検査に関わる苦痛と不安の軽減を
鎮静剤を使用した大腸内視鏡検査
AMAKATA CLINIC
(大阪市西区/本町駅)
最終更新日:2025/06/02


- 保険診療
日本人の死亡原因の上位ともいわれる、大腸がんの発見に役立つ大腸内視鏡検査。しかし、体内にカメラを挿入することから検査そのものに苦手意識を持っている人は少なくない。本町にある「AMAKATA CLINIC」の南知宏院長は「1回目の検査はどうしてもハードルが高いもの」だとその思いに理解を示す。しかし同時に、検査への拒否感から、潜血便や明らかな便通異常があっても放置してしまっている人がいる現状に警鐘を鳴らす。初期症状が出にくい病気だからこそ、内視鏡検査は早期発見のための命綱。そこで今回は、同クリニックが実施する鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸内視鏡検査について、詳しく解説してもらった。
(取材日2024年10月23日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらで行っている大腸内視鏡検査の特徴を教えてください。
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A
当院の大腸内視鏡検査の特徴は、半分眠ったような状態で検査を受けていただけるよう鎮静剤を使用することです。検査中は基本的に体位の変換をほとんど行わないため覚醒しづらく、途中で苦しくなりにくいのです。また、精密なレーザー制御技術と画像処理技術を搭載したカメラを採用しているため微細な病変もしっかりと観察でき、病理検査前のがんかどうかの確認、切除術を行った際の取り残しの確認に役立てています。また苦手な人が多い下剤にもこだわり、比較的飲みやすい味のものを採用。希望があれば錠剤にも対応しています。さらに検査中に注入するガスは炭酸ガスなので吸収されやすく、検査終了後の腹部膨満感や不快感軽減にもつながります。
- Q検査はどのくらいの頻度で受けるのが良いのでしょうか。
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A
検査を受ける目安は40歳頃。症状がなくても、このくらいの年齢になれば一度は検査を受けておくと良いでしょう。検査の結果大きな異常がなければ、その後は2〜5年に一度の検査で良いと思います。過去にポリープを取ったことがある場合は、年に1度経過を観察しておくと安心でしょう。大腸は細かなひだがあり、ひだとひだの間も注意深く観察していますが、ポリープが残っているケースも少なくありません。その場合は再発も考えられますので、食生活の見直しなども含め、定期的にフォローアップしていくことが大切です。これ以外にも便潜血や血便を認めた場合、下痢や便秘などの排便異常が続く場合には早めに相談し、検査を受けましょう。
- Q検査にかかる時間、費用はどれくらいでしょうか。
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A
実際にカメラが入っている時間は10〜20分程度。腸の長さや形、ポリープの有無によって変動はするものの、それほど長くはありません。しかし、検査の前処置として3〜5時間前から下剤を服用するなどして大腸の中をきれいにする必要があります。簡単な体調チェックや鎮痛剤や鎮静剤の服用もあるため、来院から検査までは数時間必要です。また検査後には覚醒するまで休憩した後、検査結果の説明を行います。検査前後の時間も含めると、半日以上はかかる検査だと考えておくと良いと思います。検査にかかる費用は、保険の負担割合によって大きく異なり、またポリープ除去術や生検の有無によっても変化します。詳しくは検査前に確認しましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・事前説明
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まずは問診。気になる症状がある場合は医師が詳しく話を聞き、検査の可否を判断。安全を重視して検査を行うためにも持病や服薬中の薬があれば、忘れずに申告したい。検査を受けることになれば、事前に検査の流れや必要事項の説明がある。
- 2下剤の服用
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検査前日はできるだけ消化の良いものを食べ、20時以降は絶食。就寝前には事前に渡された下剤を服用しよう。検査当日は前日に続く絶食だが、水分は適量取ることが大切。来院後には体調を確認し、再度下剤を服用。水様便になるまで何度かトイレに行く。
- 3内視鏡検査
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診察台へ横向きになって寝た状態で、肛門からスコープを挿入。うとうとした状態で受けられるよう鎮静剤を使用することで苦痛の軽減が図られる。検査は10〜30分程度。ポリープなどの異常が見つかれば、条件によってはその場で切除術を行うことが可能だ。
- 4検査後休憩
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検査後は、心身が落ち着くまで30分程度リカバリー室で休息。鎮静剤を使用しているため、検査当日は自身での車・バイク・自転車の運転は不可となるので注意したい。
- 5検査結果の説明
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検査時に撮影した画像を見ながら、医師より検査結果の説明を受ける。問題がなければ自宅での注意事項を聞いた上で帰宅となる。異常が見つかった場合、同クリニックでは必要に応じて医療機関を紹介できる体制を構築している。生検を行った場合には、後日改めて検査結果についての説明が行われる。