亀山 威一郎 院長の独自取材記事
星ヶ丘矯正歯科
(名古屋市千種区/星ヶ丘駅)
最終更新日:2025/01/23

地下鉄東山線・星ヶ丘駅2番出口から徒歩1分。学校が多い土地柄、若者の姿を多く見かけるこの土地で、矯正歯科専門のクリニックとして診療を続けているのが「星ヶ丘矯正歯科」。院長の亀山威一郎先生が同院を一般歯科として開業したのは2007年。診療を続けるうち、専門の矯正歯科に取り組みたいと2009年に再スタートを切った。患者のニーズや状況に最大限沿った治療を心がけている亀山院長。患者への理解を深め、歯科医師としてごまかしのない仕事をするために、患者一人ひとりの治療を画像で記録している。その最後を飾る笑顔いっぱいの記念写真には、亀山院長とスタッフに対して患者からの信頼が厚いことがうかがえる。
(取材日2017年6月6日/情報更新日2025年1月17日)
患者の気持ちと自分の専門が一つに重なるのが矯正歯科
歯科医師になろうと思ったのはどうしてですか?

父は歯科大学の教員でしたが、僕は歯科医師志望ではありませんでした。最初に受験したのも医療系ではなかったのです。父からは「おまえみたいな性格なら、手に職をつけたほうが生きやすいのではないか」と勧められ、僕自身も、進学前から就職のことを考えていたので、歯学部を受験しました。学生時代は良い学生ではなく、本当にやる気になったのは卒業を間近に控えた頃です(笑)。その時に、口腔外科と矯正歯科の2つに関心が強くなり、もっと勉強しようと研究科に残り、その後は大学院に進みました。結局、8年間研究を続けていたことになります。
開業のいきさつを教えてください。
矯正を長く勉強していたので、いずれは矯正歯科で開業したかったのです。ところが「専門が狭すぎると経営的にやっていけないのではないか」と考えた両親から強く反対され、最初は一般歯科として開業することになりました。しかし、矯正治療を専門的に提供したいと思う気持ちは増すばかりでした。そもそも、一般歯科の患者さんと矯正治療を希望する患者さんは、動機が大きく違うと思うのです。虫歯になったら、仕方がないので渋々通院することが多いと思います。矯正治療を希望する方は虫歯の有無に関わらず、歯並びをきれいにしたい、口腔内の環境を良くしたいという目標の高い方が平均的に多いと思うのです。一般歯科診療を行っていた時は、治療を嫌がっている方に納得していただきながら、志した道とは異なる治療を手がけることが心苦しかったのです。そんな経緯もあり2009年に矯正専門の歯科医院として、院名も変えて再スタートしました。
星ヶ丘という地域についてはどんな印象をお持ちですか。

星ヶ丘は学校が多く、住宅が点在しているせいか、高齢の方が少ない印象です。口腔内への意識が高い方が多いのか、虫歯や歯周病の方は少ないです。年齢層は20代から40代くらいの方が多いようで、矯正をしたい方のニーズに合った場所なのかなと思います。現在は患者さんのほとんどが女性です。お子さんの矯正治療を望まれるお母さん方も多くなってきました。中には、遠くから通ってくださる方もいます。裏側からの矯正治療ができる歯科医院が近くにないというご事情もあり、静岡県や長野県から通院される患者さんもいらっしゃいました。
患者の気持ちを大切に、こまやかに接したい
舌側(裏側)矯正に積極的に取り組んでいらっしゃるのですね。

