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三谷 和男 院長の独自取材記事

三谷ファミリークリニック

(堺市西区/鳳駅)

最終更新日:2021/10/12

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阪和線の鳳駅東出口から歩いて2分。商店街の中にある「三谷ファミリークリニック」は、西洋医学に漢方を取り入れた診療を行う。院長の三谷和男先生は、長年東洋医学について研究。そんな中、教え子で現在ともに働く巽欣子(たつみ・よしこ)先生に「研究者よりも臨床家の方が向いている」と言われ、クリニックのオープンを決意した。「その人を取り囲む環境すべてを診ること」をモットーにし、患者一人ひとりの症状に応じた治療方法を提案。在宅診療や、コミュニティースペースの運営も手がけ、人々が生き生きと暮らせるサポートにも尽力している。「すべては患者のため」と語る三谷院長に、その治療スタイルや地域医療にかける想いを聞いた。

(取材日2019年4月11日)

西洋医学に漢方を組み合わせて治療を行う

医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

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私の父が医師だったことが大きいですね。父は、病院から帰ってきて、まず机に向かうようなたいへんな勉強家でした。私の友人にも勉強家はたくさんいますが、父ほど熱心な人は見たことがありません。仕事が休みの日でも、本を読んでいました。医師としてもたいへん優れた人で、患者さんから感謝されている姿を見る機会は多かったので、自然と父を尊敬していました。ただ私の小学校の卒業文集には将来の夢に、なぜか医学者と書いてあるんです。大学で研鑽を積んだ後は、父がいた加賀屋病院に所属。漢方を専門としていた父のもとで本格的に漢方について学び始めました。

西洋医学に漢方を取り入れて、診療を行っているそうですね。

はい。私自身は東洋医学を軸に据えていますが、西洋医学を用いないわけではありません。例えばコレステロールやHbA1cの数値を正常に戻すという部分では、西洋医学を主とした薬を処方します。それでも、なかなか元気になれない、と患者さんが思っている時に漢方を用いるようにしています。東洋医学の中にある「めぐり」という考え方を持つことで、加齢やストレスなどの原因にも着目し、幅を広げて治療することができるのです。よく漢方治療について話す際の例えで、戦国時代の城攻めの話をします。病気という天守閣を落とす時、まず外堀を攻め、内堀を攻め、そしてやっと天守閣を落とすんです。周りからじわじわと攻撃する手法の一つに漢方があるのです。そして、外堀を埋めるのは、決してお薬や漢方、運動や食事だけではありません。人の力も必要だということを忘れないでほしいですね。

具体的に、どのような症状の訴えに漢方を取り入れていますか?

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そうですね。関節リウマチなどの「痛み」の緩和です。大学では脳神経内科を専攻していましたが、一般内科で仕事を始めてからはたくさんのリウマチ患者さんを診てきました。そこで炎症による痛みは、「めぐり」が悪いことでより強く感じることがあるようです。投薬で炎症を抑えながら、痛みの訴えに対しては漢方を使い、併用して病状を診ています。ほかに、胃痛もそうですね。食べるのを止めなさいと責めたりはしません。なぜ食べ過ぎる状況になるのか、そうならざるをえないその人なりの背景があることを考えて、胃薬以外にも「めぐり」を良くする漢方を一緒に処方して、消化を促すような治療を行います。胃痛の原因の早食いや過食は、根本に現代人が忙しすぎるという原因があることも忘れてはいけません。生活に余裕を持つように心がけることも、合わせて指導しています。

生活背景など「その人のすべてを診る」ことが重要

日々の診察の中で気を配っていることはありますか?

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人間をよく知ることですね。特に、その患者さんの「笑う」「ほろっとくる」「怒る」の3つのツボを早く見つけることです。「笑う」ツボを押して、リラックスさせ、「ほろっとくる」で本音を引き出します。また、「怒る」のツボは押すことはありませんが、重要なんです。例えば、独自の健康法を持っている人は多い。医者の立場からすれば健康的といえないようなことも、その人なりの実感があるからこそ続けているのでしょう。それを否定されたり、説教されたら、病気を抱えてクリニックにわざわざ来たのに、さらにつらい思いをさせてしまいます。また、変則勤務の方に早く寝なさいと言っても無理ですよね。実情に合わないことも言わないよう気をつけています。患者に責任を負わせないことは、われわれ医師の鉄則。患者さんの気持ちに寄り添うことを大事にしているんです。

患者さんの年齢層は?

