフィードバックします。それをもとに、効果が期待できるか、リスクはないかなどを判断し今後の治療計画を立てるようにしています。これまでの経験で私が一生懸命説明しても「先生が怖い」とか(笑)、そのように感じる方もいますのでね。それなら患者さまが話しやすいスタッフに話してもらおうと、このような体制を取りました。

人的システムを改善しながら患者本位の医療提供を行う

チーム医療についてもう少し詳しく教えてください。

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック3

めざすのは患者さまが当院にかかって良かったという満足感の提供です。“患者様の「喜び」が私たちの「幸せ」です”という当院の理念を実践し、その方の人生に私たちがどう関わり、どのように好転したか、そこを大切にしています。日々の診療の中で私たちの働きによって喜びを感じてもらえたら、大きなモチベーションにつながります。また、私が前面に出て指示するのではなくて、皆が全員で一人の患者さまをフォローするという人的システムが当院のコアですから、スタッフが働きがいを感じながら患者さまに対応できる環境、そこが特に重要だと考えています。スタッフ間でも各部署や多部署間でミーティングを開いて情報共有を図っています。リウマチ治療に関するセミナーにも各自が自発的に参加するなどして、スキルアップに励んでくれていますよ。

リウマチは年代層などに特徴はあるのでしょうか?

以前は30~50代の女性が圧倒的に多い疾患でした。今では、75歳以上で発症する高齢発症も増えています。それを踏まえた現状での発症のピークは2世代あり、40代と60代です。高齢者で発症する関節リウマチに関しては、男性が増加していて、男女差はあまりありません。若い世代では女性が多く、妊娠や出産などのライフイベント踏まえたリウマチ治療が重要になります。また、リウマチでも、高齢者では検査結果が明確に表れないなどの違いがありますし、高齢者だから病状がゆっくり進むということもありません。また認知症などの加齢による病気もあるので、1週間にこれだけの薬を飲むように伝えても残っていることも。当院では、訪問看護や訪問薬剤師、訪問ヘルパーによる援助などの訪問サービスを取り入れて地域で患者さまを支えるケースも増えています。

先進の生物学的製剤もそろえていらっしゃるとか。

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック4

薬はある程度服用するとどうしても耐性ができてしまい、効きづらくなることや体質に合わないことがあるため、次の薬をどう組み合わせるかは医師にとっても本当に悩ましい問題です。そこで少しでも選択の幅を持たせようと、国内でリウマチ治療に使用できる生物学的製剤はすべて取りそろえています。副作用を気にされる方も多いので、スタッフもこれらの薬を使うメリットと副作用のデメリットをしっかり伝えていますよ。また生物学的製剤はすべて保険適用ですが高額です。患者さまの経済状況もありますから、条件がそろえば公的な高額療養費制度が受けられるケースや加入する保険者によって、月の医療費を補助する方法など、それら医療事務関連の情報もスタッフが伝えてくれていますね。あとは、頑張るのは1年、2年と期間を決めて治療するなどさまざまな方法にも柔軟に対応しますので、不安のある方は遠慮なく相談してほしいと思います。

元の生活に戻るためには早期の治療開始が大切

リウマチのリハビリテーションに専門性を持たせている点も大きな特徴ですね。

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック5

リウマチについて勉強し、病態と患者さまの個別性を理解したスタッフが指導やマッサージを行います。一般の整形外科疾患におけるリハビリは、できてしまった障害をいかに改善するかや固まった部分をやわらかくし、筋肉を使えるようにするといったことを重視して行います。しかし、当院のリウマチ疾患におけるリハビリでは、関節の炎症で機能が低下していても、それを元に戻すだけではなく、機能を維持することまで目的に入れてフォローしていきます。すなわち、痛みを取る、関節の萎縮をなくして動くようにする、その状態を維持することをめざしているという点が特徴です。

リウマチで悩んでいる方に伝えたいことがありましたらお願いします。

病状が悪化していくと手や足の関節の骨が変形し曲がってしまいます。進行が早いと、半年もたつと元に戻すことは難しくなってしまうでしょう。ですから早期発見、早期治療が大切です。また、治療を進めていくうちに症状が一時的に落ち着き、そこで薬をやめたいという方もいらっしゃいます。服薬を継続する必要性を伝えると、中には通院しなくなってしまう方もいます。症状が寛解したとしても、リウマチはその先の治癒に至るケースは今のところ少ないですから、寛解の状態をいかに維持するかが大切だということをぜひご理解していただきたいと思います。

今後の展望をお聞かせください。

東孝典院長 あずまリウマチ・内科クリニック6

独居する高齢の方も増えていますが、リウマチ患者さまが通院できなくなってしまうと余命が短くなる傾向があると感じています。通院時にはリウマチを専門とする医師が状態によって薬の加減や異なる薬の選択を行っていたのに、それができなくなることも大きいと思います。そのためリウマチ治療に専門性を持つ当院が今後の地域医療にどのように関われるか、自治体や医師会、企業なども巻き込み、専門的な治療継続が必要なのに通院できなくなった患者さまをどう支えていくのか考えていきます。

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