誤解されやすいのですが、舌側矯正を積極的にお勧めしているのではなく、表からでも裏からでも、患者さんのご希望に応じて選択しています。それぞれにメリット、デメリットがあり、きちんとご説明をしてから始めます。当院は成人で治療を始める方も多いため、社会生活の都合で舌側矯正のほうがメリットが大きいと感じていただけていると思います。接客の仕事をされていたり、結婚式を控えていたりと矯正装置を見せたくないというご要望も多いです。また、上を舌側、下を表側にするハーフリンガル矯正という治療法があるのですが、当院ではお勧めしていません。下は唇に隠れて見えないという意見も聞きますが、実際は見えていることが多いです。ハーフリンガル矯正にすると治療費が安くなるようですが、当院では上下両方を舌側矯正にしても金額は同じなので、裏か表のどちらかに決めていただいています。
矯正治療を専門のクリニックで行うメリットは何ですか?
矯正治療専門の歯科医院は、提供できる治療の幅が広く、各治療法に対して深い知識・技術・経験を持っています。矯正治療は患者さんの骨格や成長度合い、口腔内の個性など個別の事情を勘案して治療を進める分野で、知識・技術・経験のいずれにも高い専門性を必要とします。小児、入れ歯やインプラント治療、補綴、審美、虫歯や歯周病治療などそれぞれの専門に加えてさらに矯正までも高いレベルの治療ができる先生は、存在しないと言っても過言ではありません。一般歯科にしても、やはり先生ごとに得意・不得意があり、患者さんのお口の中を診るとそれが表れていることもあります。当院では矯正治療を行っている間、並行して一般歯科での治療が必要となる方は、僕が信頼している他の先生をご紹介することもあります。各分野の専門性を生かしながら、患者さんに最適な治療を行いたいと考えています。
診療体制や心がけていることを教えてください。

診療ユニットは3台、スタッフは受付に1人、歯科衛生士が2人です。矯正は1回の治療も長く、通院期間も2年くらいと長いお付き合いになりますので、スタッフみんなが患者さんのお名前を呼ぶようにしています。診察券を見てお名前を確認するのではなく、その前に呼びかけてあいさつをするのです。だからといって、患者さんと仲良くなりすぎることもありません。もてなし方の差があると、見ている他の患者さんにとって気分が良いことばかりではありませんよね。常連さんとは親しげだけど、僕にはどうして事務的な接し方なんだろうと思うとがっかりしてしまう。そういったコミュニケーションの差もなくしたいと心がけています。あと大事なことは、自分がされて嫌なことはしないことですね。
記録を残し、公開することに込められた意義と思い
口腔内写真を積極的に利用されているそうですね。

少なくとも、通院2回につき1回は、口腔内の写真を撮らせていただいています。患者さんは毎日ご自分の口を鏡で見ているので、変化に気づきにくいのです。ですから、前回の通院時はこんな感じで、その前はこうでとお見せすることによって、患者さんのモチベーションが上がると思うんですね。「振り返ってみると、こんなに変わっていたんだ」って。また、矯正の患者さんには未成年の方も多いため、時々付き添われるご家族にお見せして、安心していただきたいという理由もありますし、僕自身がごまかしのない治療をしたいからという思いもあります。
矯正歯科の選び方があれば教えてください。
僕自身の経験から言えるのは、相談された患者さんと似たケースの治療経過や画像などの資料を見せながら、説明してくれる先生が良いのではと思います。あまりにも治療費が安いのも心配になります。良い治療、丁寧な治療には時間も費用もかかります。ホームページなどで治療実績や費用などが公開されていれば、目安の一つになると思いますし、当院でも治療費の例などを公開しています。また、当院ではご希望の患者さんと僕と一緒に記念写真を撮らせていただき、ご感想とともに紹介しています。治療が終わって装置を外した時の皆さんの笑顔を、僕とスタッフが見るだけではもったいないと思って始めました。
今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

矯正はいつからでも始められます。当院にも50代、60代の患者さんがいらっしゃいます。経済的にも精神的にも人それぞれのタイミングがあり、それが今だと思われたなら、いつでもいらしていただきたいですね。最近は自撮りがはやっていることもあり、例えば前歯が出ている方は横を向かないように気を使ったり、いつも口を閉じて不機嫌そうに見えるのが嫌という動機で来院される方も増えています。噛み合わせを整えていくことで、歯磨きもしやすくなり、歯周病になりにくくなるでしょう。矯正は長いお付き合いになる治療ですから、毎回気分良く治療を受けられ、最後までやり遂げて喜びを感じていただけるよう、これからもスタッフ一同丁寧に患者さんに接していきます。僕自身も治療技術についてはまだまだ研鑽する余地があると思っているので、歯科医師として技術を磨いていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは検査・診断料 5万円、表側矯正治療 88万〜99万円、裏側(リンガル)矯正治療 120万~130万円、保定装置費用 4万4000円