クリニックで専門家が診療する
小児外科・小児泌尿器科疾患
緑が丘小児科
(八千代市/八千代緑が丘駅)
最終更新日:2024/08/30
- 保険診療
八千代緑が丘駅から徒歩3分の場所で地域の子どもの健康を支える「緑が丘小児科」。小児科に加え、芦塚修一院長の専門である小児外科と小児泌尿器科も診療するクリニックだ。芦塚院長は「これまで大学病院では、こどもの胸部・腹部の疾患以外にも、漏斗胸や臍ヘルニア(でべそ)など整容性が問題になる疾患の治療も数多く担当してきた」と語る。さらに同院での診療の傍ら、東京慈恵会医科大学附属病院で非常勤医長として専門外来も継続し、常に最新の情報収集に努めているそうだ。地域に医院の強みを発信するとともに、クリニックレベルでも自身の経験を生かして相談・治療に対応したいと考える院長に、小児外科・小児泌尿器科の特徴や対象疾患、診療方針などについて聞いた。
(取材日2024年3月26日)
目次
大学病院での経験に基づき、診断から医療機関への連携まで対応。適切なタイミングでの治療が望ましい疾患も
- Q小児外科や小児泌尿器科ではどのような病気を診るのですか?
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A
当院ではへそヘルニア、通称「でべそ」の圧迫治療、乳児痔ろうの切開排膿および薬物治療、鼠径ヘルニアや停留精巣といった小児および小児外科疾患の診断にも対応しています。そして治療の必要性を見極め、専門の医療機関へご紹介するのが当院の役目です。私は東京慈恵会医科大学附属病院に長く勤務し、これまで小児全般の疾患はもちろん、他科と協力して留学での経験も生かし周産期医療にも携わりました。漏斗胸は整容性だけの問題と思われがちですが、後に苦しさなど機能的な問題が出る恐れがあるため、その場合は東京慈恵会医科大学専門の外来と連携しています。大学病院での経験を生かし、より良い紹介先や時期を判断できるのは強みです。
- Q一般的な小児科との違いを教えてください。
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A
小児科は風邪をはじめ内科的な疾患を診療できる一方、日常でよく経験する小児外科疾患にも対応できます。また、先に述べた疾患の他にも切り傷・すり傷ややけどなども可能です。クリニックの外来で治療できる疾患も少なくありませんので、これは治療すべき症状なのか、専門施設を受診したほうが良いのかわからない場合はお気軽にご相談ください。小児外科ではお子さんの痔ろう・裂肛・痔核の治療の他、それに関する排便管理を専門的に行えるのが特徴です。また設備面での違いとしては、導入している小児科クリニックが少ない超音波装置を使用し、視診・触診と併せて診断・治療の必要性の判断に役立てています。
- Qでべその治療は注力しているものの一つだそうですね。
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A
でべそに対する圧迫療法は生後3ヵ月未満に始めるのが望ましく、半年を過ぎると治癒はほぼ難しくなってしまいます。9割程度は自然に治る疾患ではあるものの、自然治癒だときれいな形に治らない場合もあるため早めに介入して治療したほうが手術を回避できるというのが当院の考えです。しかし、適切な治療開始時期も圧迫治療の正しいやり方もあまり普及していないのが現状ですので、今後診療などを通して周知したいですね。親御さんにも手順をレクチャーし、ご自宅でもできそうな場合は実践していただく。不安であれば指導の回数を増やし、治療開始後は定期的に経過を観察します。
- Q便秘や排便管理の相談も行っていると聞きました。
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A
大学病院では、器質的な異常のある疾患の排便管理以外に、お子さんの便秘や排便異常の治療をしてきました。排便の問題は早めに治療介入すれば症状の早期改善も期待できますので年齢や個人に応じて薬の処方や生活改善に向けた指導に取り組んでいます。小児患者さんは赤ちゃんから小中学生まで年齢層がさまざまで治療内容も十人十色です。本人の状態に合わせ薬を出す場合もむやみに下剤を出さず、あくまで「早めに管理し、これ以上の悪化を防ぐ」ために使用するのが当院のスタンスです。薬の飲み方や便秘の原因、放置した場合のリスクを十分に説明してから治療を開始し成長の過程を見守りながら改善をめざします。
- Q東京慈恵会医科大学附属病院とは現在もつながりがあるのですか?
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A
現在も当院の休診日には非常勤医長として母子医療センターの中で専門の外来を担当しながら研鑽を続けています。小児の領域は専門分野が細かく分かれていますので、さまざまな専門家の同僚から先進の治療法を共有してもらい、可能な限り当院の診療に取り入れています。治療についてご説明する際、オリジナルのパンフレットの他に大学で使っている資料をお見せすることもありますよ。東京慈恵会医科大学附属病院は漏斗胸や舌小帯短縮症の治療に力を入れているため、より専門的な診療が必要な場合はそちらをご紹介しています。基本的には地域の専門施設と連携するなど柔軟に対応しています。