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加藤 栄志 院長の独自取材記事

はなさきクリニック

(清須市/下小田井駅)

最終更新日:2019/08/28

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名鉄下小田井駅から徒歩10分ほど、住宅地の中に三角屋根でレンガ張りの洋館「はなさきクリニック」が見えてくる。「花咲(はなさき)」という地域の名称から誰からも親しみやすいのではないかと命名したのだそう。加藤栄志院長は呼吸器内科が専門で、中でも咳についての診断、治療を得意とする。咳は風邪のほかアレルギー性のもの、喘息など種類が多く、加藤院長は「たかが咳と思わず、長引く場合は受診をしてください」と呼びかける。先進の機器もそろえ、経験豊かな自身の目や耳を駆使して専門的かつ的確な治療からケアまで長期にわたって患者を支え続けている。笑顔の似合う丁寧な物腰の加藤院長に、クリニックの特徴や理念について語ってもらった。
(取材日2017年3月29日)

呼吸器内科が専門、咳の診察は豊富な経験をもつ

2007年に開業、2016年に現在地に移転新築されました。素敵な建物ですね。

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レストランと間違えられるかなと思ったのですが(笑)、白くかっちりした外観より、病院らしくない温かみのあるデザインにしたいと考えました。白衣も今日は着ているのですが、普段は着ていません。外観も院内も親しみやすい雰囲気にして、患者さんとの距離が近くなるといいなと思ったんです。お子さんの患者さんも多いので、子ども向けのBGMを流していることもあり、お年寄りから「私は場違いかな?」と言われることも。全然そんなことはなく、どなたでも気楽に来ていただける場所でありたいと思っています。

来院する患者やクリニックの特徴について教えてください。

私の専門が呼吸器内科なので、慢性疾患の患者さんでは気管支喘息の方が圧倒的に多いです。若干、遺伝的な素因がありますので、ご家族で、中にはひいおばあちゃんから4世代でみえるご家族もいます。気管支喘息の専門クリニックはそう多くはないので、一宮市や岐阜市、名古屋市、遠いと知多市や蒲郡市からもいらっしゃいます。私は特に咳を中心に多くの患者さんを診てきており、聴診には非常にこだわっています。胸や背中に聴診器を当てて、息を大きく吸って、ろうそくを吹き消すように一気にふーっと吐いていただくと、普通の呼吸ではわからなかった「ひゅーっ」とか「ぐーっ」という雑音が聞こえることも。喘息は、ひどくなると薬ではすぐに楽にならない場合も多く、急に呼吸困難になって救急外来に運ばれることもあります。たかが咳と思わず、しっかり診察、検査を受け、早い段階から適切な治療を始めることが重要です。

咳が出ると、内科へ行こうと思ってしまうのですが。

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多くは風邪などウイルスによる感染症の咳ですから、1~2週間で自然に治るか、咳止めの薬が効くので内科でもいいと思います。ただ、2週間以上、特に3週間以上続く咳は遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)といって感染症以外の咳かもしれません。アレルギーによる咳や「ぜいぜい」しない喘息、百日咳、あるいは肺炎、結核も考えられます。肺がんも咳が症状の1つです。周囲にうつす病気の場合もありますので、長引く咳や呼吸が苦しい咳、ある時期になると決まって出る咳などは、呼吸器内科を受診されるのがいいと思います。

患者が治療を選ぶ「インフォームドチョイス」を重視

先生の専門性に加え、こちらは検査機器も充実されていますね。

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胸部を撮るCTは、レントゲンでは見えない肺がんや肺炎、結核などを見つけられるので必要な機器になります。肺の機能を検査する機器は3つ。1つ目は肺活量や肺年齢を測定する機械。2つ目は気道抵抗を測定する機械。喘息があると気道抵抗は高くなる傾向があり、普通の肺機能検査ではわからないような軽い喘息もわかります。3つ目は、呼気の一酸化窒素を調べる機械。気道にアレルギー性の炎症があると、呼気の一酸化窒素は高くなる傾向があります。感染症の咳か、アレルギーによる咳かどうかを数値で判断でき、喘息もよくなると一酸化窒素の数値が下がるので、喘息治療の治療効果をみるのにも、たいへん役に立ちます。普段、家で「ぜいぜい」していても診察ではたまたま出ないこともありますので、聴診器での診察とこれらの医療機器と合わせて総合的に診断できるのは、呼吸器内科専門のクリニックとしての強みであると思います。

