中居 伸行 院長、城下 隆一 副院長の独自取材記事
なかい歯科
(京都市中京区/京都市役所前駅)
最終更新日:2026/09/04
京都市役所前駅から程近い場所にある「なかい歯科」は、補綴やインプラントの高度な専門性を誇るクリニックだ。中居伸行院長は補綴を専門とする歯科医師で、国内外での講演活動にも携わる一方、過剰な介入を避ける「患者中心」の医療を組織全体で追求している。2025年4月に副院長へ就任した城下隆一先生は、中居院長の理念を深く継承し、科学的根拠に基づく「標準化」された高品質な診療を実践する。同院の真髄は、ただ欠損を埋めることではなく、残存歯の保存と予防を究極のゴールに据える姿勢にある。先進機器を備え、患者の人生に寄り添う対話重視のスタイルで診療を行う同院の診療理念や組織としての強みについて、中居院長・城下副院長の2人に話を聞いた。
(取材日2026年7月28日)
「標準」の医療をチームで追求。患者の人生に寄り添う
城下先生が副院長に就任されましたが、いかがですか。

【城下副院長】2025年4月に副院長を任されました。廊下ですれ違いざまに「4月からよろしく」と声をかけられたときは、とても驚きましたね。就任後はこれまで以上に責任の重さを感じていますが、診療内容そのものが大きく変わるわけではありません。日々の研鑽を積み、世界の新しい知見を学び続けることが、患者さんへの貢献につながると信じて実直に取り組んでいます。
【中居院長】城下先生は人柄が優しく、7年にわたり当院のコンセプトや治療方針を深く理解してくれています。彼の魅力は「標準的なことが過不足なくできること」。文字にすると伝わりづらいかもしれませんが、これは実は非常に難しいことです。どの角度から見ても「標準」を維持し、私の理念を体現できる城下先生には、安心して診療を任せることができています。
院長の考える「標準」について、具体的にお聞かせください。
【中居院長】私が考える「標準」とは、科学的根拠に基づいた診断と治療を組織全体で徹底することです。特定の歯科医師の勘や経験に頼るのではなく、院内のどの歯科医師に相談しても世界の論文に裏づけられた同じレベルの回答が返ってくるよう、診断基準の「標準化」を追求しています。プロの理想を押しつける「術者中心」の医療ではなく、あくまで患者さんの生活を第一に考える「患者中心」の視点に立つことが当院の特徴です。一つ一つの処置において「なぜそれが必要か」という根拠を明確にし、どこから見ても間違いのない医療を提供するために、チーム一丸となって取り組んでいます。
こちらのクリニックの土台となっているのですね。

【中居院長】そうですね。歯科医師としての適切な診断と、患者さんの意志決定は別物であるという認識をスタッフ全員で共有しています。私たちの役割は客観的な材料を提示することであり、最終的な着地点は患者さんの人生を尊重して決めるべきだと考えています。
【城下副院長】中居院長とともに研鑽を積む中で、治療において本当に大事な部分を見極める力がつきました。以前はとにかく全力で欠損を埋めることが最善だと考えていましたが、今は科学的根拠を軸に、その方にとって何が最小限の負担で価値を生むかを冷静に検討できるようになりました。院長の掲げる「患者さんの人生や価値観を尊重する」という理念が、私たちのあらゆる診療判断の根底に流れる共通の土台となっています。
補綴の本質を見極め、過剰な介入はあえて避ける
中居先生は補綴の専門家でいらっしゃいますね。

