冨本 昌之 院長、長尾 諒子 副院長、田村 怜子 先生の独自取材記事
とみもと歯科医院
(大阪市港区/朝潮橋駅)
最終更新日:2024/10/04

1999年にみなと通り沿いに開業し、地域で親しまれてきた「とみもと歯科医院」。2022年に同じ通り沿いに移転後、冨本昌之院長を筆頭に、口腔外科が専門の長尾諒子副院長、歯科麻酔が専門の田村怜子先生の3人で診療に臨んでいる。同院は一般的な歯科診療から親知らずの抜歯、ホワイトニングまで幅広く対応しつつ、特に小児歯科と小児矯正に注力。歯の生え初めから仕上げ磨きの指導を行い、小児矯正ではマウスピース型装置を用いた矯正や筋機能訓練などによる早期介入で、ワイヤー矯正をせずに歯並びを整えることをめざしているという。患者目線に立った診療を重視している同院。先進の機器を導入して体に負担の少ない処置を心がけ、恐怖心が強い患者には鎮静下での治療も提案している。インタビューでは診療方針などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年8月22日)
広いアクティビティールームを活用した診療を行う
楽しい雰囲気の歯科医院ですね。英会話教室のような印象です。

【冨本院長】世代を問わずリラックスして受診していただけるように、1階は落ち着いた雰囲気に、2階は親子で楽しく通院できるよう絵本の挿絵をイメージした壁にするなど、こだわって設計しました。ご高齢の方の中にも「内装がかわいいから、階段が大丈夫なうちは2階で治療を受けたい」とおっしゃる方もいるんですよ。診察台は1階に5台、2階に2台の計7台で、2階の診察台の数が少ないのは、その分、アクティビティールームと呼ばれる広い部屋を設けているからなんです。
アクティビティールームは、どのようなときに使用しているのですか?
【長尾副院長】早期矯正の説明会や、早期矯正の大切なメニューである筋機能訓練、仕上げ磨き指導などさまざまな場面で活用します。アクティビティールームは靴を脱いで入るお部屋なので、直に座ったり寝転んだりできるんです。仕上げ磨き指導も、普段お家のリビングでするのと同じくお子さんを膝下に寝転ばせた状態で行えますから、診療台で行うよりも実践的なアドバイスができるんです。また、診療室に入ることを怖がっているお子さんがいたら、無理に治療を進めずに、アクティビティールームを歯科に慣れるための導入として利用することも。歯医者嫌いにさせないために、段階を踏んでいくことを大切にしています。
新たに導入したという機器について教えてください。

【冨本院長】歯列矯正や詰め物などを作る際、従来は粘土のようなもので歯型を採っていましたが、中にはえずいてしまう方もおられます。そこで当院では口腔内スキャナーを導入し、不快な型採りをすることなく、お口の中の構造をデジタルデータ化できるようにしました。治療精度の向上につながるとともに、患者さんが自分の目でお口の中の状態を画像データで見ることができるようにもなったんです。当院では、そのデータを3Dプリンターで造形することも可能です。
【長尾副院長】痛みの少ない虫歯治療を行うため、レーザー装置を導入しています。レーザーの特性を生かせば、口内炎などの治療をすることもできるんです。私は口腔外科を専門にしていますが、レーザー装置によって歯周病の手術をより精密に、より短時間で行うことも可能になりました。
小学校低学年に早期矯正を始めるのが理想
小児矯正に力を入れるようになったきっかけを教えてください。

【冨本院長】十数年前に、あるお母さんから「歯並びが悪くなる前に予防はできないんですか」と質問されたのがきっかけです。かつて、矯正治療は歯並びが悪くなってから行うのが常識でした。そのほうが「治さなくちゃ」と思ってお子さんのモチベーションも上がるという考えもあり、むしろ、早く矯正を望む声に「もう少し待ちましょう」と言っていたんです。ですが、その質問を機に調べたところ、歯並びが悪くなるのを防ぐためにマウスピース型の装置を用いた方法があると知りました。以来、研究と試行錯誤を重ね、早い段階から、マウスピース型装置を用いた矯正と筋機能訓練を行う早期矯正に取り組むようになったんです。
早期矯正について、詳しくお聞かせください。
【冨本院長】歯並びが悪くなるのは、唇や舌の悪い癖によって口周りの筋機能が正しく機能せず、顎の発育が不十分になることが原因の場合が多いのです。早期矯正では、歯並びを悪くする原因を取り除くための処置とトレーニングを行います。睡眠中と、起床中は1時間、マウスピース型装置を着けて唇や舌の力から歯をガードし、舌を正しい位置に戻すことをめざします。アクティビティールームでの指導は、月に1回。トレーニングスタッフが鼻呼吸や適切な飲み込み方などを指導し、舌を正しい位置に安定させることをめざしていきます。ご家庭でも保護者の方と一緒に毎日トレーニングしていただきます。早期矯正は抜歯やブラケット装着を用いないアプローチのため、負担を抑えられるのがメリットですね。状態によっては顎の拡大装置を併用する場合がありますが、なるべく使用しないことを目標に進めます。
矯正は早く始めるほうがいいのでしょうか。

