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川原 誠司 院長の独自取材記事

恵泉第二クリニック 世田谷睡眠呼吸センター

(世田谷区/千歳烏山駅)

最終更新日:2021/10/12

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千鳥烏山駅からすぐの場所にある、「恵泉第二クリニック 世田谷睡眠呼吸センター」は、いびき・睡眠時無呼吸症候群の専門クリニックである。睡眠時無呼吸症候群は、最近になって世間でも認識されるようになった病気だが、院長の川原誠司先生は10年以上も前からこの病気に関わり、経験を積まれてきたスペシャリストだ。「21世紀の国民病」である睡眠時無呼吸症候群について、川原先生に話を聞いた。

(取材日2009年11月2日)

熟睡感がない、昼間に眠くなる人は要注意

ご専門とされている睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどのような病気ですか?

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睡眠時無呼吸症候群とは睡眠時に呼吸が止まる病気です。眠っている間に何らかの理由で気道がふさがってしまい、呼吸ができず窒息状態となり、それによって日常生活にさまざまな障害を引き起こす疾患です。例えば、たくさん寝たにも関わらず、朝起きた時に疲れが取れていない、熟睡感がない、昼間に眠くなるというのがこの病気の特徴で、集中力が低下して仕事の効率が悪くなったり、車を運転する人は交通事故の頻度が高くなるなど、さまざまな悪影響を及ぼします。睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と密接な関わりを持ち、太っている方はこの病気にかかる確率が高いと考えられています。お酒が好きな方、睡眠薬を飲んでいる方も発症しやすく、最近ではうつ病の合併率も高いと言われています。

治療はどのように行われるのですか?

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病気の程度にもよりますが、治療は睡眠時にCPAP(シーパップ)という装置を鼻に付けて行います。これは気道へ空気を送り込み、圧力をかけて気道がふさがらないようにするレンタル装置で、保険が適用できます。CPAPはメガネと同じで使い続けないと効果がなく、中には慣れるまで2、3ヵ月かかる方もいらっしゃいますが、適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、起床時の頭痛や日中の眠気といったさまざまな症状の改善が期待できます。その他の治療法としては、減量、減酒、適度な運動などの生活習慣の改善ですね。運動によって心も体もリフレッシュされますし、気持ちの良い疲れが良質の睡眠へと導いてくれます。ただ、いきなり無理な運動を始めると、膝を痛めてしまうことがありますので気をつけてください。特に太っている方には、プールの中で歩いたり、通勤で歩く距離を増やすなど、無理のない運動から始めるようアドバイスしています。

先生も何か運動をされているのですか?

患者さんに「運動しましょう、痩せましょう」と指導するからには、自分が実践してこそだと思い、僕自身も普段の生活では運動を心がけています。もともと走ることが好きで、週に1、2回は、夏は5キロ、気候の良い時期ですと10キロから20キロのジョギングをしています。以前は毎年フルマラソンに出場していましたが、今はトライアスロンに挑戦中です。

睡眠時無呼吸症候群は21世紀の国民病

患者さんを通じて感じることはありますか?

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睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がない方が多い病気です。家族の方に「いびきがうるさい、呼吸が止まっている」と言われて受診されるケースが多いですが、中には車の運転中に急に眠くなって意識がなくなり事故を起こし、ケガの治療をした病院から紹介されて来院される方もいます。一人暮らしの方はなかなか症状に気付かず、旅行や出張先で友達や同僚に指摘されて初めて自覚する方も多いようです。すでに気になる症状がある方はもちろん自覚症状がない方でも、電車やタクシー、バスの運転手など人の命を預かる仕事をされている方は、簡単な検査だけでも受けておくことをおすすめします。検査は一泊二日の入院で体にセンサー類を装着し、睡眠中の脳波・心電図・呼吸運動・動脈血酸素飽和度等を計測して睡眠時無呼吸の有無などを調べるもので、保険適用です。何より重大な事故やトラブルを起こしてからでは遅いですから、気になる方は一度検査を受けてみてください。

先生が睡眠時無呼吸症候群をご専門にされたきっかけは?

