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近藤 康宏 院長の独自取材記事

東郷なないろこどもクリニック

(愛知郡東郷町/日進駅)

最終更新日:2025/09/16

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック main

東郷町の住宅街の一角にある「東郷なないろこどもクリニック」。クリニックの前には20台分の広い駐車場が備えられており、車でのアクセスに便利だ。2023年4月に、前身のクリニックを継承するかたちで開業した近藤康宏院長は、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院で10年以上小児科、新生児科、小児アレルギー科の分野に従事した経験を生かし、地域密着型の小児科クリニックをめざしている。プライベートでは父親でもあり「アレルギー疾患を持つ患者さんと保護者の方の気持ちに寄り添いたいです」と語る近藤院長に、開業に至る想いや診療の際に心がけていること、専門であるアレルギーについてなど、たっぷり聞いた。

(取材日2025年8月21日)

子どもに寄り添い、家族と対話する小児科クリニック

開業の経緯を教えてください。

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック1

「いつかは開業して、地域に親しまれる医師になりたい」という想いは、幼い頃からずっと持っていました。父は名古屋市内で開業している歯科医師で、その姿を子どもの頃から間近で見ていた影響が大きいと思います。医学部に進学し、小児科を選んだのは、もともと子どもが大好きだったからです。小児科医として日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院で10年以上研鑽を重ねる中で、よりお子さんや保護者の方の近くで寄り添った診療をしたいという気持ちが強まりました。ちょうどその時期に前院長の山口先生との出会いがあり、クリニック継承のお話をいただきました。この辺りは開発が進む地域でもあり、今後さらに子どもたちが増えることが期待されます。そうした環境にも魅力を感じ、ここでの開業を決意しました。

どのような診療をされていますか?

日本小児科学会小児科専門医として、どのような訴えにも対応できるように幅広く診療しています。また、日本アレルギー学会アレルギー専門医でもあるため、特にアレルギー治療に力を入れています。日々の診療では、食物アレルギーや花粉症、喘息などでお困りのお子さんが多く、患者さん本人はもちろん、保護者の方のご負担も大きいと実感しています。例えば食物アレルギーのお子さんのいるご家庭では、日々の食事や食材選びに細心の注意が必要です。そうした保護者の方に「一人で悩まなくてもいいですよ」というメッセージを込めて寄り添い、お子さんの成長を一緒に見守る思いで診療にあたっています。

日々の診療で大切にしていることは何でしょうか。

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック2

最も大切にしているのは、「保護者の方にわかりやすい言葉で、丁寧に説明すること」です。実際にお子さんのケアをするのは、私よりも圧倒的に保護者の方の時間のほうが長いですからね。治療方針や処方するお薬について、保護者の方にきちんとご理解いただくことで、医療側とご家庭が同じ方向を向いて治療を進められると考えています。以前勤務していた日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院では、軽症から重症まで本当に多くの患者さんを診てきました。その経験は、大きな病気のサインを見逃さないように細部まで診る今の姿勢につながっていると感じています。専門的な知見に基づいた診察と、一人ひとりの心に寄り添う丁寧な対話、その両方を常に心がけて診療にあたっています。

アレルギーの専門性を生かして原因を追究

アレルギーの検査において、新しい機器を導入したそうですね。

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック3

指先から採取する1滴程度の血液で、41種類のアレルゲンを調べられる検査機器を導入しました。従来のアレルギー検査は注射器での採血が必要で、「注射が怖いので検査はしたくない」という理由が、咳や鼻水の原因を特定を難しくする一因となっていました。原因が特定できなければ、適切な治療に結びつけられない場合があります。今回導入した機器は注射器を用いずに検査できるため、小さなお子さんの恐怖心を和らげることが期待でき、保護者の方にも喜んでいただけるのではないかと考えています。患者さんにとって負担の少ない検査を提供することは、より良い治療につなげる上で重要だと実感しています。当院では他の検査として、気道の炎症レベルを評価できる呼気NO検査も導入しています。喘息の患者さんでは、この検査で炎症の程度を定期的に可視化し、丁寧にフォローアップしています。

アレルギーに関して、どのような患者さんが多いですか?

