多様な背景を持つまぶたの病気
コンタクトレンズ長期使用も起因に
医療法人龍眼科
(柳川市/西鉄柳川駅)
最終更新日:2026/08/13
- 保険診療
細菌が感染して赤く腫れて痛くなるものもらいなど、誰でも一度は経験するであろうまぶたの病気。しかし、「まつげやまぶたの位置が原因となる疾患とその手術については、イメージしづらい人もいるかもしれません」と、「龍眼科」でまぶたに関する診療や手術を主に担当する寒竹大地(かんたけ・だいち)副院長は話す。加齢だけが原因ではない、まぶたが下がり視野が狭く感じる「眼瞼下垂症」や、まぶた全体が眼球側である内側へまくれ込み、まつげや皮膚が目の表面に接触し不快感が続いたり、傷がついたりしてしまうこともある「眼瞼内反症」などの手術も数多く執刀している寒竹副院長。その領域におけるエキスパートの寒竹副院長に、意外と知られていない「まぶたにまつわる疾患・手術」について解説してもらった。
(取材日2026年7月16日)
目次
まつげやまぶたの位置などが原因となる手術は、生活する上でどれほど困っているかが重要なバロメーターに
- Qまぶたが下がる眼瞼下垂症は加齢以外の原因もあるそうですね。
-
A
▲気になることや不安は放っておかずに、専門の医療機関へ相談を
そもそも眼瞼下垂とは、まぶたを上げる筋肉や腱の緩みなどで、黒目にまぶたがかかり視野が狭くなる病気です。その主な原因は加齢によるものですが、先天性や外傷によるもの、まぶた自体ではなく「重症筋無力症」「ミトコンドリア脳筋症」といった神経や全身の病気が原因になることもあります。中でもハードコンタクトレンズの長期使用で眼瞼下垂症になりやすいことをご存じない方は多いかもしれません。まばたきによる硬いレンズとの摩擦や、まぶたを引っ張ったり触ったりする回数が増えることで、後天性眼瞼下垂症の原因になりやすいとされています。まぶたが重い、視野が狭い、額に力が入るなどの症状がある方は、眼科の受診をお勧めします。
- Q手術による見た目の変化を気にされる方も多いと伺いました。
-
A
▲しっかりと説明を行ったうえで、相談しながら治療を進めてゆく
見た目の変化の大きさは、下垂の強さ、一重まぶたか否か、皮膚が厚いか薄いか、術式の選択などによっても変わってきます。特に一重まぶたの方は、手術することにより二重まぶたになるのは抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。そんな時は垂れ下がってきているまぶたの皮膚の切除をすることで二重になるのを回避しつつ、症状の緩和をめざすケースもあります。そのため、一人ひとりに適した手術法や可能な方法をご提案し、患者さんと相談しながら選択していくような流れになります。状態によってはご希望に沿えないケースもありますが、見た目にも関係しますので、後悔しないためには事前に医師としっかりすり合わせておくことが重要です。
- Qまつげが目に当たって痛い場合、手術が必要になるのでしょうか?
-
A
▲検査・診断結果を踏まえ、自分の目の状態を把握することが大切
必ずしも手術が必要とは限りませんが、手術の必要性については「本人がどのくらい困っているか」という点が重要になってきます。ひどくなると、黒目の角膜にまつげが当たり傷がついているケースも。治ってもすぐにまた傷がつくといったことを繰り返している場合は、どうしても傷による感染リスクも高まりますので手術をお勧めしています。一方、普段はソフトコンタクトレンズを使用していて、まつげが当たってもレンズが広範囲をカバーしてくれるため目薬で様子を見るといったケースも。患者さんの生活背景などによってそれぞれ困っている度合いは異なりますので、傷の有無も含め、まずは診察を受け現状を知ることが大事だと考えます。
- Q涙が止まらない、目やにが多い疾患に関してはいかがでしょう。
-
A
▲穏やかな雰囲気の寒竹副院長。院内での執刀も担当する
涙や目やにといった症状は、先ほどの眼瞼内反症もその原因になり得ますし、結膜炎もしかり。目の周囲に関わる疾患でいうと、涙の通り道が途中で詰まり涙が目にたまってしまう涙道閉塞症も。当院では、涙道閉塞症の手術も私が担当させていただいており、涙道内視鏡手術を実施。この病気は、常に涙目の状態が続くほか、目やにが繰り返し出るといった症状が特徴です。その背景も、主に加齢による変化が挙げられますが、鼻や副鼻腔のトラブル、顔面骨折などの外傷、先天性によるものなど、さまざまです。また、同じ症状であっても患者さんによって気になる方とそうでない方がいますので、どうしても気になる方には手術を検討する流れになります。
- Qその他にも対応されているまぶたの手術はありますか?
-
A
▲2階にある手術室。設備の充実度も医院の魅力の一つ
その他の手術は、霰粒腫、白目部分に脂肪がはみ出してくる脂肪ヘルニア、白目部分を覆う膜である結膜が加齢などで緩んでくる結膜弛緩症などもあります。幅広く対応していますが、だからといって手術を強く勧めることはいたしません。患者さんの生活背景やご希望が優先されるべきだと考えていますので、現状について正しい情報をわかりやすい言葉でお伝えすることに徹します。その上で、生活する上でどのくらい困っていらっしゃるか、しっかりと耳を傾け、各患者さんに適した策を講じる。それが、患者さんが安心して手術を受けることができ、術後の快適な生活にもつながると考えますので、まずは「患者さんを知る」ことに注力しています。

