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田中 真弘 院長の独自取材記事

田中整形外科

(大田区/長原駅)

最終更新日:2024/03/13

田中真弘院長 田中整形外科 main

1990年の開院以来、大田区上池台の住宅街で診療を続ける「田中整形外科」。東急池上線・長原駅から3分ほどとアクセスも良い。院内は1階に待合室と診療室、2階には広々としたリハビリテーション室がある。2024年中に、3階の一部を改装しリハビリ室を拡大、稼働予定だ。2021年、初代院長である父から同院を継承したのは、田中真弘院長。長く大学病院に勤めていたが、父からの声がけで地域医療への転換を決めた。院長職とともに、父が長きにわたり貫いてきた「優しく寄り添い、丁寧に診る」方針も受け継ぎ、一人ひとりの痛みやつらさ、悩みの改善をめざす。患者の役に立つと判断した新しい技術や機器は積極的に導入しながらも、医院の根底に流れる温かさは変わらない。今回は田中院長に、医院の特徴や今後の展望について話を聞いた。

(取材日2023年9月11日)

「優しく寄り添う丁寧な診療」を継承

医院継承の経緯をお聞かせください。

田中真弘院長 田中整形外科1

1990年に父が当院を開院しました。近くに母の実家があったものの、父にとってここはなじみの薄い土地だったのですが、日々の診療を通して、地域のこと、地域に住む皆さんと親しくなっていったと聞いています。そのような父も近年は体力的な衰えを感じるとともに、継承を考えるようになり、整形外科の医師である兄に打診したところ兄は勤務医を続けたいとのことだったので、次男である私に声をかけてもらいました。5年ほどの継承準備期間を経て、無事に2021年4月に院長を継承。ここは兄が継ぐものだとずっと思っていたので、父から継承の話を聞いた時は驚きましたが、うれしかったですね。幼稚園の頃からずっと住んできたこの街には友人や知人も多く、地域の役に立てることにやりがいを感じています。

継承前は、大学病院で長く勤務されていたのですよね。

15年ほど勤めた大学では指導的立場にもあり、手術も多く手がけていました。ですから、後進の育成や引き継ぎなどを綿密に行い、お世話になった大学に迷惑をかけないように医院継承の準備には十分な時間を費やしました。当院の診療を開始したのは、5年ほど前のこと。当院の方針や診療を把握するために、週1回の診療を担当しました。私は次期院長を継承するにあたり、大切だと考えていたことの1つは、地域の方々に私を認知していただくこと。それには、数年の年月が必要であると考えていました。したがってこの継承準備期間は、私自身が当院の内容を理解するという目的のほかに、地域の患者さんに次期院長として受け入れてもらうための時間だと思い、診察にあたっていました。幼い頃、父母の姿を見て「医院をやっていくには、家族の協力が欠かせない」と感じていたので、事前に妻の理解も得て、スムーズに継承できたと思っています。

継承で診療の内容や診療環境などに変化はありましたか。

田中真弘院長 田中整形外科2

基本的な部分は変わりません。診療する中で必要性を感じ、骨粗しょう症をより高精度に診断するための検査機器を導入しました。長寿の時代において、骨密度は健康寿命を左右する重要な要素。大田区の検診項目にも加えられました。精密な検査により早期に骨粗しょう症を発見し、適切な治療につなげることで、骨粗しょう症による骨折をきっかけに寝たきりになってしまう高齢者を地域から減らしたいと考えています。最近は足裏の腱膜炎の痛みに対して圧力波を利用した治療機器も導入しました。足裏に直接当て、圧力波により炎症、痛みの改善をめざします。

さらなる地域貢献をめざし、リハビリ室を拡大

患者の傾向について教えてください。

田中真弘院長 田中整形外科3

地元密着型の開業医なので、お子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層の方に来院いただいています。近隣には小学校や中学校があるので、部活でケガをされた方もいらっしゃいます。骨粗しょう症のお悩みを抱えてるご高齢の方も多く、午前中はご高齢の方、夕方は小・中学生、遅めの時間帯は40代から50代ぐらいの方がお見えになる傾向があります。このように、時間帯によって来院患者さんの年齢層が変動しているように感じます。また診療時間枠を追加したからか、リハビリを求めて来院してくださる方が増えており、患者さんの6割ぐらいはリハビリ目的です。コロナ禍であっても整形外科医院はリモート診療を行うのは難しいため、感染を心配する患者さんが来院を控える時期がありましたが、ようやく以前の状態に戻ってきました。

