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竹内 俊充 理事長の独自取材記事

本山歯科医院

(名古屋市千種区/本山駅)

最終更新日:2019/08/28

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訪問歯科診療に特化する「医療法人優寿会 本山歯科医院 名古屋本院」は、2017年に本山駅から徒歩5分の地に新たな事務所を構え、在宅医療への想いを持つ歯科医師が増えている医療法人グループだ。名古屋市全域と隣接する市町村は概ねカバー。大府市にも分院を持ちより広域へも医療を提供している。訪問歯科診療では、虫歯治療はもちろん口腔ケアから入れ歯の調整、摂食・嚥下訓練まで幅広い診療内容を保険適応で治療。超高齢社会を迎え、需要が日々増す一方で、まだまだ対応できる歯科医師が足りていないと言われる今、若手を育てながら現場の最前線でも活躍する竹内俊充理事長に話を聞いた。
(取材日2016年9月12日)

訪問歯科診療の存在をもっと多くの人に知ってほしい

こちらの医院の特徴をお話ください。

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ご自分では歯科医院へ行けない人のために、こちらから診療に伺う「訪問歯科診療」に特化しています。今ではポータブルユニットやポータブルエックス線撮影装置が普及し、一般の外来で受けられる治療とほぼ同じ内容の治療が可能です。しかし、現状で歯科以外の何らかの治療を受けてみえる患者さんの場合は、担当の医師と相談のうえ、可能な範囲での治療となります。他にも、口腔ケアに関してのセミナーの実施や、摂食・嚥下に問題のある患者さんへの訓練指導も行っています。まだあまり認知されていませんが、患者さんの費用負担は保険診療となり、出張費や謝礼なども一切必要ありません。歯科治療を受けたいけれど、外来に行けず困っている患者さんが多くみえるので、告知して行くのも私たちの義務だと考えています。

開業までの経緯について教えてください。

愛知学院大学歯学部の大学院を修了後、この本山歯科医院に勤めました。大学院の頃に幾つかの歯科医院に勤務しながら臨床の勉強をしていたのですが、こちらが当時名古屋ではまだ珍しかった訪問歯科診療を行っており、興味を持ちました。こちらで勤務をして、外来と訪問診療を勉強し、一旦ここを退職して老人医療施設で歯科担当として勤務していました。その後こちらが閉院すると聞き、継続する必要性を感じて引き継ぐかたちで開業したんです。現在は在宅訪問歯科診療専門で、施設ではなく個人を対象として運営しています。

訪問診療と外来診療の違いについてお話しください。

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多々ありますが、大きな点は、外来の場合健康な患者さんが多いのに対して、訪問歯科治療を希望される患者さんは基本的にご自分で歩けないとか要介護の方になり、並行して何らかの病気治療を受けている方も多いです。歯科治療以外の病気を治療中の場合は、主治医かその病気の担当医との連携が必須になります。現在の病状から、患者さんの全身状態をきちんと把握して、どんな歯科治療が可能かを判断してから治療します。また治療の途中でもその患者さんの病状経過によっては、途中で歯科治療の計画も変更しますので、経過観察は非常に大切になりますね。

「切実な思い」へ、誠実に応えていく

先生にとって訪問歯科診療のやりがいは?

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ご依頼いただくのは、患者さんご本人かそのご家族、もしくはケアマネジャーなど患者さんをサポートしてみえる方々なんです。そして、そうした多くの方の「切実な想い」が込められたご依頼になります。歯科医院に行きたくても行けない、連れて行きたくても連れて行けないと悩み、治療を諦めかけていた方たちなので、お伺いすると本当に喜んでいただけます。また、その患者さんの診療は計画的にしっかりできますので、私たちも安心して治療にあたれます。訪問歯科診療は、外来患者さんの治療に比べて労力が必要な点もありますが、それ以上に、患者さんはもちろん、ご家族、サポートしてみえる方々の笑顔からいただける喜びは大きく、それに接すると苦労は忘れてしまいます。

訪問診療の際に心がけていることは?