さまざまな患者さんがいらっしゃいますが、中でも花粉症の方が多く、近年では舌下免疫療法を希望される方が増えています。5歳から始められる有用な治療法ですが、一般的には3〜5年という長い期間、治療を続ける必要があります。せっかく始めた治療も、途中でやめてしまっては効果が期待できないため、当院では患者さんの負担軽減をめざして、オンライン診療を積極的に活用しています。体調が安定していて、お薬の処方だけで良いという場合は、ご自宅からビデオ通話で受診いただけます。長く続けることが大切ですから、患者さんの生活スタイルに合わせ、継続しやすい体制を整えています。

食物アレルギーへの対応について教えてください。

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック4

「食物経口負荷試験」という実際にアレルギーの原因食物を食べて症状の有無を確認する検査を行っています。当院では食物アレルギーに関しては「実際に症状が出るかどうか」で診断することを重視しており、試験は、院内の奥の部屋で遊んでもらいながら時間をかけて行います。症状が出た場合はすぐに対応しますが、何も起こらない場合でも30分~1時間ごとに診察を行います。どれくらい食べたり飲んだりできるのかを測るための検査ですので、飲食可能なものとその許容範囲を正しく把握することで、それをいろいろな加工品に換算できたら、一気に食の幅が広がることが望めます。適切に安全性に配慮しながらアレルギーと向き合って、お子さんも保護者の方もハッピーになっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。

同じ親としての経験を重ね、医療で子育てをサポート

アレルギー疾患以外では、どのような症状で来院されるお子さんが多いですか?

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック5

発熱や咳、鼻水、喉の痛み、嘔吐、腹痛など、さまざまな症状に対応しています。特に発熱や咳で来院される患者さんが多いため、即日で病原体を特定できる検査機器を導入しました。この機器では、インフルエンザや新型コロナウイルス、百日咳、マイコプラズマなど約15種類の病原体を15〜20分で同時判定できます。迅速で正確な診断は、お子さんの治療を早めるだけでなく、保護者の方の安心にもつながると思います。発熱以外では、便秘の患者さんも少なくありません。たとえ「気持ちが悪い」「嘔吐する」といった症状であっても、胃腸炎ではなく、便秘が原因の場合も意外と多いんです。子どもは自分の不調を言葉にできませんし、周囲も気づくことが難しいことがありますので、小さなサインや細かな情報からでも不調の原因を見逃さないようにしています。

日曜日も診療されているそうですね。

はい。この地域は休日に診療するクリニックが少ないため、地域の方のお役に立てればと思い、日曜診療を行っています。もし患者さんから「本当に助かりました」というお言葉をいただけたら、それが何よりのやりがいになりますね。市外から受診される方もいらっしゃいます。また、主に喘息や食物アレルギーの患者さんのために「かかりつけ小児科医制度」を設け、登録された方には私の直通電話番号をお伝えしています。夜間の症状悪化や誤食など、緊急時に直接ご相談いただける体制を整えることで、いざという時に頼れる場所があるという安心感を、地域の皆さんに提供できればうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

近藤康宏院長 東郷なないろこどもクリニック6

子どものことなら何でも気軽に相談できる、受診しやすいクリニックとして利用していただけるといいなと思っています。子育ては初めての連続です。どんな小さな不安でも遠慮なくご相談ください。食物アレルギーについては、医師が検査の結果などに基づいてアドバイスをしますが、実際にお子さんに食べさせるのは保護者の方です。医師は保護者の皆さんをサポートする立場になりますので、一緒にお子さんの健康に携わらせていただけたらと思います。私にも子どもが2人いて子育て真っ最中です。子どもを持つ親の気持ちや頑張りがわかりますので、これからも応援する気持ちで診療していきます。

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