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専門的な診断が重要な大人のてんかん
継続的な治療で人生を支援

すずかけクリニック

(名古屋市千種区/今池駅)

最終更新日:2020/04/13

20200413 main 20200413 main
  • 保険診療

人間の脳は電気信号によってバランスよく機能しているが、その電気信号に異常な乱れが生じると、体のこわばり、けいれん、一時的な意識消失などの現象が起こる。これが、てんかん発作だ。一般的に子どもに起こると考えられがちだが、実は10代の思春期や20代、さらに65歳以上の高齢者にも発症が多いことがわかっている。「すずかけクリニック」の福智寿彦院長は精神的な疾患の多くの患者に関わる中で、特にてんかんの治療に力を注いできた。中でも高齢者のてんかん発作については社会の認識は高いといえず、似た症状から認知症に間違えられやすいという問題がある。「治療には専門的な診断がとても重要です。社会の認識向上にも努めたい」と話す福智院長。てんかんの症状や必要なサポートなどについて詳しく聞いた。(取材日2020年3月31日)

自分らしい人生を実現するため、専門の医師による診断、治療を受けることが重要

Qてんかんの原因や症状について教えてください。
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▲地上7階建ての建物で患者の検査、治療や社会復帰支援まで行う

てんかんとは、先天的な脳の病気や神経細胞の電気信号の異常が生じることにより発作が起きる状態をいいます。発作は、全身のけいれん、硬直、上腹部不快感、一時的な意識消失、音が聞こえる、においがするなどさまざまな症状があり、繰り返して起こります。ただ、体の左側のけいれんなら、いつも左側、というふうに毎回同じ症状が反復するのです。末梢神経の障害によるけいれんなど、てんかんと似て非なる発作は多いので、治療に際しては本人から話を聞いたり、ご家族に様子を撮影してもらったりして、医師が発作時の様子を把握することが最も重要になります。てんかんか否かの診断は、専門の医師でないとかなり難しいと思います。

Qてんかんは、どのような人が罹患するのでしょうか?
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2

▲院長はてんかんの啓発のために著書も執筆している

誰でも罹患する可能性があり、およそ100人に対し1人が発症するともいわれます。子ども、10~20代、そして65歳以上の発症率が高いです。子どもの治療は小児科で行い、当院は中学生以上の治療を行います。高齢の方の場合、大きなけいれん発作は少なく、一時的な意識の消失の発作で「会話の記憶がない」「無反応」ということが起きたり、歩いているときに発作が起きて自分がどこにいるかわからなくなったりと認知症と間違えられやすい問題があります。現状、高齢の方のてんかん発作については一般的にあまり知られておらず、社会全体の認識向上のためにわれわれ専門の医師も啓発活動に努めています。

Qてんかんの検査方法や治療方法を教えてください。
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▲検査結果をもとに治療計画を立てていく

医師が発作の状態を把握することが、まず重要で、脳波測定は補助的材料といってもよいほどです。専門の医師であれば、脳波が正常でも発作の様子から、てんかんと診断することもあるのです。他にMRI検査で器質的な異常がないか画像で診断します。治療は主に薬物治療で1日1~3回。副作用として肝機能障害、腎機能障害、骨髄抑制などが考えられるので、1~数ヵ月ごとの定期的な通院で採血し、血中濃度、腎機能、肝機能の値をチェック、健康状態を確認することが大切になります。側頭葉てんかんや、病変が認められたてんかんなど症状に応じて病院で外科手術を行う場合もあります。手術の適用は、脳外科の先生とよく話し合って決めていきます。

Q病気との付き合い方や治るかどうかを教えてください。 
A
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▲個室の診察室を備え、落ち着いて話せる雰囲気

薬や外科治療により、多くは発作が抑制される寛解という状態をめざせます。寛解の場合も薬を中止すると再発することがあるので、年月をかけて経過を診ていきます。運転免許の取得・更新は最低2年間発作がないことが条件でその後5年間は1年ごとに医師の診断書が必要になります。妊娠、出産を望むときは薬を調整することも可能です。定期的な通院で健康状態を確認したり、何かあれば医師に随時相談をしたりしてほしいと思います。当院には、仕事や結婚の相談で来られる若い患者さんもおられますよ。

Q家族はどのように見守ればいいでしょうか?
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▲てんかん患者を専門に診療し続けてきた院長

ご家族には、服薬しているかどうかの確認と、発作への冷静な対応をお願いしたいです。大体毎回同じ発作ですので、次第にご家族も「あと数十秒で終わるだろう」とわかります。けいれんを抑え込んだり、舌を噛まないようにと口の中に物を入れたりすることは避けてください。食事中であれば、発作がおさまった後、横向きに寝かせて口内の物をかき出しましょう。入浴中だと体が重いので、持ち上げるのではなく風呂の栓を抜きます。倒れる危険があるときはクッションや自分の手を床に置く形で支えます。発作症状を医師に伝えることが大切ですので、可能なら動画の撮影を。いつもと違う発作や、重なって発作が起きたときは救急車を呼んでください。

ドクターからのメッセージ

福智 寿彦院長

当院は、東海地方でも少ないと思われる、てんかんを専門に診療するクリニックです。愛知医科大学病院や名古屋大学医学部附属病院、名古屋医療センターなどの神経内科、脳外科の先生方と月1回、症例検討会を行い、情報や知識の共有にも努めています。大きな特徴としては、外来のみならず、患者さんの就労移行支援、就労継続支援、デイケアサービス、訪問看護の拠点を院内に持ち、多機能垂直型診療所として支援するしくみがあることでしょう。会社勤務や一人暮らしをする人もおり、何かトラブルがあれば速やかにスタッフが駆けつけられるような体制ができています。病気だからと諦めないで、自分らしい人生を送っていただきたいと思っています。

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