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山﨑 健一朗 院長の独自取材記事

大宮七里眼科

(さいたま市見沼区/七里駅)

最終更新日:2023/01/18

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科 main

日本でも近年フェムトセカンドレーザー白内障手術が行われるようになったが、導入するクリニックは少ないという。このレーザーによる白内障手術を中心に行う「大宮七里眼科」には、全国から幅広い年齢層の患者が訪れる。同院で手術を担当する山﨑健一朗院長は、フェムトセカンドレーザーを使った白内障手術を早い時期から手がけてきた医師。「私の著書や当院のホームページを見て、『自由診療でも、多焦点眼内レンズとレーザーを使った白内障手術を受けたい』と決心して来院される方がほとんど」と話す。保険診療で行う白内障手術以外にも手術法があると知ってほしいと語る院長に、同院の特色ある手術について聞いた。

(取材日2021年5月10日)

白内障治療の選択肢を広げるレーザーによる手術

白内障をレーザーによる手術で治療されるのはなぜですか?

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科1

白内障手術は、濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換えるもの。日本では保険診療で行う手術以外に、自由診療となる先進的な手術法もあることがあまり知られていません。私は全国でも早い時期からフェムトセカンドレーザーによる白内障手術に対応してきましたが、現在もレーザーを使った白内障手術や多焦点眼内レンズが普及しているとはいえず、当たり前の選択肢として提供する医療機関も限られます。日本の多くの白内障手術は保険診療で行われていますが、自由診療による白内障手術法を選択すれば、さらなる見え方の改善がめざせると多くの患者さんに知っていただきたいのです。そのためにホームページで積極的に情報をご提供するほか、レーザー白内障手術や多焦点眼内レンズに関する一般向けの医学解説書も執筆しました。

どのような方が白内障の治療を受けられていますか?

白内障は高齢になって急にある日起こる病気ではなく、多くの場合は40~50歳代から進行し、それに従って見えにくい、光がまぶしいなどの症状を自覚します。どの段階で症状が出るかは個人差があるので、当院で白内障手術を受ける患者さんは10歳代から100歳代までと年齢が幅広く、首都圏だけでなく北海道から沖縄まで、全国から来院されます。遠方にお住まいの方が当院を受診される理由は、私の著書や当院のホームページをご覧になり、多焦点眼内レンズを使用したレーザー白内障手術を受けたいと決心したことという方がほとんどです。お近くの眼科で白内障と診断を受け、どのような種類の白内障手術があるのかを調べて、当院をお知りになられたり、他院の先生からご紹介いただくこともあります。お一人お一人の患者さんのお気持ちを大切にしながら治療に取り組んでいます。

白内障の治療を検討するときのポイントは?

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科2

白内障手術には、保険診療によるものと保険外診療である自由診療によるものがあります。まず、それぞれの違いについて知っていただき、どちらの手術法にするのか決めてください。ただし自由診療による白内障手術を行っている眼科は限られているので、探されて直接話を聞くのが一番良い方法です。最終的に保険、保険外のどちらを選択したにせよ、選択肢の中から選ぶことによって、治療後に「こんな治療法もあったのか。そちらにしておけばよかった」と後悔することがなくなります。レーザー白内障手術は自由診療でのみ行われています。このとき注意していただきたいのは情報の正確性です。インターネットなどのさまざまな情報源のうち、執筆者名を明記している著書がお勧めです。

治療後の見え方も重視し、手術の精度を追求

レーザーを使った白内障手術について教えてください。

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科3

保険診療で行う白内障手術では、人間が目測で位置や長さ、深さを判断し、メスなどを使って組織を切開します。一方でレーザー白内障手術ではOCT(光干渉断層撮影装置)で眼球断面を画像データとして撮影し、眼球構造を精密に測定。その測定結果をもとにレーザー照射位置を決めて、角膜や水晶体表面を切開します。またレーザー白内障手術では、水晶体の表面(前嚢)を切開する際、切開する大きさや位置を高精度で設定できるため、結果的に眼内レンズを適切な位置に固定しやすくなります。このほか、事前に水晶体をレーザーで分割するので手術による角膜内皮へのダメージが少なくて済み、白内障手術の宿命ともいえる角膜内皮細胞の減少を、保険手術より少なく抑えられます。私は2012年6月~2021年4月までに3760件のレーザー白内障手術を実施しましたが、今のところ、大きな合併症は一例も経験していません。

レーザー照射の時間や手術の流れは?

