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梁 壽男 院長の独自取材記事

りょうクリニック

(高槻市/摂津富田駅)

最終更新日:2019/08/28

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近年著しく患者が増えている乳がん。早期発見と治療で治る可能性が高くなるとされている乳がん診療に力を注ぐのが、高槻市でも珍しい乳腺外科を掲げる「りょうクリニック」だ。梁壽男(りょう・としお)院長は、日本乳癌学会乳腺専門医など多くの資格を有し、現在も勉強会に足を運ぶなど、学びの姿勢を崩さない乳腺外科診療のエキスパート。飾り気のない、真っすぐな人柄と真摯な姿勢が評判を呼び、診療時間を大幅に過ぎても多くの患者が待っているほどだとか。「乳がん罹患率が高い40~50代は、仕事や子育てで忙しく検査を後回しにする人も多い。社会や家庭内で重要な役割を担う女性を失わないためにも、検診を受けて当たり前という意識づけが大事」と力説する梁院長の診療への思いに触れた。
(取材日2017年11月27日)

検査から治療まで、乳腺専門医が一貫して診療に携わる

クリニックの特徴を教えてください。

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当院は市内で珍しい乳腺外科を掲げるクリニックとして、2006年に開院しました。開院前はここから近い北摂総合病院で外科、乳腺外科部長を務めましたが、次第に患者さんとじっくり向き合い、きめ細かな対応をしたいと思い、今まで診ていた患者さんも来院しやすい高槻市川添で、開業を決めました。当院は、乳腺専門の医師が常勤し、検査から治療まで、一貫して患者さんを診ることができるのが特徴です。他の検診専門の機関は結果を紙面などで伝えるだけで、その後のフォローがないところも多いですが、当院では検診で異常が見つかればすぐに詳しい検査を行い治療方針をお伝えします。乳がんなどで手術が必要な患者さんには、非常勤で勤める茨木市の藍野病院で、私が執刀することも可能です。近隣の大規模病院とも病診連携を取っているので、検査や治療で高度な医療が必要な場合は、信頼のおける専門の医師に紹介も行います。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

全体の半数以上はホームページを見て来られ、高槻市を中心に茨木市、枚方市からも来院されます。年齢層も20~80代と幅広いですね。診療科目は胃腸内科や肛門外科もありますが、多くは乳腺外科診療の患者さんがほとんどで8割は女性です。胃内視鏡検査、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病も診療しています。私自身外科出身で、勤務医時代は内科を診る機会はなかったのですが、50~60代の女性は内科疾患にかかるケースが多く、他院にわざわざ行かなくても一度の診療で対応できるように、当院でも診るようになりました。専門の乳腺外科では、乳がん検診はもちろん乳腺の痛みや乳房のしこりなどで受診され、悪性腫瘍以外の患者さんには、治療や定期的なチェックを行い、良性のしこりであればすぐに切除することなく、経過を見るようにしています。

なぜ医師を志し、乳腺を専攻されたのでしょうか?

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幼い頃から理科系が好きで、小学生の頃には自然と医師を志すようになりました。乳腺に進んだのも、大学卒業後は一般消化器外科に入局しましたが、そこで教授に乳腺を研究するように勧められたのがきっかけです。当時は乳腺専門の医師は少なく、乳がんなどは外科の医師が片手間で診療を行っており、正直に言うと、始めは特別な思い入れもありませんでした。しかし経験を積むうちに、乳腺の疾患は学問的で、乳がんはほかのがんとは違い多くが治療によって治癒できるところに、魅力を感じるようになったのです。そこから、この先専門として学ぶ価値がある分野だと見出し、気が付けば30年以上と長く携わっていましたね。

専門外でも積極的に知識を得て、診療に生かしたい

クリニックで行われる乳がん検診について教えてください。

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当院では乳がん検診をたくさん行っていますが、有名人が乳がんになったというニュースが出ると社会の関心も高まり、一時的に受診率が上がる傾向にあります。乳がん検診は40歳以上の方に、女性放射線技師によるマンモグラフィ検査をし、その画像を基に微小石灰化などをコンピューターが検出するCADも用いて、病変の見落としがないよう細心の注意を払っています。高槻市は30歳代には超音波で検診をしています。乳がん検診受診の目安は、40歳以上の方は2年に1度行うことになっており、がんの見落としがないように二重読影を行っています。ただし結果で異常がなくても完全に安心するのではなく、自己検診を続けてしこりなど自身で異変を感じたらすぐに専門医に受診することが重要です。マンモグラフィの画像データは保存し、過去の写真と比較できるので、将来の検診に役立てるという観点でも、マンモグラフィー検診は大切ですね。

近年乳がん患者は増えているとされますが、実感はありますか?

