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西村 有希子 院長、本宮 武司 副院長の独自取材記事

福田記念 本宮眼科内科医院

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日:2021/10/12

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院 main

鶴見駅から歩いて1分。西口を出てすぐの場所にある「福田記念 本宮眼科内科医院」。1938年の開業以来、80年以上にわたり地域住民に親しまれているクリニックだ。2001年に院長に就任した西村有希子院長は眼科が専門、本宮武司副院長は内科と循環器内科を担当し、父娘で診療にあたっている。医療機関との双方向の連携にも力を入れており、クリニックの利便性を生かしながら専門性の高い医療を提供している。診断に必要な検査は院内で、専門的な設備を使った精密検査は病院などと連携して行うスタイルだ。「目は大事な感覚器であると同時に、病気の危険サインも知らせてくれる重要な窓口」と語る有希子院長と武司副院長に、眼科と内科の密接な関係について、また病診連携の取り組みについても話を聞いた。

(取材日2020年12月12日)

80年以上にわたり鶴見の地に根づいたクリニック

80年以上の歴史があるクリニックだそうですね。

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院1

【有希子院長】創業者は院名にもある福田恒一先生で、私が卒業した昭和大学の大先輩にあたります。1938年に眼科のクリニックとして開業し、当初から近隣にお住まいの皆さんに親しまれていたようです。私が引き継いで院長に就任したのは2001年のことです。信頼ある医院を引き継げてとてもうれしく、責任も感じながら診療しています。80年以上地域に根づいたクリニックですので「福田先生にも診てもらってたのよ」とおっしゃる患者さんや、そのお子さん、お孫さんが来院されることもあるんですよ。2008年からは内科を併設し、診療の範囲も広がりました。

院長はなぜ眼科の医師をめざしたのですか?

【有希子院長】医師をめざしたのは父の影響のほかに「女性が一生続けられる仕事」に就きたいと考えたからです。これは眼科を選んだ理由にもつながります。女性が生きていく間には、出産や子育てなどライフスタイルの変化が訪れます。時には家庭を優先して仕事量をセーブしたり、子育てがひと段落したらそれまで以上に治療や研究に力を入れたり。そういった融通の利きやすい職業だと思っています。眼科を選んだ理由はもう一つあり、それは治療後にすぐ結果がわかる分野だからです。成果がすぐに見えることが、私の性格に合っていると感じました。実際に出産や子育てを経験し、多くの眼科疾患に携わってきましたが、眼科の医師を選んだのは正解だったと実感しています。

副院長はアメリカでも研鑽を積んできたと伺いました。

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院2

【武司副院長】私が医学部に入学した頃、循環器分野はアメリカが先端で、トレーニングのシステムも確立していました。そこで大学卒業後しばらくして、ジョージ・ワシントン大学の循環器内科に留学し、研究などさまざまに経験を積んできました。このままアメリカで仕事をしていこうと思い始めていたとき、日本から「戻ってきてほしい」と教授が訪ねてきて、呼び戻されたのです。家族はアメリカに残したまま、私だけ日本へ単身赴任する話まで出たのですが、何とか家族全員で戻ってこれました(笑)。

眼科と内科の連携で症状の変化を見逃さない

なぜ眼科と内科を併設されたのですか?

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院3

【有希子院長】眼科と内科には密接な関係があるからです。私は大学病院で糖尿病による合併症である「糖尿病網膜症」を主に診ていたのですが、そこでも眼科と内科との連携がとても重要でした。当院が眼科だけの頃は他院との連携で内科疾患に対応していたのですが、父が病院を退職したのをきっかけに、院内に内科を併設しました。眼科で感じた疑問を内科ですぐに確認できますし、内科からも「一度眼科で検査を」と紹介でき、患者さんにも便利だと考えています。
【武司副院長】目は情報を受け取る感覚器であるだけでなく、病気の危険サインも知らせてくれます。健康診断では眼底写真を撮ることも多いですよね。あれは目の中の血管を診ているんです。高血圧や動脈硬化、糖尿病などの兆候もチェックしています。私は心臓や血管を扱う循環器内科で勤務してきましたが、その際も診断に目の検査情報を役立ててきました。

眼科ではどのような診療が受けられるのでしょうか?