小学生から高齢者まで、すべての年齢層の方がお越しです。レントゲン、超音波エコー検査、血液検査などの検査機器も充実しており、内科として幅広い主訴に対応しています。「三谷ファミリークリニック」と名づけたのは、「ファミリー=地域の家庭医」をめざしたいという想いから。今では、患者さんの身近な相談相手として、ご家族全員で通われている方もいらっしゃいます。慢性疾患の療養指導に東洋医学を取り入れた診療を行っていることから、主訴としては、痛み、めまい、耳鳴り、皮膚症状、リウマチ苦痛の方も多く、もう一人の先生は糖尿の患者さんを中心に診察されています。耳鳴りなどの場合は、近隣の耳鼻科の先生など、専門医療機関とやり取りを行い、どちらの診察も受けてもらいながら、並行して診療していただいています。

在宅を中心に診療されている先生もいるそうですね。

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そうです。現在は3人体制で行っています。私が2代目の会長をさせていただいている「在宅を考える会」の勉強会に来てくださった方米本先生です。総合病院からのご紹介などで、在宅診療の依頼が多く、できるだけ地域の要請に答えたいと考えていたところでした。在宅部門を主に担う人がいないので、ご協力いただけないかと声をかけました。診察は1対1の関係で向き合い、その人自身をトータルで診て行く必要があります。丁寧な診療を行うためには、生活背景や家族関係を知ることが重要。そのためにも昔から力を入れていきたいと思っていた部分でもありました。

地域のホームドクターとしてあらゆる面で健康を支える

コミュニティースペースも運営されているとお聞きしました。

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人を元気にするには、人の力が不可欠です。病院で病気を治すことだけでなく、地域の人同士のエンパワーで元気になってもらいたい。そのためには、誰もが気軽に集える場所が必要だと思ったんです。例えば、独居の方にお話を聞くと、一人で食べていてもつまらないと言うのです。ならば、同じ境遇の方が一緒に食事できるスペースがあれば、食欲も出て、胃薬が要らなくなるのではと考えました。そのため、カフェ兼コミュニティースペースを設置しました。まだ社会実験の途中で、私もいろいろ試行錯誤を重ねている段階ではありますが、集まってくる人々が自分をアピールする場、新しい出会いのスポットにもなっているようです。

ところで、先生のご趣味は何ですか?

電車に乗って旅行することが好きです。例えば奈良で学会などがあれば、行く時にわざと遠回りして行くのがささやかな喜びです。次の夏休みは大学の友人と山陽道から山陰道をぐるっと電車で1周する予定なんです。そして気が向いたらふらっと駅を降りる。「世間話の三谷」といわれていたほど、人間が好きで、おしゃべりすることが好きなんですよ。旅先で出会った人とのふれあいも楽しみですね。あと、温泉も好きです。手足を伸ばせるのが気持ちがいい。ストレッチすることはリラックス効果が高いので、患者さんにも勧めています。簡単に取り入れるには、ラジオ体操です。音楽に合わせる必要はなく、1つの動きを自分の限界まで伸ばすとスッキリしますよ。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

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私がお勧めしたいことは、もう一つあります。それは「言いたいことを飲み込まない」ということです。鎌倉時代の「大鏡」という歴史物語に「おぼしきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心地しける」とあります。つまり「思っていることを言わないと体調が悪い」と書いてあるのです。しかし、思っていることを何でも言っていいわけではありません。大鏡の続きにも「庭に穴を掘ってそこに向かって言い入れなさい」とあり、相手にぶつけなさいとは書いていません。しかし日頃から、まっすぐ人に向かって話し、意見交換をすることはとても大切なことです。そして、本当のピンチは、話し相手もいない時に訪れます。当院では、女性医師による診療も行っており、経験豊かなスタッフもおります。どのようなご相談も受け付けていますので、まずはおしゃべりに来る気持ちで、いつでもお越しください。

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