加工で強度を高めたセラミックで
審美面にも配慮した歯科診療
斉藤歯科クリニック
(横浜市港北区/日吉駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
歯科治療で詰め物やかぶせ物などを作る場合、最近はさまざまな素材から選べるようになった。保険診療では金銀パラジウム合金以外に、プラスチック製のレジン、レジンとセラミックの混合素材によるCAD/CAM冠などが登場。さらに自由診療ではオールセラミックにしたり、非常に硬いジルコニアを使ったりと、素材にこだわっていくことも可能だ。「ただしそれらは適材適所が重要。たとえ患者さんの希望でも、適切でない素材を使うとその良さが生かせないので要注意です」と語るのは「斉藤歯科クリニック」の斉藤正徳院長。審美面にも配慮した歯科治療の中でも、特に素材選びについてアドバイスをもらった。
(取材日2019年1月18日)
目次
素材ごとの特性を生かし、丈夫さと見た目の自然さを両立させた歯科治療をめざす
- Q詰め物やかぶせ物を作る素材はどのように選ぶのですか?
-
A
▲患者の口腔内をチェックしたうえで、適切な治療を提案
詰め物やかぶせ物の素材にはさまざまな種類がありますが、当院では基本的に保険診療の範囲内で使える素材から提案しています。プラスチック製のレジンなどでも歯になじませ形を整えることはできますからね。ただ、保険素材では長持ちしづらかったり変色してしまうケースもありますので、目立つ歯だからもっと白くしたい、など患者さんからの要望があった際には、ジルコニアやセラミックなど自由診療の説明もしています。こういった素材は審美性や耐久性に特徴があるため、治療した歯をきれいに長持ちさせたい、という方には一度ご相談いただきたいですね。
- Qそれぞれの素材は、一般的な治療ではどう利用されるのですか?
-
A
▲治療する歯の位置や、個人の噛みしめのクセを考慮して素材を提案
保険診療の素材を強度順に並べると、金銀パラジウム合金、CAD/CAM冠、レジンとなり、見た目は合金以外はおおむね白色です。そのためレジンによる治療は噛みしめる力が奥歯ほど強くなく、目立つ前歯で利用されることが多いです。逆に噛みしめる力がかかる奥歯は、最も強度のある合金に頼らざるを得ません。しかし合金は口を開けた時に目立ってしまうので、気になるという方にお勧めするのが自由診療のセラミックなどです。十分な強度を持ち、見た目も白色で、しかも周囲の歯に合わせて色味が調整しやすいので汎用性が高いんです。当院ではこうしたセラミック素材のほか、ジルコニアの表面にセラミックを焼き付けた物も使用しています。
- Qジルコニアとセラミックを組み合わせるメリットは何でしょうか?
-
A
▲気になることは些細なことでも相談してほしいと院長は語る
ジルコニアだけでも詰め物やかぶせ物は作れますし、強度も申し分ありません。ただ、色味が限られているのが難点で、周囲の歯の色とうまく合わない可能性もあります。一方でセラミックは強度ではジルコニアに譲るものの、色味が細かく調整できるのが利点で、これを組み合わせると強度と自然な色味を両立させることができるのです。ただ、寝ている間によく歯ぎしりをする方、スポーツ選手などで歯を強く食いしばる習慣がある方などは、奥歯に入れたセラミックが欠けることも考えられます。そういう方には、マウスピースにより歯ぎしりや噛みしめを緩和する方法なども提案しています。
- Qセラミックを使った治療で注意する点はありますか?
-
A
▲メンテナンスこそが、きれいな状態で長持ちさせるための秘訣だ
どんなに丁寧に治療しても、年を重ねると歯茎が次第に下がるなどして、歯と歯茎の間にすき間ができます。そのすき間にプラークがたまると歯周病になる可能性もあり、セラミックの詰め物・かぶせ物の土台となっていた歯が抜けることも考えられます。もちろんこれは天然歯でも同様のことが起こるのですが、やはり見た目にも美しく歯の治療をしたら、きちんメンテナンスをして長持ちさせてほしいですね。当院では少なくとも半年に1度は定期検診を受け、口腔全体の健康状態、セラミックの人工物の固定具合、その土台となる歯の状況などを確認させていただき、問題があれば早めに対処するようにしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/1本5万円~ ※ジルコニアを含む複合素材を使った場合は、1本12万円~