佐々木 教裕 院長の独自取材記事
佐々木歯科クリニック
(名古屋市中区/上前津駅)
最終更新日:2023/04/04

上前津駅12番出口から徒歩2分のところに「佐々木歯科クリニック」はある。開院は2003年。ビルの4階にあり、エレベーターからすぐの目の前のドアを開けると、木目を意識した優しい雰囲気のゆったりとした待合室が広がる。院内はバリアフリーだ。これは温厚で温かみのある表情が印象的な佐々木教裕(のりやす)院長の患者への気配りから生まれた空間。患者の歯科医院への恐怖心を払拭できるように痛くない治療を心がけるなど、随所に患者を第一に考えた院長の気配りが光る。また、会社勤めの人でも通いやすいように診療時間にも工夫が見られる。治療方針や力を入れている治療についてなど詳しく話を聞いた。
(取材日2016年5月17日)
痛くない治療をめざし、工夫を凝らす
開院までの経緯を教えてください。

父親が内科医だったせいか、小さな頃から医療系の仕事に就きたいと思っていました。昔から物を作るのが好きだったので、歯科医師に漠然と興味はありましたが、医師である父親の手前、なかなか決断できず、大学浪人をきっかけに歯科医師をめざしました。歯学部卒業後は2年間歯科理工学教室の研究生となりました。そこで技工物の材料1つとってもメーカーなどによって微妙な差があり、材料について理解を深めないと、きちんと使いこなせないことなどを学びました。例えば技工物の材料の色をしっかり見極めないと、実際の歯の色と合わせることさえできないのです。昨年から始めたセレックシステムによる治療で技工物を作るときに、当時の経験が生かされていると思います。その後は名古屋市南区にある鈴木歯科医院で勤務医として経験を積み、2003年に当院を開院しました。
駅近くのビルの4階と、便利なところにありますね。
この辺りはオフィスが多く、大きな会社も近くにありますので、患者さんは会社員の方が中心です。だいたい30〜50代の方が多く、この付近でアルバイトをする10代の方やご近所に住むご高齢の方もいらっしゃいます。診察は仕事帰りの夕方が一番混み合います。午前中は近くの主婦の方やフレックス勤務の会社員の方、また会社員の方はお昼休みにも来院するので、午前の診療時間を13時半までとしました。夜も仕事帰りの方が通えるように19時半まで診察していますが、どうしてもの場合は、ご連絡をいただければ都合の許す限りもう少し遅い時間でも対応します。また、土曜日の診察も17時まで。週末は寝坊したい会社員の方に好評です(笑)。最近は皆さんインターネットをきっかけにして来院されます。少し前は駅に広告を出したりしたものですが、時代は変わりましたね。
広い待合室ですね。

歯科医院は威圧感がありますから、せめて待合室はゆったりした感じにしたいと思いまして。地下鉄の駅の近くに開業しようと考えていましたが、動線がよく待合室のスペースを充分に確保できる間取りの物件にこだわって、ここに決めました。受付は木目を意識して、温かい感じに仕上げました。当院の規模からすると少し大きすぎるかもしれませんが、受付のスタッフと患者さんが談笑しているのを聞くと、患者さんはリラックスできているようなので、これで良かったと思っています。ビルにはエレベーターがあり、院内はバリアフリーなので車いすの方もお越しいただけます。お年寄りの方の来院も意識してスロープをつけました。
セレックシステムによる治療やいびきの治療に力を注ぐ
患者は主にどんな症状で来院しますか。

