大崎 忠夫 院長の独自取材記事
大崎デンタルオフィス
(朝霞市/朝霞台駅)
最終更新日:2023/12/28
朝霞台・北朝霞の駅からJR武蔵野線沿いに徒歩数分、住宅街の中にある「大崎デンタルオフィス」。外観は一軒家風だが、通りを挟んだ向かい側にコンビニエンスストアがあるため、初めてでも迷うことなく来院できそうな場所にある。コンパクトながらも白を基調にした清潔な院内は、落ち着いた雰囲気が漂う。院長の大崎忠夫先生は10年余り日本歯科大学附属病院で歯周病治療に携わった後、朝霞の地で2003年に開業。患者の中には、大学病院の時代から、あるいは開業当時から通院している人も多いのだとか。また、スタッフも10年以上勤務する人が複数おり、大崎院長の人望の厚さが感じられる。「患者さんとの信頼関係が何よりも大切」という院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2019年7月10日/情報更新日2023年12月26日)
歯周病を中心に幅広い症状に対応
当地で開業した経緯をお聞かせください。
私は1991年、日本歯科大学歯学部(現・生命歯学部)を卒業後、大学病院に残り、歯周病科に勤務しました。その間、日本歯周病学会歯周病専門医と歯学博士を取得することを目標に研鑽を積み、1998年、その目標も無事に達成できました。そこで、歯科医師になった時から抱いていた「いずれは地元に戻って、地域の皆さんに貢献したい」という夢を実現するために、実家のある朝霞の地で開業することを決意しました。実は父も歯科医師をしておりまして、ここから歩いていける距離に、父のクリニックがあります。小さい頃から父のクリニックによく出入りしていましたし、その意味でも、この町は非常になじみのある場所です。
どのような患者さんが多いですか。
私は歯周病治療を専門にしていますが、開業するにあたり、さまざまな患者さんに対応できるよう勉強してきました。そのため当院には、小学生のお子さんから、80〜90代のご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんが通っていらっしゃいます。治療メニューも、歯周病治療から虫歯予防、審美歯科、インプラント治療、歯列矯正、有床義歯による治療まで幅広くご用意しています。患者さんの多くはこの地域に住む方々ですが、歯周病治療では「ホームページを見た」と言って、セカンドオピニオンを求めて、遠方から来る方もいらっしゃいます。また、大学病院で出会った方で、今でもメンテナンスのために定期的に通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。そういう方とはもう30年近いお付き合いになります。それだけ信頼していただいていると思うと、たいへんうれしいですね。
専門の歯周病治療について教えてください。
歯周病は歯周病原細菌による感染症で、進行すると歯を支えている歯周組織が壊されていく病気です。まだそれほど重症ではなく、歯周ポケットが浅い場合は、専門の器具を用いて、付着した歯石を取り除くことができます。しかし、歯周ポケットが深い場合は、歯肉を切開し、歯石や歯周病の原因となっている細菌を除去するための手術が必要です。この手術については、大学病院に所属していた頃から多く経験を積んできました。また、歯周病によって後退してしまった歯肉や歯槽骨などの歯周組織を再生するための手術も積極的に行っています。歯周病は家づくりに例えると、基礎工事にあたります。歯周病で虫歯のある人なども、まずは口の中の歯周病の原因菌を減らしてから、詰め物やかぶせ物の治療を行うのが原則です。
歯科衛生士とチームを組んで歯周病の治療に取り組む
治療で大切にしているのはどんなことですか。
治療後のメンテナンスをしっかりすることです。歯科の治療は、治療をして終わりではありません。治療後にトラブルがないようにメンテナンスできて初めて、本当に良い治療ができたと言えます。特に歯周病は、治療が終わってからが勝負です。歯周病は治療すると細菌の減少が期待できますが、治療後にメンテナンスをしないと細菌が増加して歯周病が再発することがあります。ゼロにはならない歯周病原細菌の数が増えないようコントロールしていきます。欧米の歯周病治療に関する臨床研究を見ると、治療後10年、20年のメンテナンスを続けることは当たり前です。そのように長く患者さんに関わり、歯の健康を守っていきたいと考えています。
歯周病治療のためにどんな体制を整えているのでしょう?