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睡眠時無呼吸症候群はもともとあった病気ですが、世間で認識されるようになったのはつい最近のことです。2003年に起きたJR山陽新幹線での居眠り運転事故を覚えていますか? その時の運転手が睡眠時無呼吸症候群だということがわかり、社会問題としてマスコミでも取り上げられ注目されるようになりました。大学卒業後は呼吸器内科に入局したのですが、たまたま上司が睡眠時無呼吸症候群を専門に研究されていて、それがきっかけでこの病気と関わるようになりました。その当時はまだ、世間ではほとんど認識されていない病気でしたが、まだわかっていないことが多いだけにやりがいがあり、これからは21世紀の国民病として知識が必要とされる分野ではないかと感じました。

そもそも先生が内科の道を選ばれたのはなぜですか?

体に不調を感じた時に最初に受診するのは内科で、そこから専門の科に送られますよね。いろんな病気の窓口のような内科に進めば、幅広い知識が学べ、体全身を診られるのではないかと考え、内科の道を選びました。呼吸器内科に入局し、肺気腫、肺がん、喘息などを専門に診ていたのですが、呼吸器系の病気は苦しい病気が多いんですね。患者さんの苦しげな様子にご家族がつらい気持ちにならないよう心のケアをしてあげたり、医学の知識や治療の技術だけではなく、一人の医師として患者さんやご家族の方とどう付き合っていくかということも学びました。大学に14年間勤務した後、2002年からはこちらのクリニックで睡眠時無呼吸症候群を専門に治療を行っています。診療は午後のみで、比較的遅い時間まで診療しています。待合室に絵本があるのは、午前中は耳鼻科専門の医師が診療していて小さなお子さんから高齢の方まで幅広い層の患者さんが訪れているんですよ。

健康への一番の近道は質の良い睡眠をきちんととること

患者さんにはどのようなアドバイスをしているのでしょうか?

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できるだけ睡眠時間を確保するようにとお伝えしています。それも、質の良い睡眠を。音や光のない静かな空間で一度も目覚めないで6時間以上眠る、12時前には寝て決まった時間に起きるのが理想です。日中に程よい運動をして、数十分でもいいので午前中に明るい外の光を浴び、夜はあまり強い光を浴びないようにすると深い睡眠が取りやすくなります。夜更かしや夜中のゲーム、アルコールや寝る直前までタバコを吸うことは睡眠の妨げとなるのでやめた方がいいですね。睡眠時無呼吸症候群は40代、50代の働き盛りの方に多い病気です。仕事のストレス、睡眠時間が短い、交代勤務で生活が不規則などの要因が考えられますが、一家の大黒柱のお父さんが病気になってしまうと家族はつらいですし、この病気は高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの合併症を引き起こす恐れがあります。患者さんの将来のためにできる限りここで食い止め、予防にも力を入れていきたいですね。

休日はどのようにお過ごしですか?

休日はジョギングをしたり買い物に行ったりしています。釣りが趣味で月に一度は行くのですが、小さい魚をたくさん釣るよりも大物狙いの方がわくわくしますね。釣り暦10年の中で印象に残っているのは、20キロ近いキハダマグロという魚を2匹釣ったこと。その日は船に14人くらい乗っていたのですが、僕以外はその魚を釣った人はいませんでした。釣り上げた時は本当に爽快でしたね。

今後の展望をお聞かせください。

睡眠時無呼吸症候群は世間でも認識されるようになってきましたが、専門医の数はまだまだ少なく、大きな病院でも睡眠検査ができる施設があまりないのが現状です。世田谷区で検査を受けられる施設はほとんどないと思いますので、検査はもちろん専門的な治療についても、気になる方はぜひご相談ください。会社帰りに立ち寄れるよう遅い時間まで診療を行っています。今後は、検査や専門的な治療ができる施設がどんどん増えていくべきだと思いますし、うちでも他のクリニックと連携を密にして、検査と最初の治療を終えたらお近くのクリニックで治療できるような、患者さんへの負担が少ないシステムも導入していきたいです。今後の展望としては、この病気が、人の命に関わるようなトラブルを引き起こす可能性のある、見過ごせない病気であることをもっと社会に広めるとともに患者さんのクオリティ・オブ・ライフが向上するような診療に努めていきたいと考えています。

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