先生が普段、心がけていることを教えてください。

「この病気にはこの治療」と一律に同じ治療をするのではなく、患者さんの希望を聞き、それぞれに合った治療法を選択することを心がけています。喘息で使う吸入器も種類がいろいろあるのですが、試していただき「これなら続けられる」というものを決めていただきます。私は、インフォームドコンセントではなく、一歩進んでインフォームドチョイスと言っているのですが、どういう治療法があり、どういうメリット、デメリットがあるのかをすべてお話し、患者さん自身に選んでいただきたいと思っています。喘息は症状がおさまると治療をやめてしまう方もいるのですが、自分が選んだ治療法なら続けて頑張ろうという気持ちになりますよね。実際、他院に通院していてやり方がわからなくてやめてしまったという方もみえます。当院で必要性と使い方をきちんとお教えしますので、納得した上で治療を続けていただきたいですね。

患者自身が前向きに取り組むことが大切なんですね。

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そうですね。「言われたから仕方なくやる」ではなく、「よし、頑張ろう」と積極的な気持ちになると治りも早いと思います。そういう気持ちになっていただくためにも病院らしくない病院にしたかったんです。声掛けから始まりクリニック全体の雰囲気を良くし、患者さんの悩みや相談事をできる限り解決して納得のいく治療法を提案したい。そして「来てよかった」「安心できた」と笑顔で帰っていただきたいのです。喘息や肺気腫、たばこ肺といわれるCOPDなど肺機能が悪化する疾患は、「はい治りました、おしまいです」というものではなく、薬で症状をコントロールし続けていくものです。当院全体で、患者さんと一緒に頑張っていく姿勢を大事にしたいと思っています。

患者を大切に、研究や講演などもアクティブに行う

先生はずっとニコニコとお話してくださっていますね。

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うちはスタッフ全員ニコニコしていますよ。最初はつくり笑顔でも、やっているうちに本当に笑顔になります。忙しいときはお互いに協力して仕事をするなど「チーム医療」を実践しており、患者さんにとっても声をかけやすい、話しやすい雰囲気づくりに努めています。

先生は、なぜ呼吸器内科を専門にされたのですか?

私も小さい頃、喘息だったからですね。今はだいぶ良くなりましたが、風邪をひくと咳が止まらず、咳ってどうして出るんだろうと常々考えていました。当時、通院していた病院の先生が「小さい子どもこそしっかり治療すれば治ると信じてやっている」とおっしゃったのを覚えています。その言葉が今の私の治療方針に影響していますね。喘息のお子さんの半分ほどは成長するにつれ良くなっていきますが、症状はおさまったと思うと再発することもあり、私はよく「症状は氷山の一角ですよ」というお話をしています。表面に見えている症状が小さくても氷山の塊があるわけで、それでも子どもの頃から根気よく治療を続ければ、塊はだんだん溶けて小さくなるということです。

勤務医時代は救急医療のご経験もされたとか。

かつては全科当直といって、すべての患者さんを診ており、大変でしたが貴重な経験でした。緊急時でも冷静に対応する術が身に付いたと思います。数年前ですが、熱で来院したお子さんが急にけいれんして呼吸が止まり、その場にいた患者さんたちには申し訳ないけれど診療を打ち切って、一緒に救急車に乗り人工呼吸と気道確保をしながら病院へ向かったこともありました。車中では「呼吸が止まっても酸素が入っていれば大丈夫だから」とお母さんを励ましていました。お子さんは無事意識が戻り、今も風邪をひくと来院されます。

これからのご活動についてお聞かせください。

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今までどおり患者さんを大切にするとともに、クリニックでしかできない臨床研究を続け、学会発表や情報発信などアクティブに活動していきたいですね。当院では治験を受けることもでき、その場合は患者さんによく説明し、ご協力いただける場合にはお願いをするという形で行っています。また一般市民向けの講演の機会も多く、できるだけわかりやすく、おもしろおかしくお話するようにしています。話を聞いて「自分の咳は大丈夫かな」「ほうっておかずに検査をしようかな」とご自身の健康を見直す機会にしていただければうれしいですね。

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