【有希子院長】幅広い検査に対応できるよう、目の断層写真を撮影するOCTを設置しています。これは眼底や網膜を縦割りに撮影して、奥まで詳細に状態を観察していく検査機器。加齢黄斑変性症や緑内障をはじめとする網膜の病気の判定に役立ち、メリットは大きいです。緑内障の視野検査機器もそろっています。網膜に穴が開いてしまう網膜裂孔や、糖尿病の合併症による出血では、レーザーを用いてそれ以上の進行を防いだり遅らせたりしていきます。また眼瞼下垂などまぶたに関するもの、翼状片など目の表面に関するものについても当院で手術が可能です。加齢黄斑変性症や、黄斑浮腫に対しする硝子体注射も行っています。

内科の診療内容についても教えてください。

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院4

【武司副院長】内科と循環器内科に幅広く対応しています。動脈硬化の進行度を数値化する機器も導入しています。病気の早期発見はもちろん、患者さんの病状を数値で把握していくことで、説明も非常にわかりやすくなります。治療中の場合は症状の改善状況も数値でわかるため、病状の理解も進むと考えています。さらに治療への意欲を高めていくことにもつながるでしょう。病気を早期発見して先端の医療へと紹介する道筋をつけるのがクリニックの役割ですから、適切に診断ができるよう、「どのような暮らしをしているか、どんなストレスを抱えているのか」など、病気に関わる複雑な背景にも注意して診療しています。

双方向での病診連携が地域医療を支えていく

医療機関との連携にも力を入れていると伺いました。

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院5

【武司副院長】当院にもレントゲンや心電図はありますが、クリニックでは設備も限られます。CT・MRI・エコーや血管造影も専用の医療機器が必要ですし、精密検査や入院を伴う治療には他院との連携が不可欠です。そして患者さんに責任を持って連携先を紹介するには、私たちが連携先について知っていなければなりません。どのような医師が、どのような設備で、どのような治療を行っているか。医療連携室の対応は迅速か。それを知るために地域の大規模病院の勉強会などにも参加し、交流を深めています。開業医が大規模病院の設備に期待するのと同様に、当院のような開業医に期待されていることも多いです。まず地域の皆さんの医療の入り口であること、適切な診断で適切な紹介先を見つけること、そして大規模病院で集中治療を終えた患者さんの経過観察やフォローです。このような双方向の連携が、これからの地域医療を支えていくのではないでしょうか。

診療で心がけていることを教えてください。

【有希子院長】患者さんの話をしっかり聞き、不安を解消できるよう心がけています。残念ながら、一度罹患してしまった網膜疾患が元に戻ることはほとんどありません。悪くなる兆候が見つかったら早めに手を打って、その状態をいかに進行させずに維持していくかが重要です。ですから早く治療に取り組んでいただけるよう、現状と将来の予測をわかりやすく説明しています。また、受診後に検査結果を残しておける「眼のかかりつけ手帳」をお渡ししています。視力や眼圧の記録が残っていくことで自己意識を高めてもらうことが目的です。患者さんは以前より治療に前向きになっているようです。
【武司副院長】検査結果をお伝えする際は「大丈夫でした」の言葉だけでなく、必ず数値と一緒に必要な説明を加えています。具体的な数値を見ることで患者さんのモチベーションが上がり、「もう少し食事に気をつけよう」などといった気持ちが強くなるかもしれませんからね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

西村有希子院長、本宮武司副院長 福田記念 本宮眼科内科医院6

【有希子院長】症状の変化や悪化の兆候といった危険信号を見落とさず、病気の早期発見に努めています。治療プランや紹介先は、患者さんのご希望やライフスタイルに合わせて提案します。病診連携にも力を入れていますので、安心してご相談ください。
【武司副院長】血管の病気では胸痛・息切れ・動悸・むくみを訴える方もいらっしゃいますが、自覚症状のないケースも多いんです。例えば高血圧や高コレステロールはさまざまな病気を引き起こしますが、それ自体に自覚症状はありません。自治体や職場の健康診断は定期的に受け、ぜひご自身の健康管理に役立ててほしいと思います。

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