残存歯への負担が少ない入れ歯
インプラントオーバーデンチャー
大崎デンタルオフィス
(朝霞市/朝霞台駅)
最終更新日:2024/03/06


- 自由診療
歯を失った後に、それを補うための治療法にはインプラントやブリッジ、入れ歯などいくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがある。入れ歯の一種である「インプラントオーバーデンチャー」は、従来の入れ歯と比較して、しっかり固定できるため安定感があり噛みやすさが期待できる。また、残っている歯に負担がかかりにくく、取り外しができるなどのメリットもある。一方、入れ歯の下にインプラントを埋め込むため、歯周病にならないようしっかりとメンテナンスを続けることが必要だ。入れ歯の治療にも力を入れており、その分野で30年以上の診療経験を持つ「大崎デンタルオフィス」の院長、大崎忠夫先生に、この治療の特徴や勧められる人、治療の流れなどについて聞いた。
(取材日2024年1月30日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラントオーバーデンチャーとはどのような治療ですか?
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A
入れ歯治療の一種で、顎の骨に数本のインプラントを埋め込み、それを土台として通常の義歯よりもコンパクトな形状の義歯を装着する治療法です。一般的な部分入れ歯では、残っている歯に留め金をかけて入れ歯を支えるため、それらの歯に大きな負担がかかります。特に、歯周病で歯が弱っている場合はより負担が大きく、義歯を使っていくうちに歯が揺れてきたり歯が折れてしまうことも。インプラントオーバーデンチャーは、そのように残っている歯に負担をかけることなく、インプラントを土台としてしっかり義歯を固定できるため、噛みやすさが期待でき、自然な見た目にしやすいことがメリットといえます。
- Qいわゆるインプラント治療とはどう違うのですか?
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A
この治療は、入れ歯とインプラント治療の「良いとこどり」と言えます。一般的なインプラント治療より埋め込むインプラントの本数が少ないため、費用を抑えることができます。ただし、インプラントを埋め込む手術が必要になるため、心臓病など全身疾患がある方は行えない場合があります。また、歯周病が進行している人が歯周病治療を受けずにインプラントを入れた場合「インプラント周囲炎」という歯周病のような状態になる可能性がありますが、インプラントオーバーデンチャーも同様にインプラントを埋め込むため、歯周病がある人はまずその改善が先決です。また治療後も、歯周病予防のため定期的な歯科への受診とメンテナンスが必要になります。
- Qどのような人に適した治療法ですか?
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A
他の歯にかかる負担が少なくて済む治療法ですので、歯周病があって入れ歯を作りたいと考えている方や、1本だけでなく複数の歯を失ったものの、まだ残っている歯がある方などにお勧めしています。また、留め金などが見えないため、見た目が気になる方にも適しています。一方で、骨がもろくなる「骨粗しょう症」という病気のある人は、インプラントを支える顎の骨がもろくなるためにインプラントを骨にしっかり埋め込めないことや、治療に使用する薬剤により顎の骨に悪い影響を及ぼすことがあるため、慎重に治療を検討する必要があります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査を行い、治療計画を立てる
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歯周病がないかなど、口腔内の検査を行う。エックス線撮影や全身の健康状態を確認するための問診なども行う。歯周病がある場合にはまず歯周病治療を行う。高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある場合は、状態が安定しているかを確認し、喫煙者は禁煙、もしくは喫煙本数をできるだけ減らすことが勧められる。
- 2骨の状態を調べ、インプラント手術を行う
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顎のCT撮影を行い、インプラント体を埋め込む部位の骨の状態を分析する。インプラント体を埋め込むための長さを確保できる骨がある適切な場所に、安全に配慮してインプラント体を埋め込めるように、サージカルガイドと呼ばれる装置を作製。それをもとにインプラント体を埋め込む手術を行う。骨とインプラント体の結合を確認後、仮の土台を装着する。
- 3義歯の型を採り、義歯を作製する
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インプラント手術後、歯肉が治癒したら入れ歯の型を採る。型採りはシリコンゴムを使用し、誤差が生じないよう精密に行い、その型をもとに義歯を作製する。インプラントを入れた部位の歯肉に合う「ロケーター」と呼ばれるアタッチメントをインプラント体にねじ止めし、接続部分は入れ歯の内側に埋め込み、入れ歯を完成させる。
- 4入れ歯を装着する
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ロケーターを用いた入れ歯は、インプラントが入れ歯部分をしっかりと支えるため、動揺が少なく安定した着け心地が望める。また、入れ歯部分は取り外して手入れをすることが可能だ。治療期間は、検査からインプラント体の埋め込み手術、メンテナンスまで、おおむね下顎で6~7ヵ月、上顎で9~10ヵ月ほど必要となる。
- 5メンテナンス
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歯周病治療と同様に、インプラントオーバーデンチャーのメンテナンスも基本的には3ヵ月ごとに行う。歯周病の原因となる細菌の数は、3ヵ月程度でクリーニングする前の状態に戻ってしまうと考えられているため、「3ヵ月に一度」という間隔が基本だそう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラントオーバーデンチャー/31万9000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。