【冨本院長】早期矯正は完全に成長する前に始める必要がありますが、あまりに幼いとトレーニングができなかったり、マウスピース型装置に抵抗があったりするかもしれません。小学校低学年で始めるといいでしょう。当院では、毎月、早期矯正の説明会を開催しているので、気になる方は足をお運びください。歯並びが悪いと見た目の問題だけでなく、歯磨きなどの口腔ケアがしづらいために虫歯や歯周病のリスクが高まる他、食べ物がうまく噛めない、口呼吸により風邪をひきやすくなるなど、全身の健康にも関わります。顎の成長が終わった後に矯正したい場合は、装具の着用や抜歯による成人矯正を行います。当院では、程度の軽い歯列不正には部分矯正を、金属の装具が目立つのは嫌だという方には、白くて透明感のある目立ちにくいセラミックブラケットをご提案しています。小児矯正では、連絡帳をオリジナルバッグとともに差し上げています。
生涯にわたって付き合える歯科医院をめざして
痛みに配慮した診療を行っているとお聞きました。

【田村先生】私は皆さんに楽しく通っていただけるよう、麻酔針を細いものにしたり、針を刺す痛みを表面麻酔で軽減を図ったりといった工夫を積極的に行っています。歯科恐怖症の方には、うとうととした状態で治療を受けられ、痛みや不快な音をほとんど感じることのないよう静脈内鎮静法での治療をご提案しています。恐怖症に限らず、難しい親知らずの抜歯に臨む方や、短期間で治療を終えたい方、嘔吐反射が強い方などもお気軽にご相談ください。
今後、どのようなクリニックにしていきたいですか。
【冨本院長】赤ちゃんからお年寄りまで、一生涯付き合える歯科医院にするのが目標です。お子さんの歯が生え始めた頃に仕上げ磨きのトレーニングにお越しいただいて、3ヵ月に1回、メンテナンスのために来てくださるのが理想ですね。幼い頃から定期的にお口の状態を見せていただき、成長を見守れるのはうれしいことです。定期健診をする中で、歯並びが気になるお子さんに早期矯正をご提案することも可能です。当院には歯科衛生士や歯科助手など多くのスタッフが在籍していますが、誰が担当しても均質な医療が提供できるよう、情報共有を徹底することも患者さんからの信頼につながる重要な要素だと考えています。そのためにスタッフ間のコミュニケーションを大切にし、当院でずっと働きたいと思ってもらえるような働きやすい環境づくりにも注力しています。
読者の皆さんへメッセージをお願いします。

【長尾副院長】治療中のお子さんを見ると、「うちの子もこうだったなあ」とわが子と重なることがあります。そうした母親目線での診療も大切にしながら、今後も患者さんの立場に立った診療を心がけていきたいと思っています。
【田村先生】当院には楽しい先生やスタッフがたくさんいるので、お口のことで何か気になることがあれば気軽に相談していただければと思います。症状が進むと治療の痛みが増すものなので、早めに受診してくださいね。
【冨本院長】皆さんにはぜひ楽しく通院していただきたいですね。特にお子さんには、歯医者さんは楽しいところ、いっぱい褒めてもらえるところというイメージを持ってもらえるように心がけ、将来の歯の健康、全身の健康につながるお手伝いができればうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正:早期矯正/44万円、成人矯正:本格矯正/71万5000円、成人矯正:部分矯正/33万円、矯正診断料/3万8500円、ホワイトニング/3万円~、セラミックのクラウン/6万6000円~