リハビリ患者の増加に伴い、院内に変化はありましたか。

リハビリ室を拡大する予定です。父の代と変わらず、リハビリ室には予約制を導入せず、患者さんには都合の良いタイミングに来院していただき、施術を受けてもらっています。しかし、リハビリ患者さんが増加しているなか、リハビリ室に予約制を採用していないがゆえに患者さんが集中し、リハビリ治療がストップしてしまうケースが散見されるようになってきました。患者さんに対して、こうしたご迷惑をおかけし続けるわけにはいきません。今まで3階は面談室として利用していましたが、そのスペースの一部をリフォームしてリハビリ用スペースとして活用することにしました。それによって、いままでの療法にとどまらず、さらなる運動療法を取り入れたいとも思っています。そしてこのリハビリ室拡大が、地域に貢献できる取り組みにつながることを願っています。

リハビリ室拡大にあたり、先生が取り組まれていることがあれば教えてください。

田中真弘院長 田中整形外科4

現在、リハビリ室にも予約制を導入するかどうかを検討しています。リハビリ患者さんの中には、父の代から通院している方も多く、その方々は「いつでも施術を受けられる医院」だと思い、通っていただいているので、完全予約制にすることでご不便をおかけする場合があると思っています。一方、お若い世代、特に子育て世代の親御さんは時間制約の中で通院されているので、その方々は予約制の導入を希望されています。今後リハビリ室の予約制については、状況を見ながら判断したいと思っています。また今回の拡大に伴い、リハビリスタッフと看護師を増強したいと思っており、地域密着型の当院では「長く勤務」していただける新しいスタッフとご縁がつながれたらうれしいですね。

今後も時代のニーズに合った新しい治療を積極的に導入

院長が医師をめざしたのは、やはりお父さまの影響ですか。

田中真弘院長 田中整形外科5

高校生の時に、父の影響もあって「医師になりたい」と考えるようになりました。それまで勉強してこなかった分、受験勉強は過酷でしたが、ほかの職業には魅力を感じられずなんとか合格を勝ち取りました。父は、当時の成績を見て、医学部は絶対無理だと思っていたそうです(笑)。大学を卒業し、数年が経過した頃に父から継承の話があり快諾しました。継承後は、骨粗しょう症の診断用検査機器、圧力波を利用した治療機器や超音波診断装置などの機器を積極的に導入。患者さんに新しい治療を提供することで、患者さんの生活の質を改善できるように努めております。

今後の展望について、お聞かせください。

現在5人のリハビリ専門スタッフが、運動も含めた理学療法を中心にリハビリを行っています。近年、骨粗しょう症には運動も良いとのデータがあり、骨粗しょう症と判断された後でそれ以上悪化しないようにするための運動指導も始めました。リハビリ室のスタッフとは定期的なミーティングで論文なども共有し、時代のニーズに合わせた新しい治療にも取り組んでいきたいと考えています。またリハビリに関わる人材を補充して、訪問リハビリにも着手していきたいですね。リハビリを受けたくても、当院までお越しになれない患者さんも増えているので、そういう方々には、こちらからその方のご自宅に出向くという形のサービスを提供する方向で現在構想しています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

田中真弘院長 田中整形外科6

父が実践してきた「気軽に受けられて、待たされない医療」を継続したいという思いとともに、当院を継承しました。父が築き上げた信頼を大切に、気軽に安心して受診していただける医院をめざします。忙しい日も、父の代から働いてくれているスタッフたちの貢献のおかげで、円滑に診療ができていると感謝しています。今後も患者さんをお待たせしないように、かつスタッフ一人ひとりにとって働きやすい仕事環境を提供できるように精進してまいります。患者さんにはこれまでと変わらず、お困りの際にはいつでも気軽にご相談いただければと思います。

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