レーザー白内障手術で用いるフェムトセカンドレーザーは、1000兆分の1秒という非常に短い間隔でレーザー光を照射する装置です。レーザーの照射時間は30秒ほどで、非常に短時間で終わります。手術の流れとしては点眼薬で麻酔をした後、安全にレーザー照射ができるよう目に器具を装着します。その後、先にお話ししたOCTによる撮影を行い、画像データをコンピューター解析して、レーザー照射の角度や深さを設定します。照射はこのデータをもとに行うので、精密な治療が可能です。さらに手術後半には水晶体を乳化吸引して、眼内レンズを挿入する工程を行います。

衛生管理も気を配られていますね。

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科4

私は眼科を専門にする前は麻酔科に在籍していたんです。心臓手術、脳外科手術、整形外科の手術など、多様な科目の手術に携わる中で、感染に非常に弱い関節や脳を無菌状態に維持するため、整形外科や脳神経外科の先生方がさまざまな努力をなさっているのを目の当たりにしました。白内障手術を行う眼球内も無菌状態に保つことが重要となります。ですから麻酔科での経験を生かして、当院の手術室をクリーンルームにしたのはもちろん、フェムトセカンドレーザー装置も手術室に設置し、レーザー白内障手術の一連の流れを、すべてクリーンルーム内で行えるようにしました。

多焦点眼内レンズを用いた治療でQOL向上をめざす

多焦点眼内レンズのメリットは?

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科5

眼内レンズは、保険診療で賄える単焦点眼内レンズと自費診療の多焦点眼内レンズの2種類に大別されます。単焦点眼内レンズの場合、ピントは遠距離か近距離のどちらかにしか合わせることができず、焦点の合わない距離はぼやけて見えるため、眼鏡を使うことになります。ですが眼鏡をかければ、もともとピントの合っていた距離がぼやけます。それによって、手術後に「期待していた見え方とは違う」と落胆される方もおられます。一方で多焦点眼内レンズなら遠近どちらにもピントが合うので、単焦点眼内レンズよりも、高い生活の質が期待できます。なお従来は、多焦点眼内レンズは遠近にピントの合う2焦点眼内レンズしかありませんでしたが、最近認可を受けた3焦点眼内レンズは遠近に加えて中間距離にもピントが合い、さらに見え方の質の向上が期待できるようになりました。

どんな質問が多いですか?

「他院で保険による単焦点眼内レンズの白内障手術を受けたが、多焦点眼内レンズに入れ替えることはできますか?」という質問が多いです。このような方は白内障手術の前に、自由診療による白内障手術について知らなかったのでしょう。白内障手術を受ける前に、フェムトセカンドレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズを行っている眼科の情報を調べていただければと思います。また、片目に単焦点眼内レンズによる手術を受けた場合でも、もう片目はまだ手術を受けていない場合、そちらに多焦点眼内レンズを使用することは可能です。とはいえ、多焦点眼内レンズは両眼に使用することで、その機能を十分発揮できます。乱視については、軽減に役立つ多焦点眼内レンズがあり、当院で多く使用しています。

読者にメッセージをお願いします。

山﨑健一朗院長 大宮七里眼科6

白内障手術で使う眼内レンズは一度入れたら基本的に一生ものです。だからこそ、手術を受ける前に、保険診療と自由診療の手術の違いを知ってください。当院では、フェムトセカンドレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズについて、お一人お一人の目の状態に合わせて詳しく説明をします。また、当院では、角膜や網膜などの疾患もくまなく詳細な検査をします。その結果、白内障以外の疾患が見つかることもあります。例えば加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの網膜疾患が見つかった場合には、抗血管新生薬療法(抗VEGF抗体薬注射)や網膜光凝固(網膜レーザー治療)などをご提案することもあります。当院は白内障手術の専門病院ではなく、すべての眼科疾患に対応しております。見え方にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

多焦点眼内レンズを使ったレーザー白内障手術は、片眼で80万円(消費税込み)から

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