一番多いのは虫歯で、次は歯周病ですね。仕事が忙しかったり、歯科医院が怖かったりしてなかなか歯科医院に通えず、虫歯が悪化してから来る方も。女性の中には「虫歯で歯がボロボロで恥ずかしい」とおっしゃる方もいますが、頭ごなしに強く言うことはありません。大切なのはきちんと歯を治したいという意思。「よく勇気を振り絞って歯科医院に来てくれました。これから一緒に治しましょう」と声をかけています。そして、明らかに治療を怖がっている様子なら、軽めの治療から始めて、怖い気持ちを払拭しながら歯科医院に慣れてもらうなど治療の順番も考慮しています。「あの店のお菓子はおいしいですよねえ」なんて世間話もしながら、なごんでもらえるように努力しています。
力を入れている治療について教えてください。
昨年からセレックシステムを用いた治療を始めました。この治療はCADなどの専用の機械を使って詰め物やかぶせ物といった技工物を作ることです。原料はセラミックで耐久性があり、汚れもつきにくいんですよ。当院で作っているので一般的な入れ歯などの技工物よりも早くできあがります。お急ぎの場合はお時間をいただければ1日で完成することも。保険適用外ですが費用は銀歯よりも安価です。見た目が白くきれいなので、皆さんに喜ばれています。主に女性の方に人気ですが、「銀歯が見えるのが嫌」と言う男性の方にもお試しいただいています。金属の技工物に使われるバラジウムは金属アレルギーを起こすことも。金属アレルギーの方にもお勧めです。
いびきや無呼吸症候群の治療にも力を入れているそうですね。

いびきをかく人は国内に2000万人以上、そのうちの約10%が睡眠時無呼吸症候群だと言われています。私は開院前、かれこれ10年以上前から治療に取り組んでいます。良質の深い睡眠こそ健康の源です。習慣的にいびきをかく人には治療を勧めたいですね。治療はスリープスプリントというマウスピースを就寝時につけて呼吸をしやすくすることでいびきを軽減します。マウスピースをつけるとよく眠れるようです。マウスピースを作ってすぐに出張先でなくしてしまった患者さんが、「もう手放せない」とまたすぐに作りに来たこともありました。いびきはデリケートな問題と思われるかもしれませんが、気を使い過ぎて聞きたい話が聞けなくなっては元も子もありません。ざっくばらんにお話ししています。
モットーは「患者第一」。随所に院長の優しさが光る
治療方針をお聞かせください。

今は次々と新しい治療が出てきています。新しくて良いものもありますが、以前からある治療にも良いものがあります。患者さんを第一に考えて、現状で一番合うものを選択しています。例えばインプラントは当院では勧めていません。個人的な意見かもしれませんが、インプラントは骨格のしっかりした西洋人に合った治療法で、日本人には合わない可能性があると考えています。患者さんの歯を抜く治療よりも、歯が長持ちするような治療を優先させたいです。「地道にコツコツ」やっていくのが一番だと思っています。もちろん、講習会に参加したり、技工などの材料のデンタルショーに出向いたり、学会に参加したりして新しい技術や知識の習得には努めています。また、親戚に歯科医師が何人かいるので、ここも大切な情報源となっています。
歯科医院が苦手な方への対応策を教えてください。
治療時になるべく痛みを感じないように気を配り、患者さんが痛いと感じる治療にはなるべく麻酔を使っています。やはり人によって痛みのレベルは違いますので、ご自身がつらいと感じた時は、遠慮せずに伝えてください。麻酔はまず歯茎に表面麻酔を塗ってから注射します。麻酔液を人肌程度に温めたり、針は細いものを使ったり、ゆっくり液を入れたりと痛くしないためのさまざまな工夫をしています。これらをすべて行うためには手動よりも電動注射器の方が確実ですので、電動のものを使っています。
最後に読者にメッセージをお願いします。

一般的に歯科医院は怖いところと思われていますが、そんなイメージを持たずに来院して欲しいです。定期的な歯のクリーニングは歯の健康を保つのに大切なことですから、もちろんそれだけでいらしていただくのも大歓迎です。アットホームなクリニックにしたいと思っていますので、私のことを先生だと思わず知り合いだと思ってどんなことでも気軽に聞いて欲しいですね。わがままは聞ける限りは聞くつもりでいます(笑)。これからも患者さんのことを第一に考えて、気軽に来られるクリニックをめざします。都合が許せば診療時間外にも対応しますので、まずはご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはスリープスプリント治療/4万円~、口臭検査/2500円~、セラミック/3万円~、スポーツ用マウスガード/5000円~(金額はあくまで目安です。詳細はクリニックまでお問い合わせください。)