【中居院長】補綴の専門家として研究を続けてきましたが、現在は国内にとどまらず、先日はワシントンで講演を行うなど、世界中の歯科医師に向けて話をする機会を作っています。私が大切にしているのは、約70年前にアメリカの歯科医師が提唱した「補綴の究極のゴールは、欠けているものを綿密に置換することではなく、残っているものを永続的に保存すること」という言葉です。精巧な装置を作ることだけが目的ではなく、今ある健康な状態をいかに維持し、装置とともに患者さんの長い人生を支え続けられるかが、補綴治療の本質だと確信しています。完成がゴールではなく、そこから始まる長期的なケアと伴走する態度が、私たち専門家に求められる役割なのです。
必ずしも、埋めなければいけないわけではない、ということでしょうか?
【中居院長】そのとおりです。大学教育では「欠損は埋めるもの」と教わるため、若手の歯科医師に「埋めることにとらわれない」と言うとかなり驚かれます。しかし、歯科医師が欠損を見たら何でも埋めなければならないと思い込む“解決病”になってはいけません。不都合が生じていないのであれば、あえて介入しない選択もQOL(生活の質)を守る上では正しい治療になり得ます。私の国際論文でも、不要な介入がオーバートリートメントになる可能性を示唆しています。私たちは科学的なデータをもとに、治療しないリスクと治療するメリットを公平に提示します。最終的にどの道を選ぶかは、プロの理想の押しつけではなく、患者さんご自身の価値観に委ねられるべきなのです。
城下先生のお考えは、いかがですか?

【城下副院長】以前は、歯がない場所があれば補うのが当然だと思っていました。しかし今は「そもそも患者さんは困っているのか?」という視点をまず持ちます。歯が少なくても本人がハッピーなら、無理に介入して違和感を与える必要はありません。例えば合わない入れ歯で悩んでいる方なら、十分なカウンセリングを経た上で「無理に使わなくて大丈夫」とお伝えすることもあるでしょう。歯を抜くことや埋めないことへの罪悪感から解放され、客観的な診断と患者さんの主観を切り離して考えられるようになったことは、私にとっても大きな転換点でした。技術に溺れることなく、患者さんの日々の生活がどうすれば豊かになるかを第一に考える診療スタイルが、今の自分にはしっくり来ています。
究極のゴールは予防。自ら選び取る「患者力」を支える
診療において大切にされているポイントは何ですか?

【中居院長】「究極の補綴治療は予防である」という点です。病気が進行して歯を失った結果に対処するだけでは、根本的な解決になりません。水浸しの床を拭き続けるのではなく、元凶である蛇口を閉める。つまり、原因を断つことが重要です。治療の時間や費用といった医療資源を最小限に抑え、余った力を予防に回せば、次の欠損を避けることにつながります。予防はコストパフォーマンスもタイムパフォーマンスも優れた治療なのです。私の仕事である補綴治療が将来的にこの世からなくなること、つまり皆さんが自分の歯を失わずに一生を終えられるようになることが、歯科医師としての夢であり、願いですね。
患者さん自身の考え方にも深く関わることですね。
【中居院長】当院では、患者さんが自ら納得できる治療を選び取る「患者力」を引き出すことを重視しています。そのためには、患者さん自身がお口の現状を正しく認識し、自発的にケアに取り組む行動変容が不可欠です。カウンセリングでは3Dスキャニングなどのデジタルツールを活用し、視覚的に「蛇口が開いている状態」を理解していただく工夫をしています。患者さんが「悪くならないためにここに来よう」と思えるよう、私たちは客観的な材料を提供し続けるのみ。自分の健康を自分で守るという意識を持っていただくことが、予防を成功させる大きな鍵となります。私たちはその良きパートナーとして、患者さんの主体的な健康づくりを全力でサポートしていきます。
最後に、今後の目標や読者へのメッセージをお願いします。

【中居院長】後進の育成を通じて、「患者さんを尊重する医療」を広く社会に還元していきたいと考えています。年齢や国籍、症状の程度を問わず、どんな悩みでも受け入れられる「引き出し」をチーム全体で磨き続けています。急を要する場合を除き、当院の診療はカウンセリングから始まります。あなたの人生に最適なゴールをともに探りましょう。
【城下副院長】お口の問題は気づかないうちに進行していることが多いものです。歯科医院は「痛くなってから行く場所」ではなく、まずは自分のお口の状況を知るための場所として気軽に活用してください。先進の知見と根拠に基づき、患者さんの幸せを第一に考えた誠実な医療を提供していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた部分矯正/44万200円~
インプラント(サージカルガイド料込み)/56万円~
オフィスホワイトニング/2万9700円~
ホームホワイトニング/4万4000円~
デュアルホワイトニング/6万6000円~
オールセラミック冠/13万円~

