発作の抑制を図るだけでなく
社会参加まで支援するてんかん治療
すずかけクリニック
(名古屋市千種区/今池駅)
最終更新日:2026/04/01
- 保険診療
てんかんは脳の神経細胞に一時的な乱れが起き、発作が生じる病気。意識を失ってしまうものだけでなく意識がもうろうとするのも発作の一種であり、症状は一人ひとり異なるという。発作のコントロールは図れるようになってきたが、それだけでなく「社会参加の支援までが治療」と「すずかけクリニック」の福智寿彦院長は話す。長年地域でてんかん患者を支えてきた院長を含め、同院には、てんかんに高い専門性を持つ4人の精神科医が在籍。難治性のてんかん患者も積極的に受け入れ、人生に寄り添うことを大切に、自立した生活を送れるよう手厚い支援を実践している。てんかんについて正しい知識を発信する「パープルデー」という啓発活動を行うなど、偏見の払しょくにも尽力する院長に、てんかんという病気や同院が取り組む生活支援について詳しく聞いた。
(取材日2026年3月26日)
目次
4人の精神科の医師が中心となり、就労や結婚など明るい未来につながるような支援を
- Qてんかんとは、どんな疾患なのでしょう。
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A
▲てんかんの啓発活動にも力を入れる福智院長
てんかんというと、全身がけいれんする発作がイメージされるかもしれません。しかし実際は発作のタイプは多様で、意識がないのに歩き続けたり、会話中に発作を起こしても本人がそれを自覚していなかったりする場合も。精神症状を伴う方もいます。てんかんと精神科、双方を専門とする当院では、精神症状を合併している方や難治性のてんかんにも数多く対応しています。また、てんかんは遺伝すると誤解されがちですが、遺伝が関与する方はごく一部。家系を気にする時代もありましたが、それは偏見です。発作の抑制が図れるようになった現在にあっても、結婚などを機にてんかんについて気にされる方が多く、偏見が根強さを課題に感じています。
- Qどんな症状があったらてんかんを疑うべきですか?
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A
▲少しでも気になる症状があれば、てんかん専門の医師に相談を
てんかん発作は、大きく「全般発作」と「焦点発作」の2つに分けられます。全般発作は脳全体が原因となり、症状が比較的わかりやすいです。例えば、意識を失って倒れる全身けいれん発作や、数秒間動きが止まる発作などが代表的ですね。一方、焦点発作は脳の一部が原因で、意識がぼんやりしたり、手足が勝手に動いたりするなどの症状が現れます。発作自体は1〜2分で終わることが多いですが、その後、意識がもうろうとした状態が数時間から1週間ほど続くこともあります。この「もうろう状態」は自覚しにくく、注意力散漫になるため、交通事故などに特に注意が必要です。症状に心当たりがあれば、早めに医師に相談することをお勧めします。
- Qご高齢のてんかん患者さんも多いそうですね。
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A
▲発作が治まらずに悩んでいる場合も医師に相談を
子どもの病気と思われがちですが、実は65歳以上の発症も多く見られます。ただ、ご高齢の方ですと、認知症やアルツハイマー病と間違われることが少なくありません。夜間のけいれん発作後、朝になってもぼんやりして着替えができなかったり、食事中に食べ物をこぼしたりといった症状は認知症と似ており、実際、一度は認知症と診断されるケースも多々あります。正しく診断するには脳波やMRIのデータだけでなく、発作の種類や生活背景なども加味する必要ありますので、気になることがあれば、当院のようなてんかんに専門性を持つ医療機関を受診してください。てんかんを放置すると脳機能の低下を招くため、早期相談を心がけていただきたいです。
- Qご家族はてんかんの患者さんをどう支えるべきなのでしょう。
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A
▲今池駅から徒歩5分のため、利便性も高い
意識がなくなることがあるため、安全への配慮は必要ですが、過度な特別扱いはかえって良くありません。大切なのは、見守りすぎないこと。横断歩道を渡る際や入浴時などは注意を払いつつも、常に監視するのではなく、何となく視野に入れるくらいの感覚でいてほしいのです。過度な行動制限もやめましょう。「デートも外出も駄目」といった制限は、患者さんの人生の歩みを止めてしまいます。薬を飲み忘れなければ発作の抑制が図れますので、ご家族は飲み忘れチェック表を貼るなど、無理のない範囲で支えてあげてください。患者さんが自由に人生を歩めるよう、私たちが生活面までサポートすることで患者さんとご家族の安心につなげていきます。
- Qこちらではどんな生活支援を行っているのですか?
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A
▲医療と福祉両面からのサポートを行い、患者の自立に尽力している
発作や症状を抑えるだけでなく「社会参加まで支援して初めて治療」を理念に、リハビリテーション施設や訪問看護ステーションを併設し、デイケア・ナイトケアにも取り組むなど、患者さんをトータルサポートする体制を整えています。近年は患者さんとご家族の高齢化が進んでおり、いわゆる「親亡き後」を心配されている方々も多いのではないでしょうか。当院ではグループホームと単身用アパート、就労支援の一環として飲食店なども運営し、てんかんの患者さんが経済的・精神的に自立して生きていけるようサポートしています。私を含むてんかんの専門家4人が中心となり、就労・結婚を見据えた支援を提供していますので、安心してお任せください。