乳がんは明らかに増えています。原因は食事の欧米化や女性の社会進出などライフスタイルが変化していることや、近年は晩婚傾向で、初産年齢の高齢化や出産経験がないなども関係します。発症年齢は20~80歳以上と幅広いですが、特に40~50代が多いですね。この世代は働き盛りで子育ても忙しく、自分のことは後回しとなり、検診が遅れる場合も少なくありません。いざ後になって来院すると、がんが進行してしまっていたケースもあるんです。乳がんには予防法はありませんが、早期発見し治療をすることで治る病気です。家庭で中心的な役割を担う女性の乳がんによる損失は、家族や社会的にも計り知れないので、定期的な検診が欠かせません。自ら行う月に1度の自己検診も大切で、当院ではパンフレットをお渡しし、チェック法の説明も行います。「自分ではわからない」と思う方もいますが、何度か行ううちに、自身の体の変化は意外に気づくものなんです。

診療への心がけを教えてください。

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当院では特に乳がん診療に注力しており、検査でがんの疑いがある場合は正直に「悪性の疑いがあります」と伝えた上で、「検査し、一緒に頑張って治療しましょう」とお話しします。検査結果もすぐにきちんとお伝えするので、異常がないとわかると、泣いて喜ばれる患者さんもいらっしゃいますね。また、医療は日進月歩の世界で、治療法などは日々変化しており、常に最新の情報を取り入れることが肝心です。当クリニックでは乳がんの患者さんを全人的に診てあげたいので、専門分野外の勉強会にもなるべく足を運んで新たな知識を習得し、診療に生かしたいと思っています。

検査で早期発見することで、人生を楽しんでほしい

先生の趣味やリフレッシュ法について教えてください。

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趣味はマラソンです。大学ではラグビー部に所属し、長距離走は苦手でしたが、6年前に初出場したマラソン大会でゴールした瞬間の達成感がやみつきになり、今もフルマラソンを続けるようになりました。今は年に1、2回出場する大会や、医師会のランニングクラブ仲間と山を登ったり走ったりするトレイルランニングで楽しんでいます。年明けには大阪や東京の大きなマラソン大会にも出るので、そろそろ調整をしなくてはと焦っているところです(笑)。リフレッシュ法は食べることが好きで、おいしいと評判の店を聞くと、友人や家族らと食べ歩きなどもします。ほかにもジャンルを問わず音楽も聴くので、妻とコンサートに行くのも気分転換になって良いですね。

今後の展望を教えてください。

日々最新の情報を取り入れて患者さんに提供できる診療を、これからも続けていきたいですね。現在は内科疾患などにも対応していますが、将来的には乳腺外科のみに特化した診療に移行したいと考えています。これは、乳がん患者さんの需要が年々増えていることや、私自身、乳腺疾患に長く携わってきたので、そこで備わった知識や技量を最大限に生かせられるように、より専門性の高いクリニックにしたいとの思いからです。

読者へのメッセージをお願いします。

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日本は乳がん患者の増加に伴い死亡者も増えており、検診率を上げるのが喫緊の課題です。日本の検診率が3、4割に対し、乳がん罹患率の高い欧米では8割ほどと意識も高く、乳がん患者の死亡率も減っています。乳がんは女性の誰もがかかる可能性があり、決して人ごとではありません。一度検査を受けたことで安堵し、2年後の検診を忘れる人もいますが、乳がん検診を定期的に受け、自己検診を毎月行うのが当たり前という認識を持ってほしいです。女性のライフスタイルを変えるのは難しいですが、病院や自宅での検診は少しの時間を割くだけで済みます。気になる症状があればすぐに受診し、自覚症状がない人は検診によって早期発見と治療につなげ、その後の人生を楽しんでいただきたいですね。

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