とにかくコミュニケーションを大切にするということです。患者さんのご自宅へお伺いすることが多いですから、その際は「他人さまの家にお邪魔する」つもりで気を配ります。例えば玄関で靴を脱ぐときや機材を運び込むときも、その家ごとにルールのようなものがあることもありますので、事前によく伺うようにしています。また、治療に際しては、自ら歯科医院に通えない患者さんな訳ですから、患者さん自身の健康状態にはとても気をつけています。事前にご本人、ご家族、担当の内科の医師やケアマネジャーなどと相談して診療の計画を立てるのですが、お邪魔した当日の調子が悪ければ延期することもあります。患者さん本人含めて、まわりのサポートされるスタッフさんたちとのコミュニケーションは、やはり通常の外来の患者さんとのコミュニケーション以上に大切になります。

印象に残っている患者さんは?

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以前ご依頼いただいた患者さんで、治療に伺ってみてはじめて義歯があることがわかったということがありました。当然、事前にご家族の方とは打合せをして、口腔ケアをお願いされていたのですが、お口の中を診てみると部分入れ歯があったのです。それはご家族もご存じなかったとのことで、何年も装着したままの状態でした。患者さんが自らお話できないので、放置されていたのです。患者さんは非常に不快だったと思いますし、義歯の汚れから残っている他の歯が虫歯になったり、細菌が発生して歯肉炎や口内炎、肺炎になる場合もあるのでたいへん危険です。このような事例は珍しいのですが、やはり口腔ケアが難しくなった時点で、早めにご依頼いただきたいなと改めて感じましたね。

今そこに困っている患者がいることを考えて

訪問歯科診療の今後についてお話ください。

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厚生労働省の調べでは、在宅高齢者の89.4%が何らかの歯科治療または専門的な口腔ケアが必要とされながら、実際に歯科治療を受診した方は26.9%にすぎません。また在宅歯科医療サービスを実施している歯科医療機関は、居宅で実施しているのは14%だけなんです。これから本格的な高齢者社会をむかえる日本では、今後もっと訪問歯科治療サービスが必要になってきます。それは口腔内の健全化が全身の健康回復にも必須だからです。国は2014年4月より医療制度改革の中で在宅医療の推進および医療と介護の連携を強く打ち出し、在宅高齢者への歯科保健医療対策の推進策として新たな財政支援制度へ移行され、さまざまな支援も始まりました。困っている人たちが、今たくさんいます。もっと多くの歯科医師の皆さんの訪問歯科診療への参加を期待しています。

同じ志の仲間も増えているそうですね。

はい。現在、こちらの名古屋本院と大府市の大府分院の2ヵ所で約50名のスタッフが、チームを編成して治療にあたっていますが、まだご依頼いただいた患者さんをお待たせする状況が続いています。さらに分院を設置し仲間も増員して、ひとりでも多くの患者さんのもとへ伺いたいと考えています。私自身も現場に出て患者さんの診療をしたいので、これから現在の頼もしいメンバーと、今後加わってくれる新たな仲間たちと協力して、ひとりでも多くの方の助けになりたいのです。

チームワークが大切な現場です。

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まさにそうですね。当院は「患者さんを第一」に考えてくれるスタッフがそろっており、歯科医師、歯科衛生士、事務員、コーディネーターなど各部門横断的にきちんと綿密なコミュニケーションがとれる、頼もしい仲間ばかりです。当院の訪問診療スタイルとしては、次々と訪問に回っていくというよりは、患者さんお一人お一人に対して長く接していくため、じっくりと患者さんやご家族と向き合っていきたい歯科医師の方には大きなやりがいを感じてもらえると思います。法人として、研修制度も整えており、向上心の高い人間が多いのも私としてはうれしい点です。一人ひとりのひとりの患者さんのために、みんなで協力しながら想いをもって進めていきますので、地域の患者さんのためにまだまだ仲間が必要だと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

訪問歯科診療についてご存じない方がまだ多いのが現状です。訪問診療制度を知っていても、費用面などの誤解も多いようで、保険診療が適用され往診の費用は医療保険と介護保険から支払われることなども知ってもらいたいですね。診療もさまざまな治療が受けられます。今、ご自宅で寝たきりなどで歯科医院に行けなくて困ってみえる方は、あきらめないで一度ご相談ください。そして歯科医師の先生方、これから歯科医師をめざす方や歯科衛生士の皆さん、訪問歯科診療について興味がおありでしたら、ぜひ一度ご連絡ください。

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