歯周病治療に欠かせない専門的な機材をそろえ、必要な環境整備に努めています。特に当院が力を入れているのは、歯科衛生士の充実です。というのも、歯周病の治療は歯科医師だけではできません。歯垢や歯石の除去、歯磨き指導など、歯科衛生士が担う仕事がたくさんあります。当院では、歯周病に関する専門的知識を持つ歯科衛生士が、歯周病治療に必要な口腔衛生指導や歯石除去を、責任をもって担当。歯周病治療に必要不可欠なセルフケアについて丁寧にお伝えします。歯周病治療は歯科医師と歯科衛生士、そして患者さんを含めた三者のチームプレーによって初めて成功すると考えています。
歯科衛生士の教育はどのように行っていますか。
院内では、私が歯周病の勉強会を開いたり、歯の模型を用いて歯石除去のトレーニングを行ったりしています。また、新しい歯周病治療や口腔衛生技術を学んでもらうために、外部のセミナーにも積極的に派遣しています。当院には現在、常勤4人、パート1人の5人の歯科衛生士が勤務していますが、いずれも歯周病の治療について学びたいという強い意欲を持っている人ばかり。スタッフみんなが歯周病治療という同じ方向を向いて仕事できることが、当院の強みだと考えています。
歯周病専門医として地域で歯科診療を通して貢献したい
そもそも歯周病を専門に選んだのはなぜですか?
大学にいる当時、歯周病は比較的まだ新しい学問分野でした。私は、日本人の多くが何らかの症状を持っている歯周病を学び、その治療法を身につけることに大きな関心を抱きました。歯周病治療はいくつかの治療の段階を経て、歯周病に侵されているすべての歯、口腔全体を治療していきます。治療期間は軽症であれば数ヵ月、重症の場合2〜3年を要します。その長い治療期間を通して、患者さんとコミュニケーションをとりながら、一歩ずつ進めていくところに大きなやりがいを感じます。歯周病の治療には患者さんの協力が欠かせません。どちらかというと、私は口下手なのですが、それでも信頼してついてきてくださる患者さんにいつも感謝しています。
これからの目標を教えてください。
大学で日本歯周病学会が認める歯周病専門医の資格を得て、クリニックを開業してからは、歯周病治療を行う歯科医師を指導していくことも視野に入れて研鑽を積んできました。その専門性を生かし、一人でも多くの患者さんの歯を救うことが当院に与えられた使命だと考え、これからもコツコツと診療に取り組んでいきたいと考えています。また、日本歯科大学では開業以来非常勤講師として、教育にも携わっています。これから歯周病に精通した歯科医師を育てていくことも目標の一つです。
最後に、地域住民にメッセージをお願いします。
歯周病は静かにゆっくり進行する慢性疾患ですが、自覚症状がほとんどなく、気がついたときには「結構進行していた」というケースを今まで何度も見てきました。そうならないように歯茎の出血などのサインに気づいたら、放っておかないで、すぐに歯科クリニックを受診してほしいと思います。早期発見できれば、治療も簡単に済みます。しかし、発見が遅れると、歯茎が縮んでしまい、歯が長くなったように見えて、お口の審美性も損なわれてしまいます。そういうことにならないよう、日頃からお口の健康に高い意識や関心を持って、セルフケアや歯科クリニックでの定期検診を心がけてほしいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/7万7000円~、インプラント/1本44万円~、歯列矯正55万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/22万円~、ノンクラスプデンチャー/13万2000円~、セラミックインレー/4万9500円~、セラミッククラウン/5万5000円~、唾液検査/5500円
*治療する歯の状態により異なります。料金はあくまで目安です。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。