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勅使川原 剛 先生の独自取材記事

横浜鶴見中央眼科

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日:2021/10/12

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科 main

2019年9月にビルを移転し、より広々とした院内に生まれ変わった「横浜鶴見中央眼科」。同院で行う診療の中で特徴的なものは、白内障手術だ。「手術時はもちろん、術前の検査についても精密に行うために導入する機器にこだわり、術後の視力向上に努めています」と話すのは、多くの白内障手術を手がけてきた手術担当医の勅使川原剛先生。治療前には画像を使った丁寧な説明で患者の理解促進を図っているという勅使川原先生に、得意とする手術治療や診療スタンスについて聞いた。

(取材日2019年11月28日)

レーザーを使った白内障手術に注力

移転して施設を拡充されたそうですね。

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科1

待合室や検査室が全体的に広くなり、診察室も2つになりました。待ち時間が減ったので、患者さんのご負担はかなり軽減されたのではないでしょうか。私たちも、患者さんとこれまで以上にじっくり向き合えるようになり、手術の説明にも時間を割けるようになりました。当院では、患者さんご自身に目の状態をご理解いただくことを目標として、丁寧な説明を心がけています。専門知識がなくても状況を理解できるよう、モニターに患者さんの目を映し、ご自身で見ていただいているんですよ。スタッフの意識も高く、患者さんのどんな質問にも答えられるようにと定期的に勉強会を開催しています。診察室から出てきた患者さんには「何かわからないことはありませんでしたか?」といった言葉をかけて不安をくみ取り、手術の際にはリラックスしていただけるような声がけに努めてくれています。

レーザーによる白内障治療に強みがあると伺いました。

当院では、私の白内障手術やレーシック手術の経験を生かし、特に先進的な白内障手術を通して鶴見の地域医療貢献に努めています。2015年に当院の手術環境を大幅に向上させてからは、積極的に眼科手術に取り組めるようになりました。白内障は眼内の水晶体が濁ってしまう病気で、この水晶体を人工眼内レンズに入れ換えるのが白内障手術です。当院では白内障手術にフェムトセカンドレーザーを導入し、従来はマニュアルで行っていた角膜切開や前嚢(ぜんのう)切開、水晶体核分割という3つの重要な手術過程をレーザーで行うことで、より安全で精度高く行えるように取り組んでいます。当院が使用するこのレーザー機器は、国内でもまだ導入している眼科医院は多くないようですね。

レーザーを使った白内障手術にはどんなメリットがありますか。

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科2

フェムトセカンドレーザーは気泡によって組織を乖離(かいり)させるため、従来のレーザーのように熱が発生しません。そのためリスクが少なくなり、「目にレーザーを当てるのが怖い」という理由で手術を躊躇していた人にも安心していただけるかと思います。また、レーザーを使用することで、多焦点眼内レンズ手術の精度向上が望めるのも大きなメリットです。最近の多焦点眼内レンズは遠中近の3焦点で、単焦点眼内レンズに比べデリケートです。このレンズの魅力を最大限生かせるのが、レーザー手術なんです。ちなみに、白内障自体は高齢の方に多いですが、多焦点眼内レンズを挿入するレーザー白内障手術を希望するのは比較的若年層の方が多いですね。

術前の検査に使用する機器にもこだわり、高精度を追求

レーザー白内障手術の流れを教えてください。

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科3

手術に際しては、術前検査がすべてといっても過言ではありません。手術当日、手術自体は約15~20分で終了します。手術後も、少し院内でお休みいただけば眼帯なしでお帰りいただけるので、想像より負担が少ないと思いますよ。来院から手術を終えてクリニックを出るまでの所要時間は約2時間ほどです。

術前検査がとても大切なのですね。

その通りです。当院では、白内障手術に先ほどお話したレーザー機器を使用しているのに加え、角膜曲率半径を光学的に測定する前眼部形状解析装置をはじめとした先進の機器を術前検査にも導入して、術後視力の向上に努めています。また、レーザーを用いた白内障手術では、乱視矯正用のレンズを用いて乱視の矯正を行っていくことも可能です。そのため、角膜トポグラフィーシステムを用いて精密に乱視軸などを測定して、手術計画作成を行っています。当院では、検査のスペシャリストである視能訓練士が検査を担当するのも特徴ですね。

手術以外の設備にもこだわっているそうですね。

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科4

緑内障や網膜疾患にはOCTと呼ばれる光干渉断層撮影装置を使用し、早期発見・治療に努めています。これは、眼底を精密に検査していく検査機器です。これまで検査に使用していた眼底カメラは、網膜表面の状態しか確認できませんでしたが、OCTであれば網膜の断層撮影や網膜の厚さの測定が可能で、表面から見ただけではわからない異常を見つけることが可能となっていきます。これによって、緑内障や黄斑疾患などの診断と、そこから適切な治療へとつなげていけるようになりました。緑内障や網膜硝子体手術は、当院が所属する中央眼科グループの本院である、横須賀中央眼科と連携しての対応も可能です。

時代に即した医療を提供できるよう、新しい知識も吸収

診療において、最もやりがいを感じる瞬間を教えてください。

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科5

白内障などの手術を行ってすぐ、患者さんに変化を実感していただいた瞬間でしょうか。また、慢性疾患で長く通われている方と信頼関係を築ける点もやりがいの一つです。例えば、最初の通院のきっかけがものもらいであっても、医師やスタッフとの関係性によっては「せっかくだから緑内障の検査も受けてみよう」と思っていただけるようになり、疾患の芽を早期に摘むことができます。これからもっと関係性を深めて、皆さんに一生頼りにしていただけるクリニックへと成長していきたいですね。

今後、新たに導入する治療などはありますか。

新たな近視・乱視矯正として注目されているICL(眼内コンタクトレンズ)を手がけることが決まりました。小さく薄いレンズを目の中に埋め込むICLは、万が一不具合が生じたらレンズを変えられる可逆性が特徴です。角膜を削るため、一度手術したら元の状態には戻せないレーシックの弱点を補う手術として期待されています。ICLで最も重要なのは、個々の目の大きさに合ったレンズを選ぶこと。当院では、先進の機器を用いてサイズを計測していきます。白内障の手術同様、しっかり時間をとって目の状態と手術の内容を説明しますから、わからないことがあれば何でも聞いていただきたいですね。また、2020年からは、小児専門の外来もスタート予定です。お子さんが多い地域なので、斜視や弱視はもちろん、近視の進行抑制などでもお役に立てるといいですね。

最後に、読者にメッセージをいただけますか?

勅使川原剛先生 横浜鶴見中央眼科6

レーザーを用いた白内障手術の国内での認知度は、まだあまり高くないと思います。その利点を多くの方に知っていただき、見える喜びを感じてもらえるよう、周知に努めていきたいと思っています。欧米では、既に単焦点眼内レンズを入れている方に対しても、特殊な多焦点眼内レンズを追加挿入することで、多焦点機能を提供する手術が行われています。そういった、日本ではまだ導入例が少ないような、新しい医療技術についても勉強を続けて、時代に即した医療を患者さんに提供できるようにしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

白内障手術(多焦点眼内レンズ)/片眼38万円~(